医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科|
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めまい・頭痛・だるさが気になる方・高齢のご家族や持病がある方へ
熱中症の症状・応急処置とは?頭痛・後遺症も内科医が解説
熱中症の症状(初期症状・重症度チェック)・頭痛や吐き気への対処・応急処置・何日で治るか・後遺症・受診の目安を内科医が解説します。高齢者・糖尿病・腎臓病・高血圧の方の注意点や、経口補水液など飲み物の選び方も。
暑い環境で起こる体調不良のなかでも、熱中症は早めに気づいて対処することが重要です。めまい・立ちくらみ・こむら返りなどの軽い症状から始まり、進行すると頭痛・吐き気・強いだるさ、さらに意識障害やけいれんに至ることがあります。
応急処置の基本は、涼しい場所への移動・体の冷却・水分と電解質の補給です。意識がおかしい・自分で水分がとれない・けいれんがある・高体温が疑われるときは、無理に飲ませず救急要請が必要です。この記事では、症状から応急処置・受診の目安・予防までを内科医の視点で解説します。
この記事のポイント
熱中症は、暑熱環境にいたあとに、めまい・失神・頭痛・嘔吐・倦怠感・意識障害・高体温などをきたし、感染症や甲状腺クリーゼなど他の原因を除外して診断する病態です。体温調節の破綻による暑熱障害と、発汗過多や摂取不足による脱水が重なって起こります。
日本救急医学会の2024年版では、従来のI〜III度に加えて、最重症群としてIV度が導入されました。一方で、患者さんご自身がまず判断するうえでは、「軽症か・受診が必要か・救急が必要か」をわかりやすく見分けることが大切です。
| 重症度 | 主な症状の目安 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| I度 | めまい・立ちくらみ・生あくび・大量の発汗・筋肉痛・こむら返り(意識障害なし) | 涼しい場所で休み、冷却と水分・電解質補給 |
| II度 | 頭痛・嘔吐・倦怠感・虚脱感・集中力や判断力の低下 | 医療機関での診察を考える |
| III度 | 中枢神経症状・肝・腎機能障害・入院加療が必要な状態 | 早急に受診・救急対応を検討 |
| IV度 | 深部体温40.0℃以上かつGCS 8以下 | Active Coolingを含む集学的治療が必要 |
屋外だけでなく、住居内での発症も多いのが特徴です。2023年の全国の熱中症搬送者数は91,467人で、高齢者が最多、発生場所は住居が最も多いと報告されています。室内でも油断できない病気です。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「自分で気づくこととしては、頭痛や倦怠感などはもちろんですが、嘔吐してしまう・ぐったりして動くことができない、などは緊急である可能性が高くなります。熱中症は程度によってかなり差があるため、”このレベルの症状なら大丈夫”と必ず言えるような基準はありません。私が一番重要視しているのは、普段からその人を知っている人から見て、話しかたや受け答えにいつもと変わりがあるかどうか、だと考えています。」
初期症状として見逃しやすいのは、立ちくらみ・めまい・生あくび・大量の汗・筋肉のつり・こむら返りです。「まだ動けるから大丈夫」と無理をすると、頭痛・吐き気・倦怠感へ進みやすくなります。
次の項目に当てはまる場合は、熱中症を疑って早めに休みましょう。
熱中症では頭痛や吐き気だけでなく、下痢・寒気・発熱感・翌日のだるさのように、一見ほかの病気にも見える症状が出ることがあります。とくに寒気や意識の変化は重症化のサインのことがあり、自己判断で様子見をしないことが大切です。夏バテ・低血圧・貧血でも似た症状は出ますが、暑い環境にいた・複数の症状が重なる場合は熱中症を優先して考えます。
熱中症で頭痛が起こる背景には、脱水による循環血液量の低下や体温上昇が関わります。頭痛だけでも、暑い環境にいた・汗を多くかいた・吐き気やだるさを伴うといった状況なら、熱中症を疑うべきです。
対処の基本は、まず涼しい場所で休み、衣服をゆるめ、体を冷やし、水分と電解質を補うことです。これで改善しない頭痛・繰り返す嘔吐を伴う頭痛・意識がぼんやりする頭痛は受診が必要です。
⚠️ 頭痛薬(解熱鎮痛薬)でごまかさない
日本救急医学会のガイドラインでも、解熱薬の有用性は支持されておらず、熱中症そのものを治す治療にはなりません。とくに脱水時のNSAIDs(一部の解熱鎮痛薬)は腎機能への負担が問題となるため、頭痛薬でごまかし続けるのではなく、冷却と補水など原因への対応を優先することが重要です。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「重度の心不全や高血圧、腎不全がある方でなければ、夏場に頭痛がある・倦怠感があるという時点で、水分や塩分を摂取することの重要性をお伝えしています。なぜなら、それらをとって悪化するということはまずないからです。ただし、かかりつけの医師に、自分は夏場の熱中症予防に水分や塩分をどれくらいとってよいか、確認しておくことが重要です。」
熱中症を疑ったら、まず現場での応急処置を始めることが重要です。軽症なら、早い対応で改善することがあります。
2024年版ガイドラインでは、クーラーの効いた部屋や日陰で休むことをPassive Cooling、何らかの方法で身体を積極的に冷却することをActive Coolingと整理しています。重症例では、点滴だけでは不十分で、Active Coolingを含む治療が重要とされています。
軽症で飲める場合は、水分だけでなく電解質の補給も重要です。ただし、どの経口補水液が最も有用かについては十分な研究成果はまだ限られているとされており、商品名ベースでの過度な推奨は避けるべきです。持病がある方の飲み物の注意は後述します。
熱中症の症状は、その場ですぐに強く出るとは限りません。日中の暑熱曝露や脱水が積み重なり、夜になってから頭痛・吐き気・だるさとして表面化することがあります。
軽症であれば数時間から1日程度で改善することもありますが、中等症以上では数日単位で体調不良が続くことがあります。翌日まで症状が残る・悪化する・水分がとれない場合は受診が必要です。
軽症では後遺症を残さず回復することが多い一方、重症の熱射病では神経障害や臓器障害が残ることがあります。ガイドラインでも、重症化すると多臓器不全に至りうる病態として説明されています。
回復後もしばらく、倦怠感・頭痛・めまい・集中力低下・自律神経の乱れのような不調が続くことがあります。数日から1週間以上不調が続く場合は、「熱中症後だから」と決めつけず、他の病気も含めて評価することが大切です。
受診の目安は、「自宅で安全に回復できるかどうか」です。自分で水分を飲めない・意識がはっきりしない・けいれんがある・高体温が疑われる場合は救急要請が必要です。
頭痛・吐き気・強いだるさが続く、冷却と補水をしても改善しない、持病があって判断に迷う場合は内科受診が適しています。医療機関では、問診・バイタル確認・必要に応じて血液検査や補液などで全身状態を評価します。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「点滴はあくまで一時的な脱水補正にしかならないため、自宅で経口補水液(OS-1やポカリスエットなど)がとれるのであれば、一般的には不要です。舌が明らかに乾燥している・血圧が下がっている、などのときは緊急性が高い可能性があるため、点滴を行いながら、場合によっては血液検査、重症であれば救急搬送を検討します。」
熱中症の発症リスクとして、高齢者・小児・屋外労働者・スポーツ選手・エアコン未使用者・心疾患・精神疾患・糖尿病・降圧薬や利尿薬の使用などが挙げられています。とくに高齢者は、体温調節機能の低下や、暑さの認識・水分摂取行動の遅れが重なりやすいとされています。
糖尿病・高血圧・心血管疾患・呼吸器疾患は、熱波時の入院や死亡の増加と関連することが報告されています。またACE阻害薬/ARB・利尿薬・NSAIDs・向精神薬などは、脱水や熱関連疾患による入院増加と関連した研究があります。
糖尿病がある方は、高血糖に伴う脱水や口渇感の変化が重なり、熱中症リスクが上がる可能性があります。甘い飲料を多量に飲むと血糖悪化につながることがあるため注意が必要です。
腎臓病がある方は、水分や電解質の調整が難しく、経口補水液やスポーツドリンクに含まれるカリウムやナトリウムが問題になることがあります。高カリウム血症は不整脈の原因になりうるため、腎臓病のある方は自己判断で大量に摂取せず、主治医の指示を確認してください。
高血圧で利尿薬を使用している方では、脱水や電解質異常が起きやすくなることがあります。体調不良時の飲水や受診の目安を、普段から確認しておくことが大切です。
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👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「腎不全や心不全に罹患している方は利尿剤を内服している可能性もあり、1日にどれくらい水分をとってよいかは必ず主治医に確認する必要があります。水分や塩分が過多になると腎不全・心不全が悪化する可能性があるためです。当院では、腎不全や心不全がある方に、自分でわかる基準として毎日体重を測ることを推奨しています。腎不全・心不全が悪化する場合は、概ね体重が増えることが多いからです。一つの目安として、体重が増えなければ、ある程度水分や塩分を摂取しても問題ない場合が多いです。」
熱中症予防では、暑さを避けること・こまめな水分と電解質の補給・室内でもエアコンを使うことが基本です。高齢者の見守りや声かけも、行政から繰り返し周知されています。
WBGT(暑さ指数)は熱中症リスク判定に広く使われる指標で、ガイドラインでもWBGTの上昇は熱中症増加と関連し、測定は有用とされています。環境省は、WBGT33以上の予測で熱中症警戒アラート、WBGT35以上の予測などで熱中症特別警戒アラートを運用しています。暑くなり始めの時期は、急に無理をせず徐々に暑さに慣れる工夫も重要ですが、暑熱順化には個人差があるため、体調不良がある日は無理をしないことが前提です。
めまい・立ちくらみ・生あくび・大量の汗・こむら返り・強い口渇感などが初期症状です。その段階で休んで冷やし、水分と電解質を補うことが大切です。
まず冷却と補水を優先します。頭痛薬は熱中症自体の治療にはならず、脱水時はNSAIDsが腎機能に負担となる可能性があるため、自己判断で繰り返し使うのは避けるべきです。改善しない・嘔吐や意識の変化を伴う頭痛は受診してください。
軽症なら数時間から1日程度で改善することがありますが、中等症以上では数日続くことがあります。長引くときは受診が必要です。
あります。日中の暑熱曝露や脱水の影響が遅れて出ることがあります。翌日まで残る・悪化する場合は受診してください。
飲める状態なら、水分だけでなく電解質も補える飲み方が大切です。ただし、腎臓病など持病がある方は飲料の成分(カリウム・糖分など)に注意が必要で、主治医への確認をお勧めします。
自分で飲めない・意識がおかしい・けいれんがある場合は救急要請です。頭痛・吐き気・だるさが続く場合は内科受診が目安です。
重症例では神経障害や臓器障害が残ることがあります。軽症でも倦怠感や頭痛が長引く場合は再評価が必要です。
なりやすい可能性があります。脱水や電解質管理が難しくなるため、暑い時期は早めの対策が重要です。
板橋区・東武練馬で熱中症・夏の体調不良が気になる方へ
持病がある方の夏の体調管理もご相談ください
熱中症が疑われる症状や、頭痛・吐き気・だるさが続く場合は、早めに内科でご相談ください。とくに高齢の方、糖尿病・腎臓病・高血圧など持病のある方は、軽く見ずに受診を検討することが大切です。
※本記事は、環境省「熱中症環境保健マニュアル」や日本救急医学会の熱中症診療ガイドラインを踏まえ、一般的な情報提供を目的に監修しています。症状や重症度によって適切な対応は異なります。自己判断せず、緊急時は救急要請・医療機関へご相談ください。