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健診や家庭血圧で「下が高い」と言われた方へ
血圧の下が高い原因と下げ方|90・100を超えたら?専門医解説
血圧の下(拡張期血圧)が高い原因、85・90・100という数値の目安、上は正常なのに下だけ高い理由、下の血圧を下げる方法、受診の目安までを、日本高血圧学会 高血圧専門医・腎臓専門医の院長が解説します。
健診や家庭血圧で「血圧の下が高い」と表示されると、不安になる方は少なくありません。血圧の下、つまり拡張期血圧が高い状態は、上の血圧が正常に見えても経過を確認し、生活習慣や背景にある病気を丁寧に評価することが大切です。
この記事では、下の血圧が85・90・100を超えた場合の考え方、上は正常なのに下だけ高い理由、下の血圧を下げる方法、受診の目安を解説します。血圧全体の分類や年代別の平均値、家庭血圧の測り方は、血圧の正常値一覧・年代別平均をご覧ください。
この記事のポイント
拡張期血圧とは、心臓がゆるんで血液をためている時の血管内の圧力で、下が高い状態は末梢血管の抵抗が高いことを示します。
血圧は「上/下」の2つの数値で示されます。上は心臓が収縮して血液を送り出す時の圧、下は心臓が拡張している時にも血管にかかっている圧です。
| 表示 | 医学用語 | 何を表すか |
|---|---|---|
| 上の血圧 | 収縮期血圧 | 心臓が収縮して血液を送り出す時の圧 |
| 下の血圧 | 拡張期血圧 | 心臓がゆるんでいる時の血管内の圧 |
拡張期血圧は、細い血管の収縮や血管の緊張、交感神経の働きなどの影響を受けます。上の血圧が高くなくても下だけ高い場合は、孤立性拡張期高血圧と呼ばれます。診断や管理では一回だけの値ではなく、家庭血圧を含めた複数回の平均で判断します。
日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)」では、高血圧の診断基準は診察室で140/90mmHg以上、家庭で135/85mmHg以上です。つまり、上が基準未満でも下だけがこの値に達すれば評価が必要になります。
| 下の血圧 | 目安 | 考え方 |
|---|---|---|
| 家庭で85〜89mmHg (診察室80〜89) |
高め | 1〜2週間の平均を確認し、生活習慣を見直す |
| 診察室で90〜99mmHg (家庭85以上) |
高血圧の範囲 | 繰り返し確認し、内科でリスクと原因を評価する |
| 100mmHg以上 | より高い範囲 | 早めの受診をおすすめします |
※単位はmmHg。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」に基づく。分類全体の一覧は血圧の正常値一覧をご覧ください
家庭血圧の下が85mmHg以上なら、高血圧の診断基準に該当します。診察室で下が80〜89mmHgの場合も、血圧が上がりやすい段階として生活習慣の見直しと経過確認が重要です。
血圧は睡眠不足、飲酒、緊張、痛み、測定前の行動などでも変動します。1回の値だけで判断せず、同じ条件で測った家庭血圧の記録を持参すると、より適切な評価につながります。
診察室で下が90mmHg以上、または家庭で85mmHg以上が続く場合は、高血圧として扱います。上の血圧が正常でも、下だけ高い状態を放置しないことが大切です。
特に糖尿病、慢性腎臓病、脂質異常症、喫煙、家族歴がある方では、血圧以外の心血管リスクも合わせて確認します。
下の血圧が100mmHgを超える場合は、診察室血圧の区分ではII度以上に相当する可能性があります。家庭で繰り返し100mmHgを超える、または診察室で100mmHg以上だった場合は、早めに受診して原因と治療の必要性を確認しましょう。
⚠️ 通常の外来を待たず救急受診を検討する症状
強い頭痛、胸の痛み、息苦しさ、ろれつが回りにくい、手足が動かしにくい——これらが急に出た場合は、血圧の数値にかかわらず救急受診を検討してください。
上が140mmHg未満で下が90mmHg以上のように、下だけが高い状態を孤立性拡張期高血圧といいます。若年〜中年では、末梢血管抵抗や生活習慣、ストレス、自律神経などが関係することがあります。
一方、上だけが高い場合は孤立性収縮期高血圧と呼ばれ、年齢や血管の硬さとの関係が異なります。詳しくは血圧の正常値一覧・年代別平均をご覧ください。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「高血圧はまず下の血圧=拡張期血圧から高くなることが多いです。生活習慣から起こることが多く、まずはBMI 22という適正体重を伝え、喫煙歴や飲酒歴の有無、運動習慣があるかどうかを確認し、そこを是正していくことが重要と説明しています。すでに診察室での拡張期血圧が80mmHgを超えると高血圧の入り口に立っていると考えたほうがよく、それを放置しておくと上の血圧=収縮期血圧が上昇していきます。」
血圧の下が高くなる背景には、血管の緊張、生活習慣、睡眠、体重、ホルモンや腎臓などの病気が関係します。朝の測定で下だけ高い場合は、睡眠不足や交感神経の緊張が影響していることもあります。特に「上は高くないのに下だけ高い」場合は、年齢、生活背景、家庭血圧の推移を合わせて確認します。
20代・30代の若い人や40〜50代では、血管のしなやかさが比較的保たれている一方、細い血管が収縮して末梢血管抵抗が高くなることで、下の血圧が上がりやすいことがあります。仕事の緊張、睡眠不足、運動不足、体重増加などが重なると、孤立性拡張期高血圧として現れることがあります。
女性でも下の血圧が高くなることがあります。更年期前後には女性ホルモンの変化に伴い、血管機能や自律神経のバランスが変わり、血圧が変動しやすくなります。やせ型の方でも、塩分摂取、睡眠、ストレス、家族歴などによって血圧が高くなることはあります。
下の血圧を上げやすい代表的な要因は、塩分の多い食事、体重・内臓脂肪の増加、飲酒、運動不足、慢性的な睡眠不足、精神的ストレスです。カフェインや喫煙も、摂取・使用のタイミングによって血圧を一時的に上げることがあります。
腎臓病、睡眠時無呼吸症候群、甲状腺などの内分泌疾患、薬剤やサプリメントの影響によって血圧が上がることがあります。急に血圧が上がった、若い年齢で数値が高い、治療しても下がりにくい場合は、こうした二次性高血圧を確認します。
腎機能や尿の異常が気になる方は、クレアチニンが高いと言われたら、尿蛋白とはもご覧ください。いびきや日中の眠気がある場合は、いびき・睡眠時無呼吸の評価も重要です。高血圧全般の原因については高血圧の症状・原因・食事で解説しています。
下の血圧が高い人の原因チェックリスト
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「拡張期血圧だけが高い方は上述の通り、まずは生活習慣の見直しから説明します。適正体重、禁煙、節酒の徹底(アルコール量はエタノール換算で男性20〜30mL/日、女性10〜20mL/日まで)、有酸素運動を習慣化することからです。また、塩分制限も重要であり、当院では1回の尿検査から1日推定塩分摂取量を測定し、いかに塩分過多かを説明しています。若いから大丈夫、ではなく、若い時から治療(=必ずしも投薬とは限りません)を行うことで、将来的な心疾患や脳卒中、腎不全の予防に努めることが重要です。」
下の血圧が高くても、自覚症状がないことは珍しくありません。症状がないために対策が後回しになりやすい点が、高血圧の注意すべきところです。
血圧が高い状態が続くと、心臓、脳、腎臓の血管に少しずつ負担がかかります。将来的に上の血圧も上がりやすくなり、心臓の筋肉が厚くなる左室肥大、腎機能低下、脳卒中などのリスクにつながる可能性があります。JSH2025でも、血圧が120/80mmHgを超えるほど、脳・心血管疾患や腎臓病のリスクは上昇すると整理されています。
孤立性拡張期高血圧と心血管イベントの関係は、定義や年齢、研究デザインによって結果に幅があります。ただし、より高い拡張期血圧を用いる研究では心血管リスク上昇との関連が報告されており、若年層を含めて放置せず経過を追う意義があります。
脈圧とは、上の血圧から下の血圧を引いた差のことです。たとえば130/90mmHgなら脈圧は40mmHgです。脈圧だけで病気を診断することはできませんが、血圧のパターンを理解する補助になります。
| 脈圧の傾向 | みられやすい背景 | 考え方 |
|---|---|---|
| 差が小さい | 下の血圧が相対的に高い、若年〜中年、末梢血管の緊張 | 本記事の主題。下の数値と生活背景を確認します |
| 差が大きい | 上の血圧が高い、高齢、動脈の硬さの変化 | 上の血圧、年齢、血管リスクを総合評価します |
一般に脈圧は40〜60mmHg程度でみられることが多いものの、単一の数値に一喜一憂する必要はありません。大切なのは、上と下のどちらがどの程度高いか、家庭血圧で同じ傾向が続くか、他のリスク因子があるかです。
血圧の下が高いときに下げる方法の基本は、数値を一時的に下げようとすることではなく、血圧を上げる生活要因を継続して整えることです。JSH2025は、減塩、適正体重、運動、節酒などを血圧管理の重要な柱としています。
高血圧がある方の食塩摂取量は、1日6g未満が目標です。汁物は回数や量を控える、麺類の汁を残す、加工食品・惣菜の栄養成分表示を見る、香辛料やだしを活用するなど、続けやすい方法から始めましょう。
食事の具体例は、血圧を下げる食べ物ランキングで詳しく解説しています。
「水をたくさん飲めば下の血圧が下がる」とは限りません。脱水は血圧変動の一因になりますが、心臓や腎臓の病気がある方では過剰な水分摂取がむくみや心不全を悪化させることもあります。暑い時期は発汗量に応じて補給しつつ、持病や医師からの水分制限がある場合は指示を優先してください。
体重増加、とくに内臓脂肪の増加は血圧を上げやすくします。急な減量を目指すのではなく、食事量、間食、飲酒、活動量を見直し、無理なく体重を管理することが重要です。
睡眠不足や強いストレスが続くと交感神経が優位になり、下の血圧が高く出やすくなります。就寝・起床時刻をなるべく一定にする、寝る直前の飲酒や長時間のスマートフォン操作を控える、休息の時間を意識的に確保するといった対策が役立ちます。
ウォーキングなどの有酸素運動を、体調に合わせて継続します。血圧がかなり高い、胸痛や息切れがある、心臓・腎臓の病気がある場合は、運動を始める前に医師へ相談してください。
飲酒量が多いほど血圧は上がりやすくなります。飲酒習慣がある方は量と休肝日を見直しましょう。カフェインは一時的に血圧を上げることがあるため、家庭血圧を測る直前のコーヒー、エナジードリンク、喫煙は避けます。
生活改善を行っても家庭血圧で下が85mmHg以上、診察室で90mmHg以上が続く場合や、下が100mmHg以上、糖尿病・腎臓病・心血管疾患などを伴う場合には、薬物治療を含めた管理を検討します。治療の必要性は年齢、上の血圧、臓器障害、生活背景を総合して決めます。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「水分を取ることで血圧が下がるということは基本的にありません。心不全や重度の腎不全がない限りは、そもそも水分は1.5-2L/日程度取るべきですが、それ以下の場合は単に脱水である状態であり、脱水での血圧正常は内臓としてよくありません。水分をしっかりとった上で、塩分制限を行うことが血圧低下につながります。また、夏場は血圧が下がりやすくなりますが、これは汗により塩分が出ていくこともありますが、単純に脱水になっている可能性もあります。先ほどもお書きしましたが、水分不足による血圧低下は望ましいものではなく、夏場は特に水分摂取に注意しましょう。」
下の血圧が高い状態が続くときは、まず内科で相談できます。特に家庭血圧での継続的な高値、下が100mmHg以上、若い年齢での発症、腎臓病や睡眠時無呼吸が疑われる場合には、原因を確認することが重要です。
受診目安チェック
めまいを伴う場合は高血圧とめまい、動悸が気になる場合は動悸の原因も参考にしてください。
| 検査 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 血液検査 | 腎機能(クレアチニン・eGFR)、電解質、脂質、血糖、必要に応じてホルモン関連 |
| 尿検査 | 尿蛋白、血尿、1日の推定塩分摂取量 |
| 心電図 | 不整脈や心臓への負担の手がかり |
| 必要に応じた検査 | 睡眠時無呼吸の検査(自宅で可能)、腎・副腎などの評価 |
JSH2025では、診察室血圧が140/90mmHg以上、または家庭血圧が135/85mmHg以上の場合に医療機関への相談を推奨しています。家庭血圧の正しい測定条件は、血圧の正常値一覧・年代別平均をご確認ください。
高血圧の管理では、数値を確認するだけでなく「なぜ上がっているのか」を調べることが大切です。当院では、血圧が高い方に対して次のような対応を行っています。
それぞれの詳しい内容は、高血圧外来のご案内で解説しています。
板橋区徳丸・東武練馬で「下の血圧」が気になる方へ
上は正常なのに下だけ高い——その理由を、腎臓専門医・高血圧専門医が調べます
当院は東武練馬駅・下赤塚駅から徒歩圏内の内科です。健診結果や血圧手帳をお持ちいただければ、最新のガイドライン(JSH2025)に沿って、腎機能・尿・心電図まで含めて原因から評価します。「下が90前後で様子を見ている」という段階でご相談ください。
診察室で下が90mmHg以上、または家庭血圧で85mmHg以上が続く場合は、高血圧の診断基準に該当します。上の血圧が正常でも評価が必要です。1回の値で決めず、複数日の家庭血圧の平均を確認して内科へ相談しましょう。
下が100mmHgを超える場合は、早めに内科を受診してください。家庭でも繰り返し高い、または胸痛・息苦しさ・神経症状を伴う場合は、緊急性の判断が必要です。自己判断で放置せず、家庭血圧の記録を持参しましょう。
上が正常で下だけ高い状態は、孤立性拡張期高血圧と呼ばれます。末梢血管の緊張、塩分、体重増加、睡眠不足、ストレス、飲酒などが関係します。若い人でも起こり、腎臓病や睡眠時無呼吸などの背景を確認することがあります。
あります。若年〜中年では、血管の硬さよりも細い血管の緊張や生活習慣が影響し、下だけ高いパターンがみられることがあります。将来の上の血圧上昇につながることもあるため、家庭血圧を記録し、継続する場合は早めに相談しましょう。
水を多く飲むだけで下の血圧が下がるわけではありません。脱水を避けることは大切ですが、心臓や腎臓の病気がある方では飲み過ぎが問題になることもあります。暑い時期は発汗に応じて補給し、水分制限がある場合は主治医の指示を優先してください。
下の血圧が高くても、症状がないことが多いです。頭痛や動悸などがあっても、血圧だけが原因とは限りません。症状がないからといって問題がないとは言えないため、家庭で下が85mmHg以上、診察室で90mmHg以上が続く場合は評価を受けましょう。
まずは内科で相談できます。腎機能や尿の異常がある場合は腎臓内科、心電図異常や胸部症状がある場合は循環器内科、いびきや無呼吸が疑われる場合は睡眠時無呼吸の評価につなげます。家庭血圧の記録が診療に役立ちます。
以下に当てはまる方は、お気軽にご相談ください。
ご予約はWebから24時間受け付けています
「下が高い」を、原因から一度きちんと調べてみませんか
下の血圧は自覚症状がほとんどなく、若い方や女性でも起こります。板橋区徳丸・赤塚・練馬区から通いやすい内科で、家庭血圧の記録をもとに、腎機能・尿・心電図まで含めて総合的に評価します。健診結果や血圧手帳をお持ちのうえ、お気軽にご来院ください。
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本記事は、日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)」および以下の文献を踏まえ、日常診療の視点から監修しています。
・Ohya Y, et al. The Japanese Society of Hypertension Guidelines for the management of elevated blood pressure and hypertension 2025 (JSH2025). Hypertension Research. 2026.
・Agarwal A, et al. Isolated diastolic hypertension and cardiovascular outcomes across different diagnostic guidelines: a systematic review and meta-analysis. Egypt Heart J. 2024;76:127.
・Lee H, et al. Cardiovascular Risk of Isolated Systolic or Diastolic Hypertension in Young Adults. Circulation. 2020;141:1778-1786.
※血圧の評価は、年齢・持病・服薬内容によって異なります。自己判断せず医療機関へご相談ください。