医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科|
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健診や家庭の血圧計の数値が気になる方へ
血圧の正常値一覧|年代別の平均値と脈拍の目安を高血圧専門医が解説
血圧の正常値を診察室血圧・家庭血圧に分けて一覧表で整理し、2025年に改訂された最新ガイドライン(JSH2025)に基づく分類、20代〜70代の年代別平均値、脈拍・心拍数の目安、正しい測り方までを、日本高血圧学会 高血圧専門医の院長がわかりやすく解説します。
血圧の正常値を確認するときは、単に「いくつなら正常か」だけでなく、診察室で測った血圧か、家庭で測った血圧かを分けて見ることが大切です。日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)」では、診断基準そのものは従来を踏襲しつつ、管理目標や実地診療での考え方が整理されています。
この記事では、血圧の分類、年代別の平均値、脈拍の目安、正しい測定方法を「数値の目安」に絞って整理します。症状・原因・治療法には踏み込まず、健診結果や家庭血圧計の数値を読むための基礎情報としてまとめています。
この記事のポイント
血圧の評価では、診察室血圧と家庭血圧で基準が異なります。JSH2025では、家庭血圧のほうが日常の血圧に近く、将来の脳心血管イベントの予測に優れると位置づけられています。
JSH2025では、診察室血圧で120/80mmHg未満が正常血圧、120〜129かつ80未満が正常高値血圧、130〜139または80〜89が高値血圧とされています。家庭血圧ではそれぞれ115/75未満、115〜124かつ75未満、125〜134または75〜84が目安です。
| 区分 | 診察室血圧 | 家庭血圧 |
|---|---|---|
| 正常血圧 | 120/80mmHg未満 | 115/75mmHg未満 |
| 正常高値血圧 | 120〜129 かつ 80未満 | 115〜124 かつ 75未満 |
| 高値血圧 | 130〜139 または 80〜89 | 125〜134 または 75〜84 |
※単位はいずれもmmHg。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」に基づく
高血圧は、数値の高さに応じてI度・II度・III度に分類されます。診察室血圧では140/90mmHg以上が高血圧の診断基準で、家庭血圧では135/85mmHg以上が基準です。
| 区分 | 診察室血圧 | 家庭血圧 |
|---|---|---|
| I度高血圧 | 140〜159 または 90〜99 | 135〜144 または 85〜89 |
| II度高血圧 | 160〜179 または 100〜109 | 145〜159 または 90〜99 |
| III度高血圧 | 180以上 または 110以上 | 160以上 または 100以上 |
※単位はいずれもmmHg。収縮期血圧・拡張期血圧のどちらか一方が該当する場合も、その区分に分類されます
上の血圧である収縮期血圧だけが高く、下の血圧である拡張期血圧が基準未満の場合は、孤立性収縮期高血圧と呼ばれます。JSH2025では、診察室で140以上かつ90未満、家庭で135以上かつ85未満がその目安です。
加齢とともに動脈の硬さが増すと、収縮期血圧が上がりやすくなることがあります。そのため中高年以降では、「上だけ高い血圧」の見方が重要になります。
診察室では緊張などで血圧が高く出る白衣高血圧があり、逆に診察室では正常でも家庭で高い仮面高血圧もあります。このため、家庭血圧は日常の状態を反映しやすく、将来の脳卒中や心血管イベントの予測に有用とされています。
家庭で継続して測ることにより、一時的な変動ではなく、ふだんの血圧傾向を把握しやすくなります。外来で1回高かった、あるいは正常だったという結果だけで判断しないことが大切です。
JSH2025は2025年8月29日に発行され、ガイドライン名称も「高血圧治療ガイドライン」から「高血圧管理・治療ガイドライン」に変更されました。名称変更には、治療だけでなく、測定・評価・継続的な管理まで含めて実装する意図が示されています。
今回の改訂でも、高血圧の診断基準は診察室140/90mmHg以上、家庭135/85mmHg以上で変更されていません。正常血圧や高値血圧の分類も、基本の枠組みは維持されています。
大きな変更点は、原則として年齢や合併症によらず、降圧目標を診察室130/80mmHg未満、家庭125/75mmHg未満に統一したことです。改訂前のJSH2019では75歳以上で140/90mmHg未満が目標となる場面がありましたが、JSH2025では原則目標がよりシンプルに整理されました。
| 診察室血圧 | 家庭血圧 | |
|---|---|---|
| 高血圧の診断基準 | 140/90mmHg以上 | 135/85mmHg以上 |
| 降圧目標(原則) | 130/80mmHg未満 | 125/75mmHg未満 |
ただし、実際の診療では副作用や有害事象に注意しながら、個別の状況を踏まえて管理することも明記されています。数値目標は統一されても、運用は一律ではありません。
JSH2025は、最新のエビデンスを示すだけでなく、患者さん・医療者の行動につながる内容を重視して再構成されています。日本高血圧学会も、血圧を下げる行動につながるガイドラインにすることを作成方針として掲げています。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「血圧が10高いだけで脳卒中の発症リスクが明確に違うということが示されたことによります。そのため、忍容性(ふらつき、めまい、など)が問題なければ、高齢者も含めて降圧目標が130/80mmHg(家庭血圧目標125/75mmHg未満)に変更されました。しかし、高齢者は自律神経の加齢性変化などにより血圧のup-downが激しくなってくるため、個別に目標を設定する場合もあります。また、特に夏場は下がりやすくなるため、十分に水分を取ることができるかどうかも降圧強化できるかどうかの重要な判断基準になります。」
年代別の平均値は、厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査報告」に基づく集団データです。平均値は年齢とともに上がる傾向がありますが、それはその年代に高血圧の人が増えることを含んだ実測値であり、正常値そのものではありません。
現在の高血圧診断基準は全年齢で共通です。年齢によって平均血圧が高くなる傾向があっても、「高齢だから正常値も高くてよい」とはされていません。
💡 「年齢+90」は現在の基準ではありません
以前は「年齢+90」などの古い目安が語られることもありましたが、現在のガイドラインで診断基準として用いられている考え方ではありません。平均値と基準値は別のものとして理解する必要があります。
厚生労働省の令和元年 国民健康・栄養調査では、年代が上がるほど平均血圧と高血圧の割合が上昇する傾向が示されています。とくに男性では40代以降、女性では50代以降で上昇が目立ちます。
| 年代 | 男性 平均血圧 | 男性 高血圧割合 | 女性 平均血圧 | 女性 高血圧割合 |
|---|---|---|---|---|
| 20代 | 115.3/67.7 | 7.1% | 105.7/63.8 | 0.0% |
| 30代 | 117.3/73.7 | 6.3% | 107.9/66.3 | 3.3% |
| 40代 | 125.8/81.3 | 30.9% | 114.3/71.2 | 9.0% |
| 50代 | 131.7/82.0 | 38.8% | 123.7/75.4 | 19.7% |
| 60代 | 135.8/78.5 | 39.1% | 131.0/76.7 | 29.9% |
| 70代以上 | 135.8/73.1 | 36.5% | 136.1/73.0 | 42.8% |
※単位はmmHg(収縮期/拡張期)。厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査報告」より
女性の平均血圧は、20〜40代では男性より低い一方、50代以降で上昇し、70代以上では男女差がほぼなくなります。国民健康・栄養調査でも、70代以上では女性の平均収縮期血圧が男性をわずかに上回っています。
背景としては、閉経前後のホルモン変化などが関与すると考えられています。「女性は50代以降で上がりやすい」と理解しておくと、年代別データの見方が整理しやすくなります。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「血圧が上昇するのは確かに年齢の素因も影響しています。しかし、大規模な追跡調査を行った結果、どの年代であっても、血圧が135mmHgの方は125mmHgの方と比べて脳卒中のリスクが高くなるとされています。当院は最新のガイドラインに則ったエビデンスを根拠とした治療を提供しているため、『年齢+90まで血圧は許容してよい』などのエビデンスがない治療は当院では行っておりません。降圧目標が診察室血圧130/80mmHg未満(家庭血圧125/75mmHg未満)に整理された背景には、脳卒中既往患者でのRESPECT試験と複数RCTのメタ解析により、厳格降圧が脳卒中再発を抑制することが示され、さらにSPRINTなどの大規模試験で心血管イベント全体や死亡の減少が確認されたことによります。」
血圧とあわせて確認されることが多いのが脈拍です。一般に成人の安静時脈拍は60〜100回/分が正常範囲の目安とされています。
安静時脈拍は、座って落ち着いた状態で測る数値が基本です。運動直後、発熱時、緊張時は一時的に高くなることがあります。
脈拍は加齢とともにやや低下する傾向があります。目安として、60代の中央値は男性67回前後・女性68回前後、70代では男性63回前後・女性66回前後とされています。
| 年代 | 男性(中央値の目安) | 女性(中央値の目安) |
|---|---|---|
| 成人全般 | 60〜100回/分(正常範囲の目安) | |
| 60代 | 67回前後 | 68回前後 |
| 70代 | 63回前後 | 66回前後 |
また、運動習慣のある人では安静時脈拍が低めになることがあります。単回の数字だけでなく、普段の傾向として見ることが大切です。
一般的には100回/分以上が頻脈、60回/分未満が徐脈の目安とされます(50回/分未満を徐脈とする考え方もあります)。ただし、運動習慣、服薬状況、年齢などによって解釈が変わるため、数字だけで判断しないことが必要です。
血圧と脈拍はどちらも循環の状態を見る指標ですが、同じ意味ではありません。血圧が正常でも脈拍が速いことがあり、逆に血圧が高くても脈拍が必ずしも速いとは限りません。脈の速さや乱れが気になる場合については、動悸の原因と受診の目安もあわせてご覧ください。
家庭血圧は、測り方がそろってはじめて比較しやすくなります。JSH2025でも、家庭血圧を継続的かつ標準化して測定する重要性が示されています。
家庭での測定には、手首式より上腕式血圧計が勧められます。上腕の高さや姿勢を合わせやすく、測定条件を標準化しやすいためです。
朝は起床後1時間以内、排尿後、服薬前、朝食前に測定し、晩は就寝前に測るのが基本です。1機会に2回測って平均をとり、5〜7日間の平均で評価する方法が一般的です。
家庭血圧を測るタイミング
測定前は1〜2分ほど安静にし、背もたれにもたれ、足を組まず、カフ(腕帯)を心臓の高さに合わせて測定します。会話中や寒い場所、直前の飲酒・喫煙・運動後は数値がぶれやすくなります。
血圧手帳、アプリ、メモなど、形式は問いませんが、日付と時間がわかる形で記録を残すことが大切です。受診時に家庭血圧の記録があると、診察室の値だけではわかりにくい傾向を評価しやすくなります。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「家庭血圧は、まず上腕式の血圧計を購入しましょう。手首の血圧計は推奨されておりません。また、測定するタイミングは2回で、①朝起きてトイレで排尿し1〜2分座った直後 ②夜寝る直前、それぞれ2回ずつ測ることを推奨します。何度か測る時間があるのであれば、複数回測定し安定した数字を記載していただくことが理想ですが、時間がなければ1〜2回の測定をそのまま記載してかまいません。時折、いい数値だけ書く方であったり明らかに2回目を測定していないのに似たような数値を記載する方がいらっしゃいますが、専門医からするとその数値はすぐに測定していないことがわかりますので、測定できていない場合は測定していないとはっきりおっしゃっていただいて構いません。」
家庭血圧または診察室血圧が基準から外れている場合は、内科で評価を受けることが勧められます。とくに家庭血圧で135/85mmHg以上、または診察室血圧で140/90mmHg以上が続くときは、継続的な確認が必要です。
受診時には、家庭血圧の記録があると評価の助けになります。単回の数値より、数日分の平均や推移が重要です。
なお、この記事では数値の目安のみを扱っています。症状・原因・下げ方については、それぞれ次の記事で詳しく解説しています。
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高血圧の管理では、数値を確認するだけでなく「なぜ上がっているのか」を調べることが大切です。当院では、血圧が高い方に対して次のような対応を行っています。
それぞれの詳しい内容は、高血圧外来のご案内で解説しています。
板橋区徳丸・東武練馬で血圧が気になる方へ
日本高血圧学会 高血圧専門医が、家庭血圧の記録から評価します
当院は東武練馬駅・下赤塚駅から徒歩圏内の内科です。健診結果や血圧手帳をお持ちいただければ、最新のガイドライン(JSH2025)に沿って、腎機能や心電図まで含めて評価します。「数値が高めと言われたが、どうすればよいかわからない」という段階でご相談ください。
診察室血圧では120/80mmHg未満、家庭血圧では115/75mmHg未満が正常血圧の目安です。高血圧の診断基準は診察室140/90mmHg以上、家庭135/85mmHg以上で、正常血圧との間には正常高値血圧・高値血圧という区分があります。
正常値そのものは年代別に変わりません。年代別に異なるのは平均値であり、診断基準は全年齢で共通です。加齢とともに平均血圧は上昇しますが、「高齢だから正常値も高くてよい」とはされていません。
日常の状態を反映しやすく、将来の脳心血管イベントの予測に優れる点から、家庭血圧が重視されます。ただし、白衣高血圧や仮面高血圧の判断には両方の情報が必要なため、合わせて評価することが大切です。
成人の安静時脈拍は60〜100回/分が目安です。100回/分以上は頻脈、60回/分未満は徐脈の目安とされますが、運動習慣や服薬状況によって解釈が変わります。
収縮期血圧だけが高い場合は、孤立性収縮期高血圧にあたることがあります。診察室で140以上かつ90未満、家庭で135以上かつ85未満が目安です。加齢に伴う動脈の硬さが関係することがあり、中高年以降でみられやすい形です。
血圧は時間帯、姿勢、緊張、活動量などで変動します。そのため、家庭で同じ条件にそろえて継続測定し、平均で見ることが重要です。1回だけの数値で判断しないようにしましょう。
主な改訂点は、名称が「高血圧管理・治療ガイドライン」に変わったこと、診断基準は維持しつつ、降圧目標が原則として全年齢で診察室130/80mmHg未満・家庭125/75mmHg未満に統一されたことです。
以下のような方はお気軽にご相談ください。
ご予約はWebから24時間受け付けています
その数値、一度きちんと評価してみませんか
血圧は1回の数値では判断できません。板橋区徳丸・赤塚・練馬区から通いやすい内科で、家庭血圧の記録をもとに、腎機能・心電図まで含めて総合的に評価します。健診結果や血圧手帳をお持ちのうえ、お気軽にご来院ください。
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本記事は、日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)」および厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査報告」を踏まえ、日常診療の視点から監修しています。
※血圧・脈拍の評価は、年齢・持病・服薬内容によって異なります。自己判断せず医療機関へご相談ください。