診療時間外・手術時間はお電話に出られませんのでご了承ください。

MENU

腎臓|医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科|東武練馬駅・下赤塚駅より徒歩圏内

腎臓

NEPHROLOGY

腎臓

腎臓って何をしてるの?
簡単に言えば、『おしっこ(尿)を作っている臓器です』と説明しています。
腎臓病の症状は様々であり、最初は自覚症状が伴わないことが多いです。腎臓が悪くなる(=腎不全)と尿が出にくくなる、尿がでない状況が続くと『透析』を行わなければならなくなります。下記のような症状や指摘を受けた方は放っておくと腎不全、最終的には透析になってしまう可能性があるため、精査が必要です。
  • 尿が泡立つ
  • 尿に血が混じる
  • 健康診断でたんぱく尿や尿潜血を指摘された
  • 腎機能(クレアチニン)が悪いと言われた
  • 足がむくんでいる
  • 血縁者に腎臓が悪いといわれた人がいる
  • 腎臓の形が変だと言われた など
透析って何?

『透析』という言葉は耳にしたことがある方が多いと思います。尿が出なくなると、身体に溜まった水分や老廃物(身体にとって不要なもの)を出すことができなくなり、心不全や尿毒症といった命に関わる状態になります。その結果、腎臓が働けなくなった分を透析で補って生きていくことになります。

透析患者様は現在日本には33~34万人程度いて、日本の総人口が減少していることに反してまだ増え続けています。糖尿病や高血圧などで悪くなるいわゆる『慢性腎不全』が原因で透析になってしまうと、透析は腎臓移植を受ける以外、止めることはできず、止めてしまうと腎不全で命を落としてしまいます。つまり、『透析にならないようにする』ことが非常に大切です。

透析はどうやってやるの?

透析には血液透析、腹膜透析があります。

①血液透析
腕の血管に、シャントと言われる動脈と静脈をつなぐ手術が必要になります。流れのいい動脈から表面にある静脈へ血液が流れることで静脈の血流が増え、そこに針を2本刺して透析を行います。1本の針から血液をとり、機械できれいにしてもう1本の針から血液を返す方法です。週3回、1回4時間程度行うことが通常で、基本的に透析クリニックに通院して行うことが多いです。

②腹膜透析
お腹の中にカテーテルという細い管を入れる手術を行います。カテーテルはお腹の表面から外に出ている状態となり、そこからきれいな透析液を入れ、腹膜というお腹の膜を介して体の毒を抜いていくことになります。毎日行うことが必要ですが、家や仕事場で行うことができる、お腹の中に透析液が入っていれば仕事もできるし外出してもいいという大きなメリットもあり、病院に通う回数も月1回程度と負担は非常に少なくなります。しかし、家でやるということは、自分またはご家族が行わなければいけないということになります。当院では腹膜透析の管理を行うことができ、いつでもご相談ください。

透析にならないようにするためにはどうすればいいの?

まずは『腎不全』になってしまった原因を突き止める必要があります。腎不全や透析になってしまう原因は数多くありますが、当院で施行できる尿検査や超音波検査で原因をある程度推測することができます。原因がわからない場合や慢性糸球体腎炎などの特殊な治療が必要になる場合は、すぐに連携している大学病院などへご紹介いたします。腎不全の原因の代表的なものは次の通りです。

・糖尿病や高血圧などの生活習慣病
腎臓は、あまり知られてはいませんが血管が非常に張り巡らされた臓器であり、腎不全≒血管の病気、と言っても過言ではありません。血管の病気の代表格が糖尿病、高血圧であり、これらの治療をすることが、腎臓の治療につながることになります。

・尿潜血やたんぱく尿から見つかる慢性糸球体腎炎
皆さん子供の頃から健康診断というと必ずと言っていいほど尿検査をしていると思います。尿検査は簡便にできる検査ですが、非常に有益な検査です。例えば尿の中にタンパク質が出ているたんぱく尿、尿に血が混じっている尿潜血などは私達腎臓内科医が専門とするところであり、これらの異常があっても症状はもちろん、採血検査をしても異常が見つからないことがしばしばあります。しかし、確実に腎臓は傷つき始めており、なるべく早く原因精査、それに応じた治療が必要になります。クリニックレベルでは対応できないときもありますので、連携している大学病院などにご紹介させて頂きます。

・常染色体優性多発性嚢胞腎を代表とする遺伝性疾患
家族性に腎不全を引き起こす疾患も多くあります。血の繋がったご家族に腎不全がいらっしゃる方は特に注意が必要です。こちらも特殊な治療を行う可能性がございますので、専門病院へご紹介いたします。

腎臓病になってしまったらどうするの?将来は透析になるの?

原因によって変わってきます。症状がないからと言って検査異常を放置してしまうと透析になってしまう可能性があります。
糖尿病や高血圧などによる腎不全は一度なってしまうと現代の医学では治すことはできません。そのため、治療の目標は『今の腎臓の機能を保つこと、または腎不全の進行をゆっくりとすること』になりますが、そのためには適切な血糖・血圧コントロールを行う必要があります。慢性糸球体腎炎などは治療できる可能性があるため、早期の適切な検査・その結果に応じた治療が必要になるため、早めの専門医受診が必須です。当院で対応しきれないような検査や治療が必要な際には、すぐに大学病院などへご紹介いたします。
腎臓の機能が落ちてきて腎不全になったとしてもすぐに透析になるというわけではありません。しかし、腎臓は『おしっこを作る』という非常に単純な臓器に聞こえますが、血圧のコントロール、血を作るホルモンの産生、ナトリウムやカリウムといった電解質の調整、身体の水分量の調整、骨を作るビタミンDの産生、などの非常に多くの役割を果たしており、腎不全が進むとこのような症状が強くなっていきます。このような異常はどうしても専門的な投薬が必要になることが多いですが、当院では糖尿病、高血圧含めて腎不全の専門的治療を行うことが可能です。丁寧にご説明いたしますので、協力して一緒に腎臓の機能を保っていきましょう。

慢性腎不全の治療目標

慢性腎不全の治療目標図

一度腎臓が悪くなったらもうよくならないって本当?治療薬はないの?

腎臓が悪くなることを大きく分けると、『急性腎不全=急激に悪くなった腎臓』と『慢性腎不全=ゆっくりと悪くなった腎臓』に分けられます。急性腎不全は、脱水や薬剤による副作用、尿が出なくなることによるものが多く、一時的に悪くなっただけで原因を除去すればもとに戻ることが多いとされています。しかし、慢性腎不全は、長い時間をかけて悪くなったもので、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、腎炎と言われる腎臓特有の炎症、常染色体優性多発性嚢胞腎などの遺伝性疾患などが原因とされています。ゆっくりと時間をかけて悪くなった腎臓は今の医学では基本的にもとに戻すことはできず、悪くなるスピードを遅くすることが目標となります。慢性腎不全を対象とした治療薬は、以前は全くなかったため、原因に応じた治療を継続するしかありませんでしたが、少しずつ腎不全治療も新しい治療が出てきています。2つの薬剤をご説明します。

ケレンディア®(フィネレノン)

副腎から分泌されるアルドステロンというホルモンがあります。これは血圧調節や体の中のミネラルバランス調節を行っていますが、アルドステロンが過剰になると体内に塩分がたまり血圧が上昇するだけでなく、慢性炎症や線維化により臓器障害を引き起こすと言われています。アルドステロンがミネラルコルチコイド受容体を刺激することが原因と言われているため、この刺激を阻害しようというものがケレンディア®になります。現在『2型糖尿病を有する慢性腎臓病』の患者様への投与が承認されており、当院では適応となる患者様に積極的に投与を行っております。決して腎臓が良くなるわけではないですが、将来的に腎臓を守っていく治療としては有効性が高いと考えられます。

SGLT2阻害薬(ジャディアンス®(エンパグリフロジン)、フォシーガ®(ダパグリフロジン))

こちらはもともと糖尿病の治療薬として認可されていたものですが、現在慢性腎臓病の方への治療としても認可されています。SGLT2というのは腎臓の尿細管にある輸送体というものでナトリウムとブドウ糖を運んでいる部分です。ブドウ糖は概ね尿細管で血液に再吸収されるものですが、こちらを再吸収せずにブドウ糖やナトリウムを排出されることで、腎臓への負担を減らしています。糖尿病の治療薬で使われていたものが、腎保護作用があることがわかったため、こちらも現在慢性腎臓病がある患者様の腎保護として使用頻度が増えているものになります。

pagetop