医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科|
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血圧計やスマートウォッチの脈拍の数値が気になる方へ
脈拍の正常値は?年代別の平均と高い・低いときの目安を医師が解説
脈拍(心拍数)の正常値を年代別の平均値つきで解説します。安静時60〜100回/分の目安、50代・60代・高齢者の平均、脈が速い・遅いときに考えられる原因、正しい測り方、受診の目安までを、日本高血圧学会 高血圧専門医・総合内科専門医の院長が整理します。
家庭用血圧計やスマートウォッチで表示される「脈拍」。90回台でも大丈夫なのか、50回台なら病気なのか、不安になる方は少なくありません。
健康な成人の脈拍は、安静時で1分間に約60〜100回が一般的な目安です。ただし、脈拍は年齢、性別、運動習慣、発熱、睡眠、服用中の薬などで変動します。1回の数値だけで自己判断せず、安静時の値、症状の有無、普段からの変化を合わせてみることが大切です。
この記事では、脈拍の正常値、年代別の平均、脈が速い・遅いときの受診目安を解説します。血圧の見方も気になる方は、血圧の正常値一覧もご覧ください。
この記事のポイント
成人の安静時脈拍は、一般に1分間60〜100回が目安です。これは、座って数分間落ち着いた状態で測った値です。運動直後、発熱時、緊張時、睡眠不足のときなどは、一時的に高くなります。
一方で、健康な人の平均値はこの範囲の中央付近に集まります。下表は、心血管疾患のない大規模集団46,129人の安静時心拍数データです。日本人だけを対象とした調査ではないため、あくまで参考値としてご覧ください。
| 年代 | 男性の平均(回/分) | 女性の平均(回/分) | 男女合計の平均(回/分) |
|---|---|---|---|
| 20代 | 64 | 69 | 67 |
| 30代 | 67 | 70 | 69 |
| 40代 | 68 | 70 | 69 |
| 50代 | 69 | 69 | 69 |
| 60代 | 68 | 69 | 69 |
| 70代 | 65 | 67 | 66 |
| 80代 | 62 | 66 | 65 |
出典:Mason JW, et al. J Electrocardiol. 2007. 心血管疾患のない被験者46,129人の安静時心拍数をまとめたデータ。日本不整脈心電学会の教育資料にも同研究の年齢・性別データが紹介されています。
この表の平均に当てはまらないからといって、すぐに異常とは限りません。測定条件や体調による変動があるためです。大切なのは、普段の自分の値から大きく変わったか、症状があるかです。
なお、「心拍数」は心臓が1分間に拍動する回数です。「脈拍」は動脈で触れられる拍動の回数です。通常は同じ回数ですが、不整脈では心臓の拍動すべてが脈として手首まで届かず、脈拍のほうが少なくなることがあります。
20〜30代の平均は、男性で60回台半ば、女性で60回台後半が目安です。定期的に持久系運動をしている人では、安静時に50回台となることがあります。
ただし、急に以前より速くなった場合は注意が必要です。寝不足、脱水、発熱、ストレス、カフェイン摂取などでも脈拍は上がります。
40〜50代の平均は、男女ともおおむね60回台後半です。仕事や家庭の負担、睡眠不足、更年期の症状、飲酒や喫煙などが脈拍に影響することがあります。
動悸、息切れ、胸の違和感を伴う場合は、単なる疲れと決めつけないことが重要です。脈が飛ぶ、急に速くなるといった症状がある方は、動悸の原因も参考にしてください。
60代以降も、成人の一般的な目安は60〜100回/分です。大規模データでは70代、80代で平均値がやや低くなる傾向がみられます。
ただし、高齢になるほど服用薬や心臓の伝導障害、甲状腺機能異常などの影響を受けやすくなります。数値だけでなく、めまい、ふらつき、失神、息切れの有無を確認してください。
高齢者でも、脈拍の正常範囲だけを若年者と別に設定する必要はありません。安静時60〜100回/分を基本的な目安とし、個人の普段の値と症状を重視します。
特に、脈が不規則、急に速くなった、以前より明らかに遅くなったという変化は、受診のきっかけになります。血圧が低いことと脈拍が遅いことは同じ意味ではありません。低血圧については、低血圧の記事をご覧ください。
大規模な安静時心拍数データでは、女性の中央値は68回/分、男性は66回/分でした。年齢層別でも女性は男性より2〜4回/分ほど高い傾向があります。
体格、循環血液量、自律神経やホルモンなど複数の要因が関係すると考えられます。ただし、性別だけで「正常」「異常」を判断するものではありません。
子どもの脈拍は、一般に大人より速くなります。成長段階によって目安が異なるため、大人の60〜100回/分をそのまま当てはめることはできません。乳幼児や学童の脈拍について心配な場合は、小児科で相談してください。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「頻脈というのは基本的に脈拍が100回/分以上のことを指します。ただし、普段60回/分くらいだった方が90回/分になっていると何か病気を発症している可能性があるため、注意が必要です。脈拍が高い中には、単純に脈拍が増えているだけ(≒あまり病的意義がない)方もいればもちろん病気を発症している方もいるので、まず行う検査は心電図検査です。ただし外来で行う心電図検査は、その時だけに心電図波形しか記録できないため、脈拍の異常をしっかり精査するためには24時間心電図検査(ホルター心電図)が必要です。当院ではホルター心電図検査も行うことが可能です。」
安静にしているときの脈拍が100回/分以上の場合は、頻脈の目安です。ただし、急いで歩いた直後、緊張しているとき、発熱時に一時的に100回/分を超えることは珍しくありません。
まずは座って5分ほど安静にし、1分間測り直しましょう。それでも高い値が繰り返し出る、または症状がある場合は受診を検討します。
| 一時的に脈拍が高くなりやすい要因 | 確認したいこと |
|---|---|
| 運動・階段・入浴直後 | 十分に休んでから測ったか |
| 緊張・不安・痛み | リラックスすると下がるか |
| 発熱・感染症 | 体温、咳、のどの痛みなどがあるか |
| 脱水 | 下痢、嘔吐、発汗、飲水量低下がないか |
| カフェイン・喫煙・飲酒 | 摂取直後ではないか |
| 睡眠不足 | 数日続いていないか |
脈拍が速い状態が続くときは、病気が背景にあることがあります。代表例は、不整脈、甲状腺機能亢進症、貧血、心不全、感染症などです。
甲状腺ホルモンが多くなると、動悸、発汗、体重減少、手のふるえなどとともに脈拍が増えることがあります。詳しくは甲状腺機能亢進症をご覧ください。
鉄欠乏性貧血でも、酸素を運ぶ力の低下を補うために心拍数が増えることがあります。鉄欠乏性貧血の記事も参考になります。
脈の乱れや動悸が主な症状なら、不整脈の可能性も考えます。種類別の解説は動悸の原因で確認してください。
次の症状がある場合は、緊急性のある心臓や肺の病気が隠れている可能性があります。救急要請を含め、早急に医療機関へ相談してください。
⚠️ 救急受診を検討する症状
安静時100回/分以上でも無症状で一時的な場合は、必ずしも救急受診が必要とは限りません。しかし、繰り返す場合やリラックス時にも続く場合は、内科または循環器内科で相談しましょう。
徐脈は、一般に安静時心拍数が60回/分未満の状態を指します。実際には、50回台でも無症状で日常生活に支障がなく、運動時に適切に心拍数が上がる場合は、治療を必要としないことがあります。
特に持久系の運動を継続している人では、心臓が効率よく血液を送り出せるため、安静時脈拍が低めになることがあります。これを生理的な徐脈、いわゆるスポーツ心臓としてみる場合があります。
脈拍が低い原因には、加齢に伴う心臓の電気系統の変化、薬の影響、甲状腺機能低下症などがあります。心臓の拍動を遅くする薬としては、β遮断薬、非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬、一部の抗不整脈薬などがあります。
薬を飲んでいる方が脈拍低下に気づいたときも、自己判断で中止しないでください。処方した医師に、脈拍の記録と症状を伝えて相談することが重要です。
心臓のリズムを作る洞結節の働きが低下する「洞不全症候群」や、心房から心室への電気信号が伝わりにくくなる「房室ブロック」でも徐脈が起こります。これらは心電図やホルター心電図などで確認します。
甲状腺機能低下症でも脈拍が遅くなることがあります。気になる症状がある方は、甲状腺機能低下症もご覧ください。
脈拍が50〜60回/分未満でも、症状がなければ直ちに危険とは限りません。一方で、次の症状を伴う場合は受診が必要です。
徐脈で受診が必要なサイン
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「脈拍が50回/分以下、または100回/分以上の方は特に症状がなくとも一度受診することをお勧めします。しかし50-100回/分だからといって病気がないわけではなく、めまいやふらつき、胸部不快感などがあれば一度内科での精査を推奨いたします。」
脈拍は、手首の親指側にある橈骨動脈で測れます。親指は自分の脈を感じることがあるため、人差し指と中指を使いましょう。
脈が不規則に感じるときは、15秒法ではなく1分間測りましょう。不規則な脈が繰り返される場合は、医療機関で心電図検査を受けることをおすすめします。
上腕式血圧計では、血圧測定と同時に脈拍が表示される機種があります。毎回同じ条件で測ると、変化に気づきやすくなります。
スマートウォッチは、光学式センサーで皮膚の血流変化を捉えて脈拍を推定します。日常の傾向を見るのに便利ですが、装着のゆるみ、手首の動き、冷え、皮膚の状態、不整脈などで誤差が出ることがあります。
高い・低い数値や不規則の通知が出た場合は、落ち着いて手首や血圧計で測り直しましょう。通知だけで病気の診断はできませんが、症状や繰り返す異常がある場合は、記録を持って受診すると診察に役立ちます。
脈拍は、朝と夜など決まった時間帯に、血圧と一緒に測るとよいでしょう。朝は起床後1時間以内、排尿後、朝食や服薬前が目安です。夜は就寝前など、毎日なるべく同じ条件で測定します。
家庭血圧の詳しい測り方は、血圧の正常値一覧で解説しています。脈拍の数値だけでなく、体温、体調、動悸や息切れの有無もメモしてください。
血圧と脈拍はどちらも循環の状態をみる指標ですが、同じものではありません。血圧が高いから脈拍も速い、血圧が低いから脈拍も遅い、とは限りません。
たとえば、緊張や運動では血圧と脈拍がともに上がることがあります。一方で、降圧薬の種類によっては血圧が下がっても脈拍は大きく変わらない場合があります。逆に、心拍数を抑える薬では脈拍が低下することがあります。
| よくある誤解 | 正しい考え方 |
|---|---|
| 血圧が高いと必ず脈拍も速い | 血圧と脈拍は別の指標で、一致しないことがあります |
| 脈拍が遅い=低血圧 | 徐脈と低血圧は別の状態です |
| 脈拍90台は必ず異常 | 安静時60〜100回/分の範囲内であり、症状や経過も確認します |
| スマートウォッチの通知=診断 | 通知は確認のきっかけであり、診断には診察や心電図が必要です |
血圧そのものの分類や目標については、血圧の正常値一覧をご覧ください。血圧の下の値が高いと指摘された方は、血圧の下が高い原因も参考になります。
安静時の脈拍が100回/分を超える、または50回/分未満の状態が繰り返される場合は、内科または循環器内科へ相談してください。数値が範囲内でも、動悸、息切れ、胸痛、めまい、失神などの症状があれば受診が必要です。
受診を考えるチェックリスト
診察では、症状が出る状況、服用中の薬、生活習慣、既往歴を確認します。必要に応じて、次のような検査を組み合わせます。
| 検査 | わかること |
|---|---|
| 12誘導心電図 | 受診時点の脈の速さ、リズム、伝導障害など |
| ホルター心電図 | 日常生活中の一過性の不整脈や脈拍変動 |
| 血液検査 | 貧血、甲状腺機能、感染や電解質異常など |
| 心エコー検査 | 心臓の動き、弁、心不全の有無など |
当院では、内科診療のなかで心電図検査を行い、必要に応じて甲状腺機能や貧血などの血液検査を検討します。高血圧と脈拍を合わせて評価したい方は高血圧外来、まず体調全般を相談したい方は一般内科をご利用ください。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「脈拍だけ異常、というものでも病気を発症している可能性は十分あります。私達医師は、血圧、脈拍、体温、血中酸素飽和度、意識レベルといったものを非常に重要視します。この中に異常があると緊急性が高い可能性があるので、脈拍なら大丈夫、症状がないから大丈夫、とは決めつけず、一度内科に相談するのが重要です。特に心疾患は命に直結する可能性があるため、なるべく早めに受診しましょう。」
板橋区徳丸・東武練馬で脈拍が気になる方へ
脈が速い・遅い・不規則——原因を、心電図と血液検査で調べます
当院は東武練馬駅・下赤塚駅から徒歩圏内の内科です。心電図は即日、甲状腺・貧血の血液検査もあわせて評価できます。血圧手帳やスマートウォッチの記録をお持ちいただければ、数値の見方からご説明します。
安静時90回/分台は、成人の一般的な目安である60〜100回/分に入ります。そのため、数値だけで異常とはいえません。ただし、以前より明らかに高い状態が続く、動悸や息切れがある場合は原因の確認が必要です。運動直後、発熱、緊張、カフェイン摂取後でないかも確認しましょう。
50回/分台でも、無症状で日常生活に支障がなければ問題ない場合があります。特に運動習慣のある人では、安静時脈拍が低めになることがあります。めまい、失神、強いだるさ、息切れを伴う場合は受診してください。脈拍が急に低くなった場合も、服薬や心臓のリズムの問題を確認します。
通常はほぼ同じ回数です。心拍数は心臓が拍動する回数、脈拍は動脈で触れられる拍動の回数を指します。不整脈があると、心臓が打っても十分な脈として末梢まで届かず、脈拍のほうが少なくなることがあります。脈が不規則に感じる場合は、1分間測って記録しましょう。
高齢者でも、安静時60〜100回/分が一般的な目安です。年齢だけで別の正常範囲を決めるものではありません。ただし、服用薬や心臓の病気、甲状腺機能の影響を受けることがあります。数値の変化と、めまい、息切れ、失神などの症状を合わせて判断します。
スマートウォッチは日常の脈拍傾向を把握するのに役立ちます。一方で、装着状態、体動、皮膚の冷え、不整脈などで誤差が生じることがあります。気になる通知が出たら、安静にして手首または血圧計で測り直してください。繰り返し異常値が出る、症状がある場合は、記録を持って医療機関へ相談しましょう。
まずは内科または循環器内科が窓口になります。発熱、貧血、甲状腺の病気など、心臓以外の原因もあるためです。胸痛、強い息苦しさ、失神などがある場合は、通常の外来を待たずに救急受診を検討してください。急に始まる強い動悸や脈の乱れも早めに相談しましょう。
緊張、寝不足、発熱、脱水、カフェインなど一時的な原因があれば、その要因を整えることで落ち着くことがあります。自己判断で心拍数を下げる薬を飲んだり、処方薬を増減したりすることは危険です。安静時の脈拍が高い状態が続く場合は、原因を調べて対応することが大切です。症状がある場合や100回/分以上が続く場合は、内科で相談してください。
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参考文献:日本循環器学会/日本不整脈心電学会「2022年改訂版 不整脈の診断とリスク評価に関するガイドライン」「2024年JCS/JHRSガイドライン フォーカスアップデート版 不整脈治療」/Mason JW, et al. Electrocardiographic reference ranges derived from 79,743 ambulatory subjects. J Electrocardiol. 2007;40:228-234./秋山俊雄. 安静時心拍数と予後の関係. 心電図. 2011;31:425-441./下嶽京子ほか. 心拍数の基準範囲設定と心拍数の増加に影響を及ぼす生活習慣. 日本未病システム学会雑誌. 2005;11:51-53./東京大学保健センター「脈拍」/慶應義塾大学病院KOMPAS「徐脈性不整脈」。最終確認日:2026年9月4日。
※脈拍の評価は、年齢・持病・服薬内容によって異なります。自己判断せず医療機関へご相談ください。