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甲状腺機能低下症とは?症状・初期症状・原因・治療と何科を受診すべきか総合内科専門医が解説|
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甲状腺機能低下症とは?症状・初期症状・原因・治療と何科を受診すべきか総合内科専門医が解説

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疲れ・むくみ・冷え・体重増加が気になる方/健診でTSH高値を指摘された方へ

甲状腺機能低下症とは?症状・初期症状・原因・治療と何科を受診すべきか総合内科専門医が解説

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンが不足し、全身の代謝がゆっくりになる状態です。疲れやすさ・むくみ・寒がり・体重増加などの症状、原因、検査、治るのか、放置するとどうなるか、何科を受診すべきかを、総合内科専門医がわかりやすく解説します。

この記事のポイント

  • 甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンが不足し、全身の代謝がゆっくりになる状態です
  • 疲れやすい・むくみ・寒がり・体重増加・便秘・皮膚の乾燥などが代表的な症状です
  • 症状が加齢・更年期・うつ・慢性疲労と似ており、見逃されやすいのが特徴です
  • 最も多い原因は橋本病ですが、甲状腺の手術後・薬剤性・中枢性などもあります
  • 血液検査(TSH高値・FT4低値)で診断でき、ホルモン補充で多くはコントロール可能です
  • まずは内科・甲状腺外来を受診。当院では血液検査・甲状腺エコーで評価します

疲れやすい、むくむ、寒がりになった、体重が増えた——こうした変化が続くとき、甲状腺ホルモンが不足する甲状腺機能低下症が隠れていることがあります。症状が加齢や更年期、単なる体調不良と見分けにくく、血液検査で初めて気づかれることも少なくありません。この記事では、甲状腺機能低下症の症状・初期症状・原因・検査・治療、そして「放置するとどうなるか」「治るのか」「何科を受診すべきか」まで、順に解説します。

甲状腺機能低下症とは

甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモンの産生と分泌が低下し、血液中の甲状腺ホルモンが不足した状態です。甲状腺ホルモンは全身の代謝・体温・心拍・消化・皮膚や髪の状態・気分の安定など、幅広い機能に関わっているため、不足すると全身にさまざまな変化があらわれます。

診断上は、甲状腺そのものに原因がある原発性甲状腺機能低下症と、下垂体や視床下部に原因がある中枢性甲状腺機能低下症に分けて考えます。原発性ではFT4低値とTSH高値が典型的ですが、中枢性ではFT4が低いのにTSHが低値から基準範囲内にとどまることがあります。

また、TSHのみが高くFT4が正常範囲にある状態は潜在性甲状腺機能低下症と呼ばれます。症状・年齢・妊娠希望の有無・TSH値などを踏まえて、経過観察か治療かを判断します。なお、甲状腺ホルモンが過剰になる甲状腺機能亢進症とは、症状も治療も正反対の病態です。女性に多く、中高年で増えます。

甲状腺機能低下症の症状・初期症状

初期症状としてよくみられるのは、疲れやすい、だるい、寒がり、顔やまぶたのむくみ、体重増加、便秘、皮膚の乾燥などです。日本甲状腺学会の診断ガイドラインでも、無気力・易疲労感・眼瞼のむくみ・寒がり・体重増加・動作の緩慢・記憶力低下・便秘・声のかすれが代表的な所見として示されています。

こうした症状は少しずつ進むことが多く、「年齢のせい」「更年期」「うつ状態」「睡眠不足」などと受け取られやすい点が特徴です。そのため、症状だけで自己判断せず、健診異常や生活上の変化とあわせて血液検査で確認することが大切です。

✔️ 初期症状チェックリスト(見逃されやすいサイン)

  • 以前より疲れやすく、朝からだるい
  • 顔やまぶた、手足がむくみやすい
  • 人より寒がりになった
  • 食事量は変わらないのに体重が増えた
  • 便秘が続いている
  • 皮膚が乾燥しやすく、髪がぱさつく・抜け毛が増えた
  • 集中力低下や物忘れが気になる
  • 声がかすれる、話しにくい
  • 健診でコレステロール高値やTSH高値を指摘された

症状の一覧

分類 症状の例
全身 疲労感、無気力、体重増加、寒がり、むくみ
皮膚・髪 皮膚の乾燥、発汗の低下、髪のぱさつき、脱毛傾向
精神・神経 眠気、動作の緩慢、記憶力低下、集中しにくい
循環器 脈が遅くなる傾向、息切れ、心機能への影響
消化器 便秘、食欲低下、消化管の動きの低下
健診異常 LDLコレステロール上昇、CK高値で気づかれることがある

コレステロール高値やCK高値を伴うことがあるため、脂質異常症や筋肉の異常をきっかけに見つかることもあります。「なんとなく不調」が長く続く場合、一般的な内科疾患の鑑別の一つとして甲状腺機能の評価が役立ちます。

👨‍⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと

「甲状腺疾患は、機能亢進症であれ機能低下症であれ、女性の方が圧倒的に多い疾患です。また、家族歴も重要であり、受診時は必ず血縁者の甲状腺疾患の有無を確認します。疲れやすい、倦怠感が強い、足がむくむ、などの自覚症状で甲状腺疾患を疑うこともあれば、甲状腺の機能が低下することで代謝が落ち、コレステロールの数値が悪くなっているケースもあります。ホルモン異常は積極的に疑っていかなければ診断がつかないことも多く、当てはまる症状がある方は一度検査を推奨いたします。」

甲状腺機能低下症を放置するとどうなるか

軽度の段階では目立った支障が少ないこともありますが、甲状腺ホルモンの不足が続くと、疲労感・むくみ・便秘・集中力低下などが持続し、日常生活の質が下がることがあります。また、コレステロール高値を伴いやすく、動脈硬化のリスク評価が必要になる場合があります。

進行すると、脈が遅くなる・心機能への影響・強いむくみなど、全身への影響が目立つことがあります。非常にまれですが、重症例では粘液水腫性昏睡という緊急性の高い状態につながることがあり、高齢者・感染症・寒冷への曝露・一部の鎮静薬などがきっかけになることがあります。

また、妊娠を希望する方や妊娠中の方では、甲状腺機能の適切な管理がより重要になります。該当する場合は自己判断で様子をみるのではなく、早めに内科や内分泌内科へ相談することが勧められます。ただし、すべての方が急速に悪化するわけではないため、過度に不安になりすぎず、適切に評価を受けることが大切です。

甲状腺機能低下症の原因

最も多い原因の一つが、慢性甲状腺炎、いわゆる橋本病です。橋本病では抗TPO抗体や抗サイログロブリン抗体が陽性となることがあり、自己免疫によって甲状腺に慢性的な炎症が起こります。ただし、原因は橋本病だけではありません。

原因 概要
橋本病(慢性甲状腺炎・最多) 原発性甲状腺機能低下症の代表的な原因。自己免疫を背景にもつ
甲状腺の手術後・放射線治療後 甲状腺組織の減少や機能低下により発症することがある
薬剤性 一部の薬剤の影響で甲状腺機能が低下することがある
中枢性 下垂体・視床下部の異常でTSHの分泌が不十分になる
一過性 出産後や甲状腺炎の経過中など、一時的に低下することがある
その他 先天性、ヨウ素の極端な過不足など

最も多いのは橋本病ですが、原因によって評価や見通しが変わります。橋本病そのものの詳しい診断・治療や、治療薬(チラーヂン)の服用方法・飲み合わせについては、別記事で詳しく解説しています。本記事では、甲状腺機能低下症という「状態の全体像」を整理し、橋本病は主要な原因の一つとして位置づけています。

検査・数値の見方

診断の基本は血液検査です。原発性甲状腺機能低下症では、FT4低値とTSH高値が典型的で、日本甲状腺学会の診断ガイドラインでもこの組み合わせが基本所見として示されています。橋本病が疑われる場合は、抗TPO抗体や抗サイログロブリン抗体が参考になります。甲状腺エコーでは、大きさ・萎縮の有無・内部エコーの状態などを確認し、原因の推定に役立てます。

数値の早見表

検査所見 考え方
TSH高値 + FT4低値 原発性甲状腺機能低下症を疑う
TSH高値 + FT4正常 潜在性甲状腺機能低下症を考える
FT4低値 + TSH低値〜正常 中枢性甲状腺機能低下症を考える
抗TPO抗体/抗Tg抗体 陽性 橋本病を示唆する所見の一つ

数値だけで即断せず、症状・服薬・妊娠の有無・他の病気・年齢・採血のタイミングを含めて総合的に判断することが重要です。中枢性が疑われる場合は、下垂体ホルモンの評価や画像検査が必要になるため、専門医への紹介が望ましいとされています。

甲状腺機能低下症は治りますか(治療の概要)

治療の基本は、不足している甲状腺ホルモンをレボチロキシン(チラーヂン)で補うホルモン補充療法です。適切な量に調整できれば、多くの方で症状や検査値の改善が期待できますが、原因によっては長期の継続が必要になります。

橋本病による持続性の甲状腺機能低下症では、生涯にわたって補充が必要になることが少なくありません。一方、産後や甲状腺炎の回復期など一過性の低下では、経過の中で回復することもあります。

服薬は、毎日同じ条件で内服し、自己判断で中止しないことが大切です。実臨床では「飲み忘れにくく、毎日同じ条件で続けられること」と「定期的な採血で用量を調整すること」が重要になります。チラーヂンの具体的な服用方法や飲み合わせ(牛乳・大豆製品・鉄剤など)の詳細は、橋本病の記事で解説しています。

何科を受診すればいいか

甲状腺機能低下症が疑われるときの受診先は、内科・甲状腺内科・内分泌内科です。疲れ・むくみ・体重増加・便秘・コレステロール上昇など、他の病気と重なりやすい症状が多いため、まず総合内科で幅広く評価する意義があります。

健診でTSH高値を指摘された方、脂質異常症に加えて寒がりや倦怠感がある方、妊娠を希望している方、下垂体疾患の既往がある方は、早めの受診が望まれます。甲状腺エコーや抗体検査を含めて評価できる医療機関だと、原因まで整理しやすくなります。当院では、血液検査・甲状腺エコーによる評価から対応しています。

よくある質問

Q. 甲状腺機能低下症の初期症状は?

疲れやすい、だるい、寒がり、体重増加、顔やまぶたのむくみ、便秘、皮膚の乾燥などが代表的です。少しずつ進むことが多いため、年齢や生活習慣のせいだと思って見逃されることがあります。健診でTSH高値やコレステロール高値をきっかけに見つかる場合もあります。

Q. 甲状腺機能低下症は治りますか?

原因によります。橋本病による持続性の低下では長期のホルモン補充が必要なことが多い一方、産後や甲状腺炎の経過中など一過性のケースでは回復することがあります。適切な補充療法で症状をコントロールできる方は多いですが、自己判断で中断しないことが重要です。

Q. 甲状腺機能低下症を放置するとどうなりますか?

症状が続いて生活の質が低下し、コレステロール高値や心機能への影響につながることがあります。重症化はまれですが、粘液水腫性昏睡のような緊急性の高い状態に至ることもあります。ただし、すべての人が急速に悪化するわけではないため、過度に不安になりすぎず、適切に評価を受けることが大切です。

Q. 甲状腺機能低下症と橋本病は同じですか?

同じではありません。甲状腺機能低下症は「甲状腺ホルモンが不足した状態」を指し、橋本病はその原因となる代表的な病気の一つです。そのため、低下症があっても橋本病以外の原因で起きていることもあります。

Q. 甲状腺機能低下症は何科を受診すればいいですか?

内科・甲状腺内科・内分泌内科が受診先です。症状がはっきりしない段階や健診異常からの相談では、総合内科で全身状態も含めて評価するのが実際的です。

Q. 甲状腺機能低下症になるとどんな数値になりますか?

原発性ではTSH高値とFT4低値が典型です。潜在性ではTSHのみ高くFT4は正常範囲にとどまります。一方、中枢性ではFT4が低値でもTSHが高くならないことがあり、解釈に注意が必要です。

Q. 甲状腺機能低下症で食べてはいけないものはありますか?

病気そのもので一律に「食べてはいけない」と決まっている食品があるわけではありません。ただし、レボチロキシン(チラーヂン)を内服している場合は、服薬の条件が薬の吸収に影響することがあります。食べ物との飲み合わせの詳細は橋本病の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。

ゆう徳丸内科皮膚科へのご相談

疲れやすさ・むくみ・体重増加・便秘・脂質異常など、甲状腺機能低下症と紛らわしい症状は少なくありません。健診でTSH高値を指摘された方、なんとなくの不調が続く方は、自己判断せず一度ご相談ください。

こんな方はご相談ください

  • 健診でTSH高値を指摘された
  • むくみ・寒がり・体重増加・便秘が続いている
  • コレステロール高値の背景に甲状腺機能の異常がないか調べたい
  • 橋本病を含めた原因の評価を受けたい
  • 必要に応じて専門医療機関とも連携してほしい

板橋区・練馬区で甲状腺の症状が気になる方へ

当院では、総合内科専門医の視点から、甲状腺の異常だけでなく、疲れ・むくみ・体重増加・脂質異常の背景にある全身状態も含めて評価します。血液検査・甲状腺エコーによる初期評価から、継続管理、専門医療機関への紹介まで対応しています。

板橋区徳丸・赤塚・練馬区で甲状腺の症状が気になる方は、お気軽にご相談ください。

この記事のまとめ

  • 甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンが不足し、全身の代謝がゆっくりになる病態
  • 疲れ・むくみ・寒がり・体重増加・便秘などが代表的で、加齢や更年期と間違われ見逃されやすい
  • 放置すると生活の質の低下やコレステロール上昇につながることがあり、まれに重症化も
  • 最も多い原因は橋本病だが、手術後・薬剤性・中枢性などさまざま
  • 診断の基本は血液検査(TSH高値・FT4低値)と、必要に応じた抗体・画像検査
  • 治療はホルモン補充が基本。適切に続ければ多くの方が症状をコントロールできる
  • まずは内科・甲状腺外来へ。当院では血液検査・甲状腺エコーで評価します

本記事は、日本甲状腺学会の診断ガイドラインの情報を踏まえ、日常診療の視点から監修しています。症状や数値の状況によって適切な対応は異なります。自己判断せず医療機関へご相談ください。

この記事の監修者

医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科 院長 吉田 悠

医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科

院長 吉田 悠

総合内科専門医として、甲状腺をはじめとする内分泌の病気から、生活習慣病、腎臓病まで幅広く診療しています。全身を総合的に診る視点を大切に、患者さまに寄り添った丁寧な説明と、必要に応じた専門医療機関との連携を心がけています。

経歴・所属学会
日本内科学会 総合内科専門医・認定内科医・元指導医
日本腎臓学会 腎臓専門医
日本透析学会 透析専門医
日本糖尿病協会 糖尿病認定医
日本高血圧学会 高血圧専門医
日本医師会 認定産業医
厚生労働省 臨床研修指導医
日本禁煙学会 認定指導者
元東京医科歯科大学(現東京科学大学) 腎臓内科 臨床講師
難病指定医

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