医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科|
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疲れやすい・むくみ・動悸・体重変化が気になる方へ
甲状腺の症状・原因・検査とは?何科を受診すべきか内科医が解説
甲状腺の症状(疲れやすい・むくみ・動悸・体重変化)・機能低下症と機能亢進症の違い・検査・何科を受診すべきかを甲状腺外来専門医が解説します。
疲れやすい、むくみやすい、体重が増えた、あるいは動悸や汗が増えて体重が減ってきた——このような変化があるとき、甲状腺の病気が隠れていることがあります。甲状腺の症状は更年期症状や自律神経の乱れ、貧血などと似ることがありますが、血液検査や超音波検査で評価できます。甲状腺機能低下症と甲状腺機能亢進症では症状の出方が大きく異なるため、違いを知っておくことが大切です。
この記事のポイント
甲状腺は首の前側にある小さな臓器で、甲状腺ホルモンを作っています。甲状腺ホルモンは体温・脈拍・消費エネルギー・腸の動き・気分など、全身の代謝を調整する重要なホルモンです。このホルモンが足りなくなると全身の働きがゆっくりになり、甲状腺機能低下症の症状が出ます。反対にホルモンが多くなると体が常に活動しすぎた状態になり、甲状腺機能亢進症の症状が出ます。
| 種類 | 代表的な病気 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 甲状腺機能低下症 | 橋本病・術後甲状腺機能低下症など | ホルモン不足により、疲れやすさ・むくみ・体重増加・寒がりなど |
| 甲状腺機能亢進症 | バセドウ病・機能性結節など | ホルモン過剰により、動悸・多汗・体重減少・手のふるえなど |
| 甲状腺炎 | 亜急性甲状腺炎・無痛性甲状腺炎など | 炎症によって痛みや一時的なホルモン異常を起こす |
| 甲状腺腫瘍 | 良性結節・甲状腺がんなど | 首のしこりとして気づかれることがあり、精査が必要 |
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「甲状腺は症状が多岐にわたるため、症状だけで更年期障害や自律神経による症状との見分けは困難であることが多いです。ただ、女性であったり甲状腺の家族歴が濃厚な方は甲状腺による症状の可能性が高くなります。逆に言えば、甲状腺はホルモン値で症状が決まることが多く、血液検査をすればわかる、とも言えます。当院では来院時に血液検査を行い、結果の説明時に甲状腺エコーを行うことが一般的です。」
甲状腺機能低下症では、甲状腺ホルモンが不足することで全身の代謝が低下します。代表的な原因は橋本病で、症状は少しずつ進むことが多く、年齢や体質の変化と思われて見逃されることがあります。
| 症状カテゴリ | 具体的な症状 |
|---|---|
| 全身・代謝 | 疲れやすい・だるい・体重増加・寒がり |
| 皮膚・外見 | むくみ(特に顔・まぶた)・皮膚の乾燥・汗が少ない・髪が抜けやすい |
| 精神・神経 | 眠気・気力低下・集中力低下・抑うつ気分 |
| 循環器 | 脈が遅い・息切れ・コレステロール上昇を伴うことがある |
| 消化器 | 便秘 |
| 女性に多い悩み | 月経異常・不妊の原因になることがある |
「甲状腺 むくみ」「甲状腺 疲れやすい」という症状で来院される方では、顔やまぶたのむくみ・だるさ・寒がり・便秘が手がかりになることがあります。ただし症状だけでは確定できず、血液検査で確認することが重要です。
甲状腺機能亢進症では、甲状腺ホルモンが多すぎるため代謝が過剰に高まります。代表的な病気はバセドウ病で、体重が減るのに食欲がある・脈が速い・汗をかきやすいといった特徴がみられます。
| 症状カテゴリ | 具体的な症状 |
|---|---|
| 全身・代謝 | 体重減少・暑がり・多汗・微熱・疲れやすさ |
| 循環器 | 動悸・頻脈・息切れ |
| 神経・精神 | 手のふるえ・イライラ・不眠・落ち着かない |
| 消化器 | 食欲増加・下痢 |
| 眼 | 目の違和感・まぶしさ・眼球突出を伴うことがある |
| 女性に多い悩み | 月経不順 |
「よく食べるのに痩せる」「緊張していないのに動悸が続く」「汗が止まらない」といった変化があるときは、甲状腺機能亢進症の症状が隠れていることがあります。重症化すると不整脈や心不全、まれに甲状腺クリーゼのような緊急性の高い状態につながることもあるため注意が必要です。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「甲状腺ホルモンが亢進していると、発汗・体重減少・手の震えなどの症状が出ることが多く、診察だけでかなり機能異常に気がつくことが多いです。逆に機能が低下していると疲れやすい・太ったなどの症状のため、甲状腺以外でも同様の症状が出ることがあり、血液検査を行わないとわからないことも多いです。」
甲状腺の病気は、体重変化・むくみ・動悸・便通異常・月経異常など、一見すると別々にみえる症状が組み合わさって現れることがあります。気になる症状が複数ある場合は、自己判断せず受診を検討しましょう。
| 症状 | 機能低下症 | 機能亢進症 |
|---|---|---|
| 疲れやすい・だるい | ◎ | ○ |
| 体重が増えた | ◎ | — |
| 体重が減った(食欲はあるのに) | — | ◎ |
| むくみ(特に顔・まぶた) | ◎ | — |
| 動悸・脈が速い | — | ◎ |
| 脈が遅い | ◎ | — |
| 寒がり | ◎ | — |
| 暑がり・汗が多い | — | ◎ |
| 便秘 | ◎ | — |
| 下痢 | — | ◎ |
| 手のふるえ・イライラ | — | ◎ |
| 皮膚の乾燥・髪が抜ける | ◎ | — |
| 月経不順 | ○ | ○ |
⚠️ 以下の症状は早めに受診を
甲状腺の症状が気になるときは、まず内科・甲状腺外来・内分泌内科が相談先になります。健診で異常を指摘された場合や、動悸・むくみ・体重変化などが続く場合には、血液検査と超音波検査を組み合わせて評価します。
甲状腺の検査で最も基本になるのはTSHとFT4です。必要に応じてFT3や自己抗体を追加することで、橋本病やバセドウ病の可能性をより詳しく確認できます。
| 検査項目 | 何をみるか | 主な異常の見方 |
|---|---|---|
| TSH(甲状腺刺激ホルモン) | 脳下垂体からの甲状腺への指令。最初に確認 | 高値→機能低下症疑い 低値→機能亢進症疑い |
| FT4(遊離サイロキシン) | 血液中の主要な甲状腺ホルモン | 低値→低下症 高値→亢進症 |
| FT3(遊離トリヨードサイロニン) | 活性の強い甲状腺ホルモン | 亢進症の評価で役立つ |
| 抗TPO抗体・抗サイログロブリン抗体 | 自己免疫の有無 | 陽性→橋本病の参考 |
| TRAb(TSH受容体抗体) | バセドウ病の自己抗体 | 陽性→バセドウ病の診断に役立つ |
甲状腺エコーでは、甲状腺の大きさ・腫れ・血流・しこりの有無などを確認できます。血液検査だけでは分からない結節や炎症の所見を捉えられるため、甲状腺の検査ではとても重要です。しこりがある場合は、大きさや形状から追加の精査が必要かを判断します。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「当院では来院時に血液検査を行い、結果の説明時に甲状腺エコーを行うことが一般的です。紹介の基準は、アイソトープや外科的手術が必要になる場合や、悪性腫瘍の否定ができず穿刺細胞診(生検)が必要な場合になります。」
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甲状腺の治療は、機能低下症なのか・機能亢進症なのか・炎症なのか・しこりの病気なのかで大きく異なります。診断をつけたうえで、症状・検査結果・年齢・妊娠希望の有無なども考慮しながら治療方針を決めます。
甲状腺機能低下症では、不足している甲状腺ホルモンを補う治療が基本です。レボチロキシン製剤(チラーヂンS)を用い、採血結果をみながら少しずつ量を調整します。橋本病そのものをなくす治療ではありませんが、適切に補充できれば多くの方で症状の改善が期待できます。
甲状腺機能亢進症では、抗甲状腺薬・放射性ヨウ素治療・手術が主な治療選択肢です。バセドウ病ではまず抗甲状腺薬で治療を開始することが多く、脈が速い場合には症状を抑える薬を併用することもあります。発熱や強いのどの痛みがある場合は抗甲状腺薬の重篤な副作用(無顆粒球症)の可能性があるため、早めの受診が必要です。
内科・甲状腺外来・内分泌内科を受診してください。動悸・むくみ・体重変化・健診異常などがある場合は、血液検査(TSH・FT4)や甲状腺エコーで評価します。
甲状腺機能低下症でも機能亢進症でも疲れやすさはみられます。ただし貧血・睡眠不足・感染症・心疾患・うつ状態など他の原因も多いため、症状だけで決めつけず検査で確認することが重要です。
はい、橋本病やバセドウ病は女性に多いことで知られています。ただし男性にも起こるため、性別にかかわらず症状や健診異常があれば評価が必要です。
機能低下症ではむくみ・体重増加・寒がり・便秘・脈が遅いなど体の働きがゆっくりになる症状が目立ちます。機能亢進症では動悸・体重減少・暑がり・多汗・手のふるえなど体の働きが過剰になる症状が目立ちます。症状の方向が正反対になります。
橋本病による機能低下症では長期的なホルモン補充が必要になることが多いです。一方バセドウ病では治療経過によって薬を減らしたり中止できる場合もあるため、定期的な診察と採血に基づいて判断します。
ゆう徳丸内科皮膚科では、疲れやすさ・むくみ・動悸・体重変化・健診での甲状腺異常・首の腫れなど、甲状腺が気になる症状についてご相談いただけます。来院時に血液検査を行い、結果説明時に甲状腺エコーを組み合わせて評価します。
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本記事は、日本甲状腺学会ガイドラインの情報を踏まえ、日常診療の視点から監修しています。
※症状の状態によって適切な対応は異なります。自己判断せず医療機関へご相談ください。