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健診でHbA1cや血糖値が高いと言われた方へ
血糖値を下げる食事・食べ物ランキングとは?飲み物・運動も糖尿病認定医が解説
血糖値を下げる食事・食べ物ランキング・飲み物・食べ方・運動のコツを、糖尿病認定医・腎臓内科専門医の院長がわかりやすく解説します。
健診で「血糖値が高い」「HbA1cが基準値を超えている」と指摘されると、多くの方が「血糖値を下げる食事」や「血糖値を下げる食べ物」を探し始めます。しかし、血糖値は食事内容だけでなく、食べる量・タイミング・順番、さらに運動習慣まで含めた生活全体で変わってきます。日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」でも、薬物療法に先立って食事療法と運動療法が血糖コントロールの基盤とされています。
この記事では、血糖値を上げにくい食べ物ランキングと、血糖値を下げる飲み物・運動のポイント、腎臓病がある方の注意点まで、糖尿病認定医・腎臓専門医の視点からわかりやすく解説します。
この記事のポイント
食事でとったご飯やパン、麺類、お菓子などの糖質は消化されてブドウ糖になり、腸から吸収されて血液中に入ることで血糖値が上がります。通常は膵臓から分泌されるインスリンが、血液中のブドウ糖を筋肉や脂肪、肝臓の細胞に取り込ませ、血糖値を一定の範囲内に保っています。
しかし、インスリンの分泌量が不足していたり、インスリンが効きにくい「インスリン抵抗性」があると、同じ食事でも血糖値が高くなりやすくなります。また、同じ糖質量でも、早食いやドカ食い、GI値が高い食品を選ぶと、食後の血糖値スパイクが起きやすく、血管への負担が増えることがわかっています。
| 原則 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ① 糖質の量を管理する | 1食あたりの糖質量を意識して、ご飯・パン・麺・菓子の合計を調整する | 主食を少し減らし、野菜やたんぱく質のおかずを増やすのが現実的 |
| ② 食べる順番を工夫する | 野菜(食物繊維)→たんぱく質のおかず→ご飯・パンなど糖質の順に食べる | 食物繊維が糖の吸収をゆるやかにし、血糖値スパイクを抑えるのに役立つ |
| ③ 血糖値スパイクを防ぐ | 早食い・ドカ食い・頻回な間食を避け、よく噛んでゆっくり食べる | 急激な血糖上昇は動脈硬化リスクの増加と関連する |
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「外来でよく経験するのは、厳しい食制限を数か月行って改善し、そのまま来なくなってしまった方が、1年後に来院して久しぶりに血糖値を測定すると再度悪化しているということです。厳しい食制限や運動が嫌になってしまった、いったん改善したから大丈夫だと思っていた、という方が多いです。自分を律することは大切ですが、長く付き合っていく病気であるという認識をもって、ある程度緩く付き合いながら血糖値を定期的にチェックすることが大切です。これくらい食べたらこれくらい悪くなる、ここまで制限するとここまでよくなるというのを身をもって体験することが一番だと考えています。」
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「これを食べると魔法のように血糖値が下がる」という食品はありませんが、「血糖値を上げにくく、日常の食事に取り入れやすい食品」を整理します。食物繊維が多くGI値が低い食品や、良質なたんぱく質源を意識することが日本糖尿病学会の食事療法でも推奨されています。
| 順位 | 食品 | 理由・効果 | 取り入れ方 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 葉物野菜(ほうれん草・小松菜・キャベツなど) | 食物繊維が豊富で糖の吸収をゆるやかにする。GI値も低い | 毎食1品以上を目標に、まず野菜から食べ始める |
| 2位 | きのこ類(しいたけ・えのき・なめこ) | 低カロリー・低糖質で食物繊維をバランスよく含む | 味噌汁や炒め物・鍋料理に常備しやすい |
| 3位 | 海藻類(わかめ・ひじき・もずく) | 水溶性食物繊維が豊富で糖質量も少ない | サラダや酢の物・味噌汁に少量ずつ毎日取り入れる |
| 4位 | 大豆製品(豆腐・納豆・豆乳) | 良質なたんぱく質源で血糖上昇がゆるやか。動物性脂肪の代替に | 肉の一部を大豆製品に置き換える |
| 5位 | 青魚(さば・いわし・さんま) | EPA・DHAがインスリン抵抗性や心血管リスクに良い影響を与える可能性がある | 週2〜3回を目安に焼き魚・煮魚として主菜に |
| 6位 | 酢(お酢・酢の物) | 食事と一緒に摂取すると食後血糖の上昇を抑制する効果が研究で報告されている | サラダのドレッシングや酢の物に。1日大さじ1〜2杯程度 |
| 7位 | ナッツ類(アーモンド・くるみ・無塩) | 食物繊維と不飽和脂肪酸が豊富で血糖上昇がゆるやか | 素焼きで無塩のものを1日片手一杯程度にとどめる |
| 8位 | オートミール・もち麦 | 白米に比べて食物繊維が多くGI値も低いため食後血糖の上昇がゆるやか | 白米の一部をもち麦ごはんに置き換える |
| 9位 | 卵 | 糖質がほぼゼロで、たんぱく質を効率よく補える | 1日1〜2個を目安に主菜や補助食品として |
| 10位 | 鶏むね肉・ささみ | 高たんぱく・低脂質で糖質をほとんど含まない | 揚げ物より蒸す・ゆでる・焼く調理法を選ぶ |
| 控えたい食品 | 理由 |
|---|---|
| 白米・パン・うどん・もちなど精製された主食 | GI値が高く食後の血糖値が急上昇しやすい主な糖質源 |
| 清涼飲料水・果汁ジュース・スポーツドリンク | 液体の糖分は吸収が非常に速く、短時間で血糖値を大きく上げる |
| 菓子類・ケーキ・アイスクリーム | 糖質と脂質を多く含み、血糖値スパイクと中性脂肪の上昇を招きやすい |
| 揚げ物・脂身の多い肉 | カロリー過多や体重増加からインスリン抵抗性を悪化させる |
| アルコール(過剰摂取) | 低血糖や肝機能への影響・カロリー過多を通じて血糖コントロールを乱すことがある |
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「お米などの炭水化物は三大栄養素の一つでもあるため、ある程度は摂取することが重要です。しかし、清涼飲料水やお菓子などの間食は、極端な言い方をすれば基本的に摂る必要のない食材です。もちろんストレスの緩和として摂取するという意味合いはありますが、いかにこのあたりを制限できるかは非常に重要と考えています。」
食べ物だけでなく、飲み物の選び方も血糖値管理には大きく関わります。特に砂糖入り飲料は、少量でも短時間で血糖値を大きく上げるため注意が必要です。
| 飲み物 | 効果・根拠 | 注意点 |
|---|---|---|
| 水・白湯 | 血糖値に直接影響せず、水分補給の基本 | 腎臓病・心不全がある方は主治医の指示に従って水分量を調整 |
| 緑茶 | カテキンなどの成分が糖の吸収を抑える可能性が報告されている | カフェインを含むため胃の弱い方や就寝前の大量摂取は控える |
| コーヒー(無糖) | 無糖コーヒーの摂取と2型糖尿病リスクの低下との関連を示す観察研究がある | 砂糖やクリームを多く加えると逆効果 |
| 無糖炭酸水 | 糖質を含まず甘味飲料の代替として利用しやすい | 「糖類ゼロ」「カロリーゼロ」の表示を確認する |
⚠️ 避けたい飲み物
清涼飲料水・果汁100%ジュース・スポーツドリンク・甘いコーヒー飲料・エナジードリンク。液体の糖分は吸収が非常に速く、血糖値を急激に上げます。「野菜ジュースなら安心」は誤解で、糖質量を必ず確認することが重要です。
食事療法と並んで、運動療法は血糖コントロールの柱です。特に食後すぐから30分以内の軽いウォーキングなどの「食後運動」は、食後血糖値スパイクを抑える効果が複数の研究で示されています。
| 運動のタイミング・内容 | 効果・エビデンス | 実践のポイント |
|---|---|---|
| 食後10〜15分のウォーキング | 食後15〜40分のゆっくり歩行が血糖の上昇を抑えたと報告されている | 食後すぐ〜30分以内に自宅周りを10〜15分歩く方法から始める |
| 各食後10分ずつ(1日計30分)の歩行 | 各食後10分の歩行で夕食後血糖が運動なしの日より低下した試験がある | まとめて30分歩けない方でも取り組みやすい |
| 筋力トレーニング(週2〜3回) | 筋肉量増加→インスリン感受性の改善・血糖取り込み能力の向上 | 有酸素運動と組み合わせると効果的 |
無理な激しい運動は低血糖やケガのリスクがあるため、年齢や合併症に応じて医師と相談のうえ、できる範囲から始めることが大切です。
糖尿病と慢性腎臓病(CKD)はしばしば同時に存在し、糖尿病性腎症として進行すると腎機能低下や透析につながることがあります。腎臓病が進行すると、たんぱく質・カリウム・リン・塩分など複数の栄養素を同時に調整する必要があり、一般的な糖質制限食をそのまま当てはめることはできません。
腎機能のステージに応じてエネルギー・たんぱく質・塩分などをきめ細かく調整することが推奨されており、進行した腎臓病では過度な高たんぱく食が腎臓に負担となる一方、低栄養も問題になるため、「血糖値だけで食事を決めない」ことが重要です。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「糖尿病を発症している方は、糖尿病がない方に比べて高血圧の合併リスクも2〜3倍高いと言われています。糖尿病の患者さんはHbA1c 7%未満にするという目標はかなり気にする一方で、家庭血圧が125/75mmHg未満という目標を蔑ろにしてしまう傾向が強いです。糖尿病も高血圧も放置しておくと尿たんぱくが検出されるようになり、その後腎機能の低下、最終的には腎不全・透析になってしまう非常にリスクの高い病気です。また、脳卒中や心筋梗塞などの心疾患の発症リスクも上がるため、どちらも同じくらい重要と考えることが必要です。」
特定の食品より「食べる順番」と「食物繊維を先に摂ること」が最も効果的です。野菜・海藻・きのこを食事の最初に食べることで糖の吸収が緩やかになります。白米やパンなどの主食量を少し減らし、大豆製品や魚・卵などのたんぱく質と野菜に置き換えることで、血糖値スパイクを抑えやすくなります。
水・白湯・無糖のお茶やコーヒーなど、糖質を含まない飲み物が基本です。酢を含んだ飲み物については食事と一緒に摂取すると食後血糖を抑える効果を示した研究もありますが、糖分が多い市販品もあるため成分表示の確認が重要です。
食後すぐ〜30分以内の10〜15分程度のウォーキングは、複数の研究で食後血糖のピークを下げる効果が報告されています。ただし体調や年齢・合併症によって適した運動の強さや時間は異なるため、持病のある方は医師と相談のうえ無理のない範囲から始めてください。
腎臓病が軽い段階であれば主治医と相談しながら緩やかな糖質制限を行うことは可能な場合がありますが、進行した腎臓病では高たんぱく食が腎臓に負担になることがあります。腎機能の状態を評価したうえで、糖質・たんぱく質・塩分・カリウムなどを総合的に調整することが重要です。
HbA1cは過去1〜2ヶ月の平均的な血糖値を反映する指標であり、食事・運動・薬物療法のすべての影響を受けています。日本糖尿病学会の考え方では、まず食事療法と運動療法を基本とし、必要に応じて薬物療法を組み合わせることが推奨されており、どちらか一方ではなく「生活習慣+薬」を組み合わせることが大切です。
ゆう徳丸内科皮膚科では、糖尿病認定医・腎臓専門医として、糖尿病だけでなく腎臓病・高血圧・脂質異常症などを総合的に診ながら、一人ひとりに合わせた食事・運動・薬のバランスを一緒に考えます。
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本記事は、日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」の情報を踏まえ、日常診療の視点から監修しています。
※症状や合併症の状況によって適切な対応は異なります。自己判断せず医療機関へご相談ください。