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脂肪肝の症状・原因・改善法とは?治る?何科を受診すべきか総合内科専門医が解説

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健診で脂肪肝・肝機能異常を指摘された方へ

脂肪肝の症状・原因・改善法とは?治る?何科を受診すべきか内科医が解説

脂肪肝(NAFLD/NASH)の症状・原因・改善法・何科を受診すべきかを、糖尿病認定医・腎臓内科専門医の院長がわかりやすく解説します。

健診で「脂肪肝」と言われたけど症状がないからと放置していませんか?脂肪肝の改善には早期の対応が重要です。脂肪肝は症状が乏しいうちに進行しやすく、放置するとNASH→肝硬変→肝がんへと進展するリスクがあります。また、糖尿病・肥満・高血圧・脂質異常症・慢性腎臓病とも深く関連するため、内科で横断的に管理することが大切です。この記事では、脂肪肝の症状・原因・治し方・何科を受診すべきかを内科医が詳しく解説します。

この記事のポイント

  • 脂肪肝はアルコール性と非アルコール性(NAFLD/NASH)に分けて考えることが重要
  • 自覚症状が乏しく健診で初めて気づくことが多いが、放置するとNASH→肝硬変→肝がんのリスクがある
  • 脂肪肝は可逆性の状態——早期に生活習慣を改善すれば治る可能性がある
  • 糖尿病・肥満・高血圧・脂質異常症・慢性腎臓病(CKD)と深く関連——内科で一括管理できる
  • 改善の基本は体重5〜10%減・食事・運動・禁酒

脂肪肝とは?

脂肪肝の定義

脂肪肝とは、肝臓の細胞に中性脂肪が過剰に蓄積した状態です。肝細胞の5%以上に脂肪沈着がある場合に脂肪肝と診断されます。日本人の約30%に認められるとも言われており、生活習慣病の中でも非常に多い状態です。

アルコール性と非アルコール性(NAFLD/NASH)の違い

種類 原因 特徴
アルコール性脂肪肝 過度の飲酒 禁酒・節酒で改善しやすい
NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患) 肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧など お酒を飲まない人でも起こる。生活習慣病と密接
NASH(非アルコール性脂肪肝炎) NAFLDの中で炎症・線維化が進んだもの 肝硬変・肝がんへの進展リスクあり。要注意

👨‍⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと

「脂肪肝はお酒が原因とされることも多いですが、非アルコールのものも多くあります。何が原因にしても脂肪肝を放っておくと、肝臓への炎症や線維化が進みNASH・肝硬変へと進行して、肝不全や肝がんの原因となります。脂肪肝はまだ可逆性の状態であり、その時点で節酒や禁酒、または肥満や脂質異常症・糖尿病などの代謝疾患を改善していくことが重要です。」

脂肪肝の症状

自覚症状が乏しい理由

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、かなり進行するまで症状が出にくい臓器です。脂肪肝の段階ではほぼ無症状のことが多く、健診の腹部エコーや血液検査(AST・ALT・γGTP上昇)で初めて気づくケースが大半です。

症状・所見 内容
自覚症状(軽度〜中等度) ほぼなし。右上腹部の鈍い違和感・倦怠感を訴える人もいる
健診の血液検査 AST・ALT・γGTPの上昇。ALT>ASTはNAFLDの特徴
腹部エコー 肝臓の輝度上昇(明るく見える)・肝腎コントラストの増大
進行した場合(肝硬変) 黄疸・腹水・むくみ・体重減少・易疲労感

⚠️ 以下の場合は早めに内科を受診

  • 健診でAST・ALT・γGTPが高いと指摘された
  • 腹部エコーで脂肪肝と言われた
  • 体重増加・糖尿病・脂質異常症がある
  • 右上腹部の痛みや黄疸がある

脂肪肝の原因

原因カテゴリ 具体的な要因 ポイント
過度の飲酒 アルコールの過剰摂取 アルコール性脂肪肝の主因
肥満・内臓脂肪 カロリー過多・運動不足 NAFLDの最大の要因。BMI・腹囲を確認
糖尿病・インスリン抵抗性 血糖コントロール不良 糖尿病患者の50〜70%に脂肪肝が合併
脂質異常症 中性脂肪高値・LDL高値 脂肪の肝臓への蓄積を促進
急激な体重減少・低栄養 極端なダイエット・摂食障害 逆に脂肪肝を悪化させることがある
薬剤性 ステロイド・一部の抗がん剤など 処方薬が原因のこともある

👨‍⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと

「肝臓に脂肪がたまるとインスリンが効きにくくなり、血糖が上がりやすくなります。逆に血糖が高い状態が続くと、肝臓でさらに脂肪が作られて、脂肪肝が悪化します。この悪循環を断ち切るには、血糖だけ、肝臓だけを見るのではなく、”体重・肝臓・血糖”をまとめて改善していくことが大切です。」

関連診療ページ

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脂肪肝と腎臓病・全身への影響

脂肪肝は肝臓だけの問題にとどまりません。心血管疾患・慢性腎臓病(CKD)・全死亡リスクとも関連することが示されており、全身疾患として捉える必要があります。

脂肪肝と慢性腎臓病(CKD)の関係

NAFLDはCKDの独立したリスク因子とされており、脂肪肝が進行するほど腎機能低下が起こりやすいとされています。肥満・インスリン抵抗性・炎症・脂質異常症が共通の背景として関与しています。脂肪肝の方では腎機能(eGFR・尿蛋白)も合わせて確認することが重要です。

さらに、脂肪肝・NASHから肝硬変へと進行すると、低アルブミン血症が起こり血管内脱水につながることで、腎不全を発症するリスクが高まります(肝腎症候群)。肝機能を早期に保護することは、結果的に腎不全の予防にもつながるという視点が重要です。

👨‍⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと

「CKDガイドライン単体では脂肪肝という言葉はあまり前面に出てきませんが、脂肪肝の背景である肥満・メタボ・脂質異常をCKDの発症・進行・心血管リスク因子として位置づけ、体重・脂質管理を強く推奨しています。脂肪肝(MASLD)を持つ患者さんは、CKD側から見ると”肥満・メタボリック・脂質異常症の集合体ともいえる”存在であり、CKD進行と心血管イベントの高リスク群として扱うべきと考えます。」

関連診療ページ

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脂肪肝の改善法・治し方

体重を5〜10%減らすことが最大の改善策

日本肝臓学会ガイドラインでも、体重を5〜10%減らすことで肝脂肪・肝機能値が改善するとされています。急激なダイエットは逆効果になることがあるため、月に1〜2kg程度のペースが目安です。体重の5%以上の減少で肝脂肪の改善が、7〜10%以上の減量ではNASH改善・線維化進展抑制が期待できるとされています。

食事の改善

食事のポイント 具体的な内容
カロリー制限 1日の摂取カロリーを500〜600kcal程度減らすと効果的
糖質・脂質の見直し 白米・パン・菓子・揚げ物・脂身の多い肉を減らす
果糖(フルクトース)を控える 清涼飲料水・果汁ジュース・菓子類に多い。肝臓での脂肪合成を促進
食物繊維・野菜を増やす 血糖上昇を緩やかにし、腸内環境を整える
コーヒーの効果 NAFLDのリスク低下と関連する研究あり(過剰摂取は不可)

運動の効果

有酸素運動(ウォーキング・自転車・水泳)を週150〜300分が目安です。筋力トレーニングを組み合わせると基礎代謝が上がり、内臓脂肪が減りやすくなります。

禁酒・節酒

アルコール性脂肪肝では禁酒が最も効果的です。非アルコール性でも飲酒は肝臓への負担を増やすため、休肝日を設けるか1日の飲酒量を適正量(純アルコール20g以下)に抑えることが大切です。

薬物療法・最新の治療

現時点でNAFLD/NASHそのものに対する保険適用の特効薬はありませんが、糖尿病・肥満症の治療薬の一部には脂肪肝改善が期待されるものがあります。GLP-1受容体作動薬(マンジャロ・ウゴービ等)やSGLT2阻害薬は肝脂肪・肝酵素の改善に寄与する可能性が示されており、糖尿病・肥満症のある方では特に検討できる選択肢です。

脂肪肝は何科を受診すればいいか

脂肪肝の背景にある糖尿病・脂質異常症・高血圧・肥満・腎機能低下を横断的に確認するには、内科・総合内科が適しています。状態によって消化器内科・肝臓専門医への紹介も行います。

検査 分かること
血液検査(AST・ALT・γGTP) 肝機能の評価・炎症の程度
FIB-4スコア(AST・ALT・血小板・年齢) 肝線維化リスクの層別化
血液検査(中性脂肪・LDL・HDL) 脂質異常症の合併
血糖・HbA1c 糖尿病・インスリン抵抗性の評価
腎機能(Cr・eGFR)・尿蛋白 CKD合併の評価
腹部エコー 脂肪肝の程度・肝臓の形態確認

よくある質問

Q. 脂肪肝は何科を受診すればいいですか?

まずは内科・総合内科を受診してください。肝機能・血糖・脂質・腎機能をまとめて確認できます。必要に応じて消化器内科・肝臓専門医へ紹介します。

Q. 脂肪肝は治りますか?

脂肪肝の段階では可逆性があり、生活習慣を改善することで治る可能性があります。体重を5〜10%減らすことで肝機能値が改善する方も多くいます。NASHや肝硬変まで進行した場合は専門的な管理が必要です。

Q. 脂肪肝でも症状がないのに治療が必要ですか?

症状がなくても、放置するとNASH→肝硬変→肝がんに進展するリスクがあります。また糖尿病・高血圧・慢性腎臓病との関連も深いため、早めに内科で評価を受けることをお勧めします。

Q. お酒を飲まないのに脂肪肝になることがありますか?

はい、あります。非アルコール性脂肪肝(NAFLD)は肥満・糖尿病・脂質異常症が主な原因で、飲酒しない方でも起こります。日本人の約30%に認められるとも言われています。

Q. 脂肪肝と腎臓病は関係がありますか?

関係があります。NAFLDはCKDの独立したリスク因子とされており、脂肪肝の背景にある肥満・メタボ・脂質異常がCKドの発症・進行・心血管リスクにもなります。脂肪肝の方は腎機能も合わせて確認することをお勧めします。

ゆう徳丸内科皮膚科へのご相談

以下のような方はお気軽にご相談ください。

  • 健診で脂肪肝・肝機能異常を指摘された方
  • 糖尿病・肥満・脂質異常症があって脂肪肝が気になる方
  • 禁酒・食事改善を試みたが改善しない方
  • 脂肪肝と腎臓・糖尿病をまとめて管理したい方
  • 肥満症外来でGLP-1治療と合わせて管理したい方

まとめ

  • 脂肪肝はアルコール性とNAFLD/NASH(非アルコール性)に分けて考える
  • 脂肪肝は可逆性の状態——早期に生活習慣を改善すれば治る可能性がある
  • 放置するとNASH→肝硬変→肝がんのリスクがある。自覚症状がなくても評価が必要
  • 脂肪肝と糖尿病は悪循環の関係——”体重・肝臓・血糖”をまとめて改善することが重要
  • 脂肪肝(MASLD)はCKD・心血管リスクの高リスク群——腎機能も合わせて確認を
  • 改善の基本は体重5〜10%減・食事・運動・禁酒。GLP-1薬なども選択肢になりうる

本記事は、日本肝臓学会「NAFLD/NASH診療ガイドライン2020」の情報を踏まえ、日常診療の視点から監修しています。
※症状の状態によって適切な対応は異なります。自己判断せず医療機関へご相談ください。

この記事の監修者

医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科 院長 吉田 悠

医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科

院長 吉田 悠

腎臓病・糖尿病などの慢性疾患から急性期疾患まで幅広く診療し、全身を総合的に診る視点を大切にしています。患者さまに寄り添った丁寧な説明と診療を心がけています。

経歴・所属学会
日本内科学会 総合内科専門医・認定内科医・元指導医
日本腎臓学会 腎臓専門医
日本透析学会 透析専門医
日本糖尿病協会 糖尿病認定医
日本高血圧学会 高血圧専門医
日本医師会 認定産業医
厚生労働省 臨床研修指導医
日本禁煙学会 認定指導者
元東京医科歯科大学(現東京科学大学) 腎臓内科 臨床講師
難病指定医

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