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内臓脂肪減少薬『アライ』について

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健診で内臓脂肪・腹囲を指摘された方・市販の内臓脂肪減少薬が気になる方へ

内臓脂肪減少薬『アライ』とは?効果・副作用・使える人を内科医が解説

日本初の内臓脂肪減少薬『アライ』(主成分オルリスタット)について、効果・副作用・使える人と使えない人・飲み方・購入方法を、糖尿病認定医・総合内科専門医の院長がわかりやすく解説します。

この記事のポイント

  • アライは「内臓脂肪減少薬」であり、肥満症治療薬(ウゴービなど)とは異なる
  • 主成分オルリスタットが食事由来の脂肪の吸収を抑える要指導医薬品
  • 国内の臨床試験で内臓脂肪面積・腹囲の減少が確認されているが、生活習慣の改善が大前提
  • BMI・腹囲・基礎疾患・併用薬などの条件があり、使える人が限られる
  • 副作用は油の漏れ・脂肪便に関連するものが中心
  • BMI25以上では脂肪肝・脂質異常症・高血圧などを合併していることも多く、その場合はまず医療機関の受診を

最近、問い合わせが増えている日本初の内臓脂肪減少薬『アライ』について、内科の視点から解説します。「飲むだけで痩せる薬」というイメージで質問されることが多いのですが、アライはあくまで内臓脂肪を減らすことを目的とした薬で、使える人の条件や注意点があります。ここでは効果・副作用・使える人と使えない人・飲み方までを整理します。

内臓脂肪減少薬『アライ』とは?

アライは、主成分にオルリスタットを用いた、日本で初めて市販された内臓脂肪減少薬です。分類は要指導医薬品で、購入時には薬剤師による対面での確認が必要になります。重要なのは、アライが「内臓脂肪減少薬」であって「肥満症治療薬」ではないという点です。

項目 内容
商品名 アライ(alli)
主成分 オルリスタット
分類 要指導医薬品(購入時に薬剤師の対面確認が必要)
位置づけ 内臓脂肪減少薬(肥満症治療薬ではない)
作用 食事由来の脂肪の吸収を抑える

内臓脂肪減少薬アライ(主成分オルリスタット・要指導医薬品)のパッケージ

👨‍⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと

「ダイエット目的のような感じで聞かれることが多いですが、あくまで内臓脂肪減少薬であり、肥満症治療薬ではないことに注意が必要です。肥満症の治療をお考えの方は、医療機関で扱う肥満症治療薬(ウゴービ・マンジャロなど)とは分けて考える必要があります。」

肥満症治療薬(ウゴービなど)との違い

『肥満症』とは、肥満に起因する健康障害を合併している状態を指し、その治療には医療機関で処方する肥満症治療薬が用いられます。アライは市販の内臓脂肪減少薬であり、これらの処方薬とは目的も対象も異なります。肥満症治療薬については、ウゴービ(セマグルチド)についてマンジャロによる肥満症治療もあわせてご覧ください。

アライの効果——どうやって内臓脂肪が減るのか

作用のしくみ(オルリスタット)

食事に含まれる脂肪(トリグリセリド)は、膵臓から分泌される脂肪分解酵素リパーゼによって脂肪酸とグリセロールに分解され、腸から吸収されます。アライの主成分オルリスタットは、このリパーゼの働きを腸管内で阻害することで、食事由来の脂肪の吸収を抑えます。概ね25%の脂肪吸収を抑え、その分が便として排泄されるとされています。

国内の臨床試験データ

国内の長期投与試験では、内臓脂肪面積の変化率と腹囲の変化量が以下のように報告されています。

投与期間 内臓脂肪面積の変化率 腹囲の変化量
24週 −16.47% −3.59cm
52週 −21.52% −4.73cm

海外の臨床試験では、オルリスタットの使用により、生活習慣の改善単独と比べて体重・腹囲の減少に加え、総コレステロール・LDLコレステロール(悪玉コレステロール)・血圧・空腹時血糖・インスリン血中濃度の改善がみられたとの報告もあります(PubMed: 10730683)。ただし、国内の臨床試験では、こうしたコレステロールや血圧の改善を示すデータは確認されていません。

効果が出始めるまでの目安

効果が出始めるまでの期間は、概ね4週間とされています。

📋 効果についての注意

上記は臨床試験で報告された結果であり、効果には個人差があり、すべての方に同じ効果を保証するものではありません。アライは食事に含まれる脂肪に作用する薬のため、食事・運動など生活習慣の改善と併せて用いることが前提です。

アライは本当に痩せる?「効かない・痩せない」と言われる理由

「アライは効くのか」「痩せないのでは」という疑問はよく聞かれます。アライは食事由来の脂肪の吸収を抑える薬であり、それだけで大きく体重が落ちる薬ではありません。脂肪の少ない食事では効果が出にくく、生活習慣の改善を伴わなければ変化を実感しにくいことがあります。

👨‍⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと

「あくまでこの薬は生活習慣の改善というのが大前提になりますので、アライだけで簡単に痩せようという方には全く不向きであり、また内服の対象にもならないので、まずは生活習慣の改善から取り組むべきだと思います。食生活の改善や運動習慣の徹底が優先されるのではないでしょうか。」

アライの副作用と対策

報告されている副作用は、薬のしくみ上想定される油の漏れや、便を伴う放屁など、脂肪便に関連するものが中心です。具体的には、便が油っぽくなる、おならをすると便が漏れる、気づかないうちに油が漏れる、といったものがあります。

主な副作用 対策
便が油っぽくなる・油の漏れ 脂っこい食べ物を避ける
放屁に伴う便漏れ 便漏れパッドなどの漏れ対策を行う

これらの多くは脂肪の摂取量が多いときに起こりやすいため、脂質を控えめにした食事にすることで軽減が期待できます。気になる症状が続く場合は、購入した薬剤師や医療機関にご相談ください。

アライを使える人・使えない人(適応と適応外)

アライは、肥満症の方が内服するための薬ではないため、使用できる方が限られます。以下に当てはまる場合は適応外とされています。

⚠️ アライが適応外となる主な条件

  • 18歳未満の方
  • 腹囲(臍の高さ)が男性85cm未満・女性90cm未満の方
  • BMI35以上の方
  • 購入の3か月以上前から、食事や運動などの生活習慣の改善に取り組んでいることが必要(取り組んでいない方は対象外)
  • シクロスポリン、抗HIV薬、ワーファリンなどの抗凝固薬を内服している方
  • BMI25以上35未満でも、下記の疾患がある方

アライが適応外となる疾患の一覧(BMI25以上35未満で該当する疾患がある場合は使用できない)

「BMI35以上はなぜ使えないの?」

BMI35以上の高度肥満は、市販薬で対応する範囲ではなく、医療機関で肥満症としての治療・管理を行う対象と位置づけられているため、アライの適応外とされています。この場合は自己判断で市販薬を使うのではなく、まず医療機関を受診してください。

アライの適応になりやすい方の目安

『BMI25以上で、定期的に健康診断を受けており、特に基礎疾患を指摘されておらず、日頃から運動や食事習慣に気を使っている方』が目安になります。当てはまる方は、薬剤師と相談のうえ検討してみてもよいかもしれません。

アライの飲み方・購入方法

アライは要指導医薬品のため、購入時に薬剤師の対面確認が必要です。用法は1日3回、食後とされています。食事に含まれる脂肪分に作用するため、食事中または食後1時間以内の内服が良いとされ、それ以外の時間帯では効果が減弱する可能性があります。また、食事に対して作用する薬のため、食事をとらなかったときは内服する必要はありません

内臓脂肪の背景にある病気との関係(脂肪肝・脂質異常症・高血圧など)

BMI25以上の方では、耐糖能異常・脂質異常症・高血圧・高尿酸血症・脂肪肝などを、軽症であっても合併しているケースが少なくありません。これらの疾患がある場合はアライの適応外となるため、市販薬を検討する前に、まず医療機関を受診して全身を評価することが大切です。

とくに内臓脂肪が多い方は、脂肪肝や脂質異常症を併せ持ちやすいことがわかっています。それぞれの詳しい解説は、脂肪肝の症状・原因・治し方・何科を受診すべきか中性脂肪が高い原因・下げる方法LDLコレステロールとはもあわせてご覧ください。

👨‍⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと

「BMI25以上だと、耐糖能異常や脂質異常、高血圧や高尿酸血症、脂肪肝などを軽症であっても合併しているケースも多くあります。その場合は内服できないため、まずは医療機関受診を優先すべきだと思います。そのような場合でも、すぐに内服となるかどうかは別で、食生活の改善や運動習慣の徹底が優先されるのではないでしょうか。」

アライを検討する前に——当院でできること

アライは生活習慣の改善が大前提の薬です。当院では、管理栄養士による栄養指導を受けることができます(毎月第一火曜日)。食生活や運動習慣の見直しを土台に、内臓脂肪や併存疾患の状態を評価したうえで、必要に応じて医療機関で扱う肥満症治療薬もご相談いただけます。

板橋区・東武練馬で内臓脂肪・肥満が気になる方へ

内臓脂肪・脂肪肝・脂質異常症・血糖までまとめて評価します

当院は東武練馬駅・下赤塚駅から徒歩圏内の内科です。管理栄養士による栄養指導に加え、内分泌代謝科・肥満症外来で全身を評価し、一人ひとりに合った方法をご提案します。

よくある質問

Q. アライはどれくらいで効果が出ますか?

効果が出始めるまでの目安は概ね4週間とされています。ただし効果には個人差があり、食事・運動などの生活習慣の改善と併せて用いることが前提です。

Q. アライは本当に痩せますか?効かないことはありますか?

アライは食事由来の脂肪の吸収を抑える薬で、それだけで大きく体重が落ちる薬ではありません。生活習慣の改善を伴わない場合や脂肪の少ない食事では、効果を実感しにくいことがあります。まずは食事・運動の改善に取り組むことが大切です。

Q. アライの副作用にはどのようなものがありますか?

油の漏れや、便を伴う放屁など、脂肪便に関連するものが中心です。脂っこい食べ物を避ける、便漏れパッドを使うといった対策が有効とされています。症状が続く場合は薬剤師や医療機関にご相談ください。

Q. アライは誰でも購入・使用できますか?

いいえ。18歳未満、腹囲が男性85cm未満・女性90cm未満、BMI35以上、一定の基礎疾患や特定の薬を内服している方などは適応外です。要指導医薬品のため、購入時は薬剤師と相談してください。

Q. BMI35以上だとなぜアライを使えないのですか?

BMI35以上の高度肥満は、市販薬ではなく医療機関で肥満症として治療・管理を行う対象と位置づけられているためです。自己判断で市販薬を使わず、まず医療機関を受診してください。

Q. アライは脂肪肝や脂質異常症にも効きますか?

アライは内臓脂肪減少を目的とした薬であり、脂肪肝や脂質異常症そのものの治療薬ではありません。むしろこれらの疾患がある場合は適応外となることがあります。まず医療機関で全身を評価してもらうことをお勧めします。脂肪肝の解説はこちら

Q. アライと処方薬(ウゴービ・マンジャロ)は何が違いますか?

アライは市販の内臓脂肪減少薬、ウゴービやマンジャロは医療機関で処方される肥満症治療薬で、目的も対象も異なります。肥満症の治療をお考えの場合は医療機関にご相談ください。



まとめ

  • アライは日本初の内臓脂肪減少薬(主成分オルリスタット・要指導医薬品)で、肥満症治療薬とは異なる
  • オルリスタットが食事由来の脂肪の吸収を抑え、国内試験で内臓脂肪面積・腹囲の減少が報告されている
  • 効果には個人差があり、生活習慣の改善が大前提。アライだけで痩せようとする方には不向き
  • 副作用は油の漏れなど脂肪便に関連するものが中心
  • 18歳未満・腹囲基準未満・BMI35以上・一定の疾患や薬がある方などは適応外
  • BMI25以上では脂肪肝・脂質異常症・高血圧などを合併していることも多く、その場合はまず医療機関の受診を

※本記事は要指導医薬品に関する一般的な情報提供を目的としたもので、効果を保証するものではありません。使用にあたっては添付文書を確認し、薬剤師や医療機関にご相談ください。基礎疾患のある方は自己判断で使用しないでください。

【ゆう徳丸内科皮膚科へのアクセス】
板橋区徳丸4丁目にあるゆう徳丸内科皮膚科へは、有楽町線・副都心線『地下鉄赤塚駅』、東武東上線『下赤塚駅』『東武練馬駅』から徒歩圏内です。国際興業バス(下赤03)、りんりんGO(板橋区コミュニティバス)「赤塚第一中学校」バス停目の前であり、駐車場・駐輪場完備、敷地内に薬局完備しており、受診しやすい環境を整えています。練馬区北町にも隣接しており、徒歩圏内です。待合室は広く確保されており、予約システムや自動精算機を導入し待ち時間の短縮に努めております。管理栄養士も勤務しており、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、肥満を始めとした生活習慣病の治療に力を入れております。

この記事の監修者

医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科 院長 吉田 悠

医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科

院長 吉田 悠

腎臓病・糖尿病などの慢性疾患から急性期疾患まで幅広く診療し、全身を総合的に診る視点を大切にしています。患者さまに寄り添った丁寧な説明と診療を心がけています。

経歴・所属学会
日本内科学会 総合内科専門医・認定内科医・元指導医
日本腎臓学会 腎臓専門医
日本透析学会 透析専門医
日本糖尿病協会 糖尿病認定医
日本高血圧学会 高血圧専門医
日本医師会 認定産業医
厚生労働省 臨床研修指導医
日本禁煙学会 認定指導者
元東京医科歯科大学(現東京科学大学) 腎臓内科 臨床講師
難病指定医

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