医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科|
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下痢が続く・便秘と下痢を繰り返す・糖尿病・甲状腺疾患がある方へ
下痢・便秘の原因とは?続く・繰り返す場合に内科医が解説
下痢・便秘の原因(感染症・過敏性腸症候群・糖尿病性下痢・甲状腺・薬剤性)・続く・交互に繰り返す場合の対処法・何科を受診すべきかを総合内科専門医が解説します。
下痢の原因は感染性腸炎だけではなく、過敏性腸症候群・薬剤性・糖尿病に伴う腸の神経障害・甲状腺機能亢進症・炎症性腸疾患など多岐にわたります。便秘と下痢を交互に繰り返す場合は過敏性腸症候群が代表的ですが、血便・体重減少・夜間症状がある場合は器質的疾患の除外が重要です。下痢が1週間以上続く・便秘と下痢を繰り返す・糖尿病や甲状腺疾患があって便通異常が目立つ・薬を飲み始めてから症状が出たという場合は、まず内科で全身状態と背景疾患を含めて評価することが大切です。
この記事のポイント
まずは、下痢の続いている期間からおおまかな原因の目安を整理します。
| 持続期間 | 主な原因 | 特徴の目安 |
|---|---|---|
| 急性(数日〜2週間未満) | 感染性腸炎(ウイルス・細菌)・食中毒 | 発熱・嘔吐・腹痛を伴うことが多い。周囲に同様の症状がある |
| 急性〜亜急性(数日〜) | 薬剤性(抗菌薬・メトホルミン・GLP-1受容体作動薬) | 薬を飲み始めてから症状が出た |
| 慢性(数週間〜数か月以上) | 過敏性腸症候群(IBS) | 腹痛+下痢・便秘・交互。ストレスで悪化。半年以上続き症状に波がある |
| 慢性(数週間以上) | 糖尿病性下痢(自律神経障害) | 食後・夜間に多い。血糖コントロールが悪い方に多い |
| 慢性(数週間以上) | 甲状腺機能亢進症(バセドウ病) | 体重減少・動悸・発汗・手の震えを伴うことが多い |
| 慢性(数週間以上) | 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病) | 血便・粘液便・腹痛。若い世代にも多い |
| 慢性(数週間以上) | 大腸がん | 血便・体重減少・便の細さ。50代以降に注意 |
| 慢性(数週間以上) | 乳糖不耐症・食物不耐性 | 特定の食品摂取後に毎回起こる |
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「下痢症状に関しては、持続している期間が重要です。数日以内で特に血便などなければ感染性の可能性が高く、逆に数週間単位で続く場合・血便を伴う場合・体重減少を伴う場合は、一過性の感染ではなく、潰瘍性大腸炎やクローン病・大腸がんなどを鑑別として考えていきます。また半年以上続き症状に波があるような場合、過敏性腸症候群というストレスなどによる胃腸症状も頻度として多いものになります。」
過敏性腸症候群は、腹痛を伴う下痢・便秘、あるいはその交互が長期間続く状態です。ストレス・睡眠不足・食事内容で悪化しやすく、半年以上続き症状に波があるのが特徴です。胃腸の器質的な異常はなく、腸の動きの乱れが原因とされます。若い世代に多いですが中高年にも起こります。
糖尿病の合併症である自律神経障害が腸管の蠕動運動を乱すことで、慢性的な下痢が起きます。血糖コントロールが悪い期間が続くと神経症状として下痢や便秘症状を頻回に起こすようになります。食後・夜間に多く、水様性下痢が特徴です。
バセドウ病のような甲状腺機能亢進症の状態では腸の動きが速くなり、頻回の軟便・下痢が起こります。体重減少・動悸・発汗・手の震えを伴うことが多く、これらの症状が鑑別の助けになります。甲状腺の治療で下痢が改善します。
糖尿病の治療薬であるメトホルミンやマンジャロをはじめとするGLP-1受容体作動薬は、下痢や便秘などの胃腸症状をよく起こすことで知られています。抗菌薬・マグネシウム製剤でも下痢が起こることがあります。薬を変えてから症状が出た場合は主治医に相談してください。
便秘と下痢が交互に来る「交替型」は過敏性腸症候群(IBS-M)の典型パターンです。ストレス・睡眠・食事内容で症状が変動します。ただし以下のような「アラーム症状」がある場合は、大腸がん・炎症性腸疾患などの器質的疾患を除外するために内視鏡検査が必要になることがあります。
⚠️ アラーム症状——これがある場合は早急に受診
| 病気 | 下痢との関係 | 特に注意すること |
|---|---|---|
| 糖尿病 | 神経障害による腸管運動異常・メトホルミン・GLP-1受容体作動薬の副作用 | 脱水・血糖変動・服薬継続の可否を主治医と確認する |
| 甲状腺機能亢進症 | 甲状腺ホルモン過剰により腸管運動が亢進して下痢になる | 動悸・体重減少・発汗を伴う下痢は甲状腺の評価を |
| 慢性腎臓病(CKD) | 高リン血症治療薬・マグネシウム製剤が原因になることがある | 下痢による脱水がCKD悪化につながる。主治医に相談 |
| 高血圧 | ARB・ACE阻害薬の副作用として下痢が出ることがある | 薬を変えてから下痢が出た場合は主治医に相談 |
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「糖尿病は合併症として神経障害があるため、血糖値のコントロールが悪い期間が続くと神経症状として下痢や便秘症状を頻回に起こすようになります。糖尿病の治療薬としては、メトホルミンやマンジャロをはじめとするGLP-1受容体作動薬などは下痢や便秘などの胃腸症状をよく起こすことで知られています。また甲状腺機能に関してもバセドウ病のような甲状腺機能が亢進している状況だと下痢症状を訴えて来院される方も多いです。ただし甲状腺機能が亢進している場合に下痢症状だけで受診されるケースは少ないため、他の症状(動悸・体重減少・発汗)の有無が鑑別の助けになります。」
受診先に迷う場合は、まず内科または消化器内科に相談するのが基本です。
| 状況 | 受診先の目安 |
|---|---|
| 血便・黒色便・強い腹痛・高熱 | 早急に内科または救急受診 |
| 1週間以上続く下痢・体重減少を伴う | 内科(慢性下痢の評価) |
| 便秘と下痢を繰り返す・腹痛がある | 内科(IBS・器質的疾患の鑑別) |
| 糖尿病があり慢性的な下痢が続く | 内科(糖尿病性腸管神経障害・薬剤性の評価) |
| 薬を飲み始めてから下痢が出た | 内科(薬の変更を相談) |
| 動悸・体重減少・発汗を伴う下痢 | 内科(甲状腺機能亢進症の評価) |
| 大腸カメラが必要と判断された場合 | 消化器内科(当院から紹介状を作成します) |
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「内科または消化器内科を受診しましょう。当院は大腸カメラができる施設ではないため、大腸カメラが必要な状況であればすぐに紹介状を作成しますが、下痢=大腸カメラというわけではないため、まずは大腸カメラの必要の有無を判断します。」
感染性腸炎・食中毒・過敏性腸症候群・糖尿病性下痢・甲状腺機能亢進症・薬剤性(メトホルミン・GLP-1受容体作動薬・抗菌薬)・炎症性腸疾患・大腸がんなど多岐にわたります。数週間以上続く場合や血便・体重減少を伴う場合は早めの内科受診が必要です。
感染後腸炎が遷延している場合もありますが、過敏性腸症候群・炎症性腸疾患・糖尿病性下痢・甲状腺機能亢進症・薬剤性なども考えられます。血便・体重減少・夜間の下痢を伴う場合は早めの内科受診が必要です。
過敏性腸症候群(IBS)の交替型が最も多い原因です。ストレス・食事・睡眠で症状が変動します。糖尿病の神経障害でも腸管の動きが乱れて同様の症状が出ることがあります。血便や体重減少を伴う場合は大腸がんの可能性もあるため早めに受診してください。
はい。糖尿病の合併症である自律神経障害が腸管の蠕動運動を乱し、慢性的な下痢が起きることがあります。またメトホルミンやGLP-1受容体作動薬(マンジャロ・ウゴービ等)の副作用としても下痢が起こることがあります。
まず内科を受診することをお勧めします。血液検査・便検査・腹部エコーなどで原因を評価し、大腸カメラが必要かどうかを判断した上で、必要に応じて消化器内科へ紹介します。
血便や体重減少を伴う下痢・1か月以上症状が続く方は早めの受診が必要です。また便秘もよくある症状ですが、おならも含めてなかなか出ない場合や嘔吐・腹痛を伴う便秘は腸閉塞(イレウス)の可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「血便や体重減少を伴う下痢・1か月以上症状が続く方は早めの受診が必要です。また便秘もよくある症状ではありますが、おならも含めてなかなか出ない場合や嘔吐・腹痛を伴う便秘は腸閉塞(イレウス)の可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。当院ではすぐに腹部レントゲンを撮影できますので、腸閉塞が疑わしければすぐに救急病院へ紹介状を作成します。」
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本記事は日常診療の視点から監修しています。症状の状態によって適切な対応は異なります。自己判断せず医療機関へご相談ください。