医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科|
東武練馬駅・下赤塚駅より徒歩圏内
Blog
健診で血糖値・HbA1cが高めと言われた方・糖尿病予備群と言われた方へ
糖尿病の予防とは?なりやすい人・生活習慣の改善を糖尿病認定医が解説
糖尿病の予防法(食事・運動・生活習慣)・なりやすい人の特徴・予備群(境界型)に気づいたときの対処法を糖尿病認定医がわかりやすく解説します。
健診で「血糖値が高め」「HbA1cが境界型」「糖尿病予備群かもしれない」と言われた段階でも、2型糖尿病は予防または発症の遅延が十分に期待できます。大切なのは、体重の適正化・続けられる食事の調整・定期的な運動を組み合わせ、必要に応じて医療のサポートを受けることです。この記事では、糖尿病認定医の立場から、糖尿病になりやすい人の特徴・予備群(境界型)の意味・具体的な予防法・受診の目安についてわかりやすく解説します。
この記事のポイント
2型糖尿病は、発症前の段階から動脈硬化・脂肪肝・慢性腎臓病・心血管疾患のリスクと関係し、発症してからの期間が長いほど合併症の可能性が高まります。そのため、糖尿病を「発症してから治療する」だけでなく、前段階で見つけて発症を遅らせること自体に大きな意味があります。とくに自覚症状が出にくい病気であるため、健診の数値異常をきっかけに早めに対処することが重要です。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「糖尿病の3大合併症は『し・め・じ』→『神経障害・目(網膜症)・腎臓(透析)』と、頭文字で覚えると記憶に残りやすいと思います。これらに共通して言えることは、まずなかなか症状として出づらく、症状として自覚するときはかなり進行しているということです。そのため、糖尿病は症状が出るまで放っておいていいものではなく、症状が出ていないうちから合併症を起こしているため、その時点で治療介入が必要です。網膜症に関しては年1回以上眼科に通院していただくことが重要です。腎臓は、現在ケレンディア®という糖尿病性腎症に対して有効な治療薬も開発されており、当院では合併症予防のため積極的に導入しています。」
2型糖尿病には、生活習慣と体質の両方が関わります。以下のような方は発症リスクが高いため、予防を意識することが大切です。
| リスク因子 | 具体的な内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 肥満・内臓脂肪型肥満 | BMI25以上、腹囲が男性85cm・女性90cm以上 | 内臓脂肪はインスリンの効きを悪くする |
| 運動不足 | 座っている時間が長い・運動習慣がない | 筋肉量が減るとブドウ糖の消費が低下する |
| 不規則な食事・過食 | 朝食抜き・夜遅い食事・早食い・大盛り | 血糖値の急上昇とインスリン過剰分泌を繰り返す |
| 家族歴・遺伝的要因 | 親や兄弟に2型糖尿病の方がいる | 日本人は欧米人よりインスリン分泌能が低い傾向 |
| 睡眠不足・ストレス | 睡眠6時間未満・夜勤・慢性的なストレス | 血糖を上げるホルモンが増え代謝が悪化する |
| 妊娠糖尿病の既往 | 妊娠中に血糖が高くなったことがある | 産後も将来の2型糖尿病リスクが高い |
糖尿病予備群(境界型)とは、血糖値が正常より高い一方で、糖尿病の診断基準までは満たさない状態を指します。健診では「空腹時血糖が高め」「HbA1cがやや高い」と説明されることが多く、放置すると糖尿病へ進行しやすいため、定期的な評価と生活習慣の見直しが重要です。
| 区分 | HbA1c | 空腹時血糖 | 対応 |
|---|---|---|---|
| 正常型 | 5.5%以下の目安 | 110mg/dL未満 | 現状維持・年1回の健診 |
| 境界型(糖尿病予備群) | 5.6〜6.4% | 110〜125mg/dL | 生活習慣改善・内科受診を推奨 |
| 糖尿病型 | 6.5%以上 | 126mg/dL以上 | 内科受診・治療開始 |
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「境界型糖尿病というのは、確かにまだ糖尿病の診断にはなっていない患者さんのことです。しかし、血糖値が高くなり始めているのは確かであり、今後同じ生活をしていると糖尿病へと進行していく可能性が高いです。糖尿病や糖尿病予備軍の患者さんによく伝えるのは、糖尿病はその他の生活習慣病(高血圧や脂質異常症など)に比べて、食生活や運動習慣での改善で数値の改善を見込みやすい病気だということです。そのため、その時点からカロリー制限や有酸素運動を行っていくと数値は改善することが多いですね。まずは間食や大盛りを控えること、週2回以上・1回30分以上の有酸素運動から推奨しています。」
食事は極端な制限より「続けられる改善」を優先することが大切です。野菜・たんぱく質を先に食べてから主食をとる「ベジファースト」、白米を玄米や雑穀米に変える、ゆっくりよく噛んで食べるといった工夫で、血糖値の急上昇を抑えられます。
清涼飲料水・加糖コーヒー・ジュースは血糖値を急激に上げるため、水や無糖飲料への切り替えが効果的です。また、夜食やだらだら食べ、主食の大盛り、揚げ物の摂り過ぎを見直すことで、総摂取エネルギーを下げられます。
野菜(特に葉物・きのこ・海藻)・大豆製品・青魚・食物繊維の多い食品を積極的に取り入れましょう。食物繊維は血糖値の急上昇を抑える効果があります。外食では「大盛りを避ける」「揚げ物が続かないようにする」など、再現しやすいルールを決めると続けやすくなります。
運動は血糖改善だけでなく、体重管理・血圧・脂質・睡眠の質の改善にも役立ちます。中等度の有酸素運動を週150分(1日30分を週5日が目安)、筋力トレーニングを週2回程度行うことが勧められています。
| 運動の種類 | 具体例 | 効果・目安 |
|---|---|---|
| 有酸素運動 | ウォーキング・水泳・自転車 | インスリンの効きを改善。週150分以上 |
| 筋力トレーニング | スクワット・腕立て伏せ | 筋肉量を増やしブドウ糖消費をUP。週2〜3回 |
| 日常での工夫 | 階段を使う・食後に10分歩く | 食後30分以内の軽い運動が血糖上昇を抑える |
まずは「今より10〜15分多く歩く」など、始めやすい形からで十分です。継続できることが何より大切です。
次のような方は、糖尿病予防を意識して早めに医療機関で相談することが勧められます。
⚠️ こんな方は早めに内科へ相談を
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「当院では血糖値やHbA1cの迅速検査を施行できるため、当日院内で5〜10分で結果をお伝えすることができます。その他の合併症の検査は翌日以降になる結果もありますが、血糖値に関しては当日お伝えできるのは非常にメリットと考えています。予備軍の場合は、保険適応の兼ね合いもあり、3か月〜半年おきの血液検査を推奨しています。また、予備軍は糖尿病の病名はまだつかないため、投薬の対象にもなりません。そのため、食事療法や運動療法が治療のメインとなります。」
はい、2型糖尿病は生活習慣の改善で発症リスクを大きく下げることができます。適度な運動・バランスの良い食事・適正体重の維持・禁煙が基本です。特に糖尿病予備群(境界型)の段階で対処することが最も効果的です。
肥満(BMI25以上)・内臓脂肪型肥満・運動不足・不規則な食事・家族歴・睡眠不足・慢性的なストレスが主なリスク因子です。日本人はインスリン分泌能が欧米人より低い傾向があり、軽度の体重増加でも糖尿病リスクが高まりやすいとされています。
必ずしもすぐ薬が必要とは限りません。予備群(境界型)はまだ糖尿病の診断ではないため、まずは食事療法・運動療法が治療のメインになります。体重・食事・運動・睡眠を見直し、数値の推移に応じて方針を決めていきます。
野菜から先に食べる(ベジファースト)・白米より玄米や雑穀米を選ぶ・清涼飲料水を控える・ゆっくりよく噛んで食べることが基本です。食物繊維が多い野菜・きのこ・海藻・大豆製品・青魚を積極的に取り入れましょう。
内科または糖尿病内科を受診してください。症状がなくても、HbA1c5.6%以上・空腹時血糖110mg/dL以上は早めの評価が必要です。境界型の段階での介入が最も効果的です。
ゆう徳丸内科皮膚科では、健診異常の再評価から、予備群・糖尿病の早期診断、生活習慣の具体的な見直し、必要に応じた治療導入まで一貫して対応します。糖尿病予防では「何を食べてはいけないか」を一方的に伝えるのではなく、仕事や家庭の生活パターンに合わせて、続けられる改善策を一緒に整理することを大切にしています。
関連記事・診療ページ
本記事は日常診療の視点から監修しています。症状や数値の状況によって適切な対応は異なります。自己判断せず医療機関へご相談ください。