医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科|
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健診で尿潜血・血尿を指摘された方・尿が赤い/コーラ色で不安な方へ
血尿・尿潜血の原因とは?心配いらない血尿と危険な血尿を腎臓内科医が解説
血尿・尿潜血の原因、心配いらない血尿と危険な血尿の見分け方、女性・男性・高齢者で異なる原因、何科を受診すべきかを、腎臓専門医・総合内科専門医の院長が解説します。
尿が赤く見える「肉眼的血尿」と、見た目は正常でも検尿で見つかる「顕微鏡的血尿(尿潜血陽性を含む)」は、原因も受診先も同じではありません。とくに、痛みのない肉眼的血尿は尿路の悪性腫瘍を含む重要な病気のサインになることがあるため、自己判断で様子を見ずに受診が必要です。
女性では膀胱炎や月経血の混入が比較的多い一方、尿蛋白を伴う血尿・コーラ色の尿・むくみや腎機能低下を伴う場合は腎臓由来の病気を考えます。健診で毎年「尿潜血陽性」と言われる場合も、良性のことはありますが、蛋白尿や腎機能低下の有無、年齢や喫煙歴などを踏まえて評価することが大切です。
この記事のポイント
血尿は、尿の中に赤血球が混じった状態です。日本の血尿診断ガイドライン2023では、肉眼的血尿は尿が鮮紅色から暗赤褐色を呈する状態、顕微鏡的血尿は尿沈渣で赤血球5個/HPF以上(または無遠心尿で20個/µL以上)と定義されています。
一方で、健診の試験紙法で「尿潜血陽性」と出ても、まずは尿沈渣で本当に赤血球があるかを確認することが重要です。試験紙法はスクリーニングには有用ですが、試験紙間で感度差があり、アスコルビン酸(ビタミンC)などの影響で偽陰性も起こりえます。
無症候性血尿は珍しくなく、症状がなくても健診で偶然見つかることがあります。ただし、無症状だから安全とは言い切れず、蛋白尿・腎機能低下・肉眼的血尿の既往・喫煙歴などがあれば精査の必要性が高まります。
血尿は「一度だけだから大丈夫」とは言い切れません。原因が一時的なこともありますが、痛みのない肉眼的血尿・繰り返す血尿・高齢者の血尿・喫煙歴がある人の血尿では、尿路悪性腫瘍を含めた精査が勧められます。
尿の色だけで診断はできませんが、出血部位を考える手がかりにはなります。ガイドラインでは、コーラ色の褐色尿は早期に腎臓内科受診が勧められる所見の一つとされています。
| 尿の見え方 | 考えやすい背景 | 受診の考え方 |
|---|---|---|
| 鮮紅色・ピンク色 | 下部尿路由来のことがある(膀胱・尿道・前立腺など) | 肉眼的血尿なら早めに受診 |
| コーラ色・紅茶色 | 糸球体性血尿を含む腎臓由来を示唆 | 腎臓内科での評価を検討 |
| 血の塊が混じる | 尿路由来の出血を疑う | 泌尿器科での精査を急ぐ |
⚠️ 次のような血尿は放置せず受診を
コーラ色・蛋白尿・腎機能低下を伴う場合は早期の腎臓内科受診が、それ以外の肉眼的血尿では泌尿器科受診が勧められます。とくに無痛性の肉眼的血尿は「痛くないから軽い」と考えず、見逃さないことが重要です。
運動後・発熱時・月経の混入・尿路感染の前後などでは、一過性に血尿が出ることがあります。ただし、原因が明らかでない血尿や、再検査しても続く血尿は評価が必要で、ガイドラインでも良性要因が疑われる場合は適切な時期をおいて再検査することが勧められています。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「肉眼的血尿が出ていたら、すぐに受診をしたほうが良いのはまちがいありません。膀胱炎のことも多いですが、膀胱炎を放置しておくと腎盂腎炎という重篤な感染症へつながる可能性があり、適切な治療が必要です。しかし、例えば膀胱癌のような疾患は早期のうちは肉眼的血尿を認めないことも多く、健診で尿潜血のみでひっかかるというケースもよく見られます。尿潜血が陽性であった場合は、一度精査をすることをおすすめします。」
血尿の原因は大きく、腎臓由来の「糸球体性血尿」と、尿管・膀胱・前立腺・尿道など尿路由来の「非糸球体性血尿」に分けて考えます。この区別は、腎臓内科を受診すべきか、泌尿器科を受診すべきかを考えるうえで非常に重要です。
| 主な原因 | 例 | 特徴の目安 |
|---|---|---|
| 腎臓由来(糸球体性) | IgA腎症、各種糸球体腎炎、菲薄基底膜病など | 蛋白尿・変形赤血球・赤血球円柱・コーラ色尿・むくみ・腎機能低下 |
| 尿路由来(非糸球体性) | 膀胱炎、尿路結石、膀胱がん、腎盂尿管がん、腎がん、前立腺肥大・前立腺がんなど | 排尿痛・頻尿・側腹部痛・血の塊・均一な赤血球・無痛性の肉眼的血尿 |
| 一時的・混入 | 激しい運動、月経血の混入、外傷、直近の泌尿器科処置など | 原因の整理と再検査が重要 |
女性では膀胱炎や月経血の混入が比較的多く、採尿方法が不適切だと混入(コンタミネーション)で血尿と判定されやすいことが知られています。ガイドラインでも、女性は月経時の採尿を原則避け、中間尿での採取が推奨されています。
男性では前立腺肥大症や前立腺疾患、さらに高齢になるほど尿路悪性腫瘍の可能性が上がります。ガイドラインでは、顕微鏡的血尿から尿路悪性腫瘍が見つかる頻度は0.2〜5.2%とされ、年齢・性別・喫煙歴・赤血球数・肉眼的血尿の既往がリスク因子として挙げられています。
「ストレスが原因で血尿が出た」と単純には言えません。実際には感染・結石・糸球体疾患・腫瘍・月経血の混入などをまず除外すべきで、血尿がある場合は背景の病気の有無を確認することが優先です。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「腎臓が原因の場合は、尿蛋白が陽性であったり、変形赤血球や顆粒円柱など、通常は認められない尿所見であることが多いです。そのような場合は腎臓由来の可能性が高く、それ以外の場合は尿路由来の可能性が高いと考えます。もちろんそれだけで決まるわけではありませんので、一度精査をすることを推奨します。」
女性の血尿でまず多いのは、膀胱炎と月経血の混入です。膀胱炎では、頻尿・排尿時痛・残尿感に血尿を伴うことがあり、発熱や背部痛があれば腎盂腎炎まで進んでいないか注意が必要です。
一方で、生理中やその前後は尿への血液混入で偽の血尿に見えることがあります。正確に判断するためには、月経時を避けて中間尿で再検査することが勧められます。
症状が膀胱炎らしくても、血尿を繰り返す・抗菌薬治療後も続く・痛みのない肉眼的血尿がある場合は、膀胱炎だけでなく結石や腫瘍なども考えて追加の評価が必要です。
健診で繰り返し指摘されるのは、無症候性の顕微鏡的血尿であることが少なくありません。顕微鏡的血尿単独の一部は長期経過で自然に消失する一方、蛋白尿が加わる場合や糸球体疾患が隠れている場合もあるため、放置よりも「評価して経過をみる」姿勢が大切です。
ガイドラインでは、顕微鏡的血尿を確認したら、血清クレアチニン・蛋白尿・尿沈渣での赤血球形態や円柱の有無を確認し、糸球体性血尿か非糸球体性血尿かを考えます。変形赤血球・赤血球円柱・蛋白尿・腎機能低下があれば腎臓内科への紹介が勧められます。
また海外のガイドライン(AUA/SUFU 2025改訂)では、微小血尿を年齢・喫煙歴・尿中赤血球数・肉眼的血尿の既往などで低・中・高リスクに層別化し、低リスクでは6か月以内の再検査、中リスクでは膀胱鏡と腎・膀胱超音波、高リスクでは膀胱鏡と上部尿路の画像評価を推奨しています。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「尿潜血は、放っておいても問題ない尿潜血も存在します。代表的なものは基底膜菲薄化病というもので、病的意義は特にない尿潜血です。ただし、尿潜血の中には、進行して腎不全・透析となってしまう可能性のあるIgA腎症や、早期の膀胱癌のこともあります。一度腎臓専門医にかかり、問題ないか確認してもらうことが重要です。」
血尿の受診先は、腎臓由来が疑わしいか、尿路由来が疑わしいかで分けて考えます。迷う場合はまず内科で相談し、必要に応じて腎臓内科または泌尿器科へ振り分けるのが実際的です。
| 血尿のタイプ | 考えやすい病態 | 受診先の目安 |
|---|---|---|
| 尿蛋白を伴う・コーラ色・むくみ・腎機能低下 | 糸球体性血尿、腎炎・腎症 | 腎臓内科 |
| 痛みのない肉眼的血尿 | 膀胱がんなど尿路悪性腫瘍を含め評価 | 泌尿器科 |
| 排尿時痛・頻尿を伴う | 膀胱炎など感染症 | 内科または泌尿器科 |
| 側腹部痛・背部痛を伴う | 尿路結石など | 泌尿器科 |
| 健診で尿潜血のみ・症状なし | 顕微鏡的血尿の評価が必要 | 内科で初期評価後、必要に応じ専門科 |
初期評価では、尿沈渣・尿蛋白・血清クレアチニン・腹部超音波などが役立ちます。泌尿器科では必要に応じて膀胱鏡・尿細胞診・CT urography などが、腎臓内科では尿蛋白定量・免疫学的検査・画像検査、必要時に腎生検が検討されます。
月経血の混入・激しい運動後・感染後などで一過性にみられることはありますが、見た目や「一回だけ」という情報だけで「心配いらない」と断定はできません。原因がはっきりしない場合や、再び出る場合は受診して確認することが大切です。
膀胱炎・尿路結石・糸球体腎炎・IgA腎症・膀胱がん・腎がん・前立腺疾患・運動後・月経血混入など多岐にわたります。まずは腎臓由来か尿路由来かに分けて整理すると理解しやすくなります。
女性では膀胱炎と月経血の混入が比較的多いです。ただし、肉眼的血尿や繰り返す血尿では、それ以外の病気も除外する必要があります。
ストレスだけを直接の原因と決めつけるのは適切ではありません。血尿がある場合は、感染症・結石・腎炎・腫瘍などの除外を優先します。
必要になることがあります。とくに肉眼的血尿・原因不明・再発・喫煙歴や高齢などのリスクがある場合は評価が勧められます。
無症候性顕微鏡的血尿として経過観察されることもありますが、蛋白尿・腎機能低下・肉眼的血尿の既往・年齢や喫煙歴によって対応が変わります。尿沈渣・尿蛋白・腎機能を確認したうえで、必要時に腎臓内科や泌尿器科へつなぐのが基本です。
尿蛋白を伴う・コーラ色・むくみ・腎機能低下があれば腎臓内科、痛みのない肉眼的血尿や結石・膀胱炎・前立腺が疑わしければ泌尿器科が目安です。迷うときは内科で初期評価を受けると整理しやすくなります。
色だけで確定診断はできませんが、鮮紅色は下部尿路、コーラ色は糸球体性血尿の手がかりになることがあります。ただし、最終的には尿検査や画像検査などを組み合わせて判断します。
⚠️ 次のような場合は早めに受診を
板橋区・東武練馬で血尿・尿潜血を指摘された方へ
腎臓由来か尿路由来かを見極め、適切な受診につなげます
当院は腎臓専門医が在籍する内科です。血尿・尿潜血について、尿沈渣・尿蛋白・腎機能などで初期評価を行い、腎臓由来か尿路由来かを意識しながら、必要に応じて腎臓内科的な精査や泌尿器科への紹介につなげます。健診で尿潜血を指摘された方もお気軽にご相談ください。
※本記事は、日本腎臓学会・日本泌尿器科学会「血尿診断ガイドライン2023」等を踏まえ、一般的な情報提供を目的に監修しています。症状や検査所見によって適切な対応は異なります。自己判断せず医療機関へご相談ください。