医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科|
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頭痛薬を飲んでも片頭痛がくり返す方へ
エムガルティの効果と費用は?副作用・打てる条件を内科医が解説
片頭痛の予防注射エムガルティについて、効果・費用・副作用・自己注射の可否、そして「誰が打てるのか」「どの医療機関で打てるのか」まで、総合内科専門医の院長が解説します。
この記事のポイント
「鎮痛薬を飲んでも片頭痛がくり返す」「月に何日も寝込んでしまう」——そうした方に対して、発作そのものを減らすことを目的に用いられるのが、片頭痛の予防注射エムガルティ(一般名:ガルカネズマブ)です。「エムガルディ」という表記で探される方もいらっしゃいます。
この記事では、エムガルティの効果・費用・副作用に加えて、多くの方が見落としがちな「誰でも・どの医療機関でも使えるわけではない」という点について、当院の実際の診療をもとに解説します。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「今、片頭痛がなぜ起こるか、確定的なことはわかっていませんが、以前から、血管説、神経説、そして三叉神経血管説というものが原因と言われていました。現在では、三叉神経血管説というものが有力視されています。これは、セロトニンとその受容体、三叉神経終末から出されるcalcitonin gene-related peptide(CGRP)が発作の痛みに関与している可能性が高いと言われています。」
CGRPには、血管の拡張作用や炎症メディエーターの産生・分泌促進作用、疼痛伝達亢進作用があるとされています。エムガルティは、このCGRPというものを阻害する薬剤です。CGRPの働きを抑えることで、片頭痛の発作が起こりにくくなることが期待されます。
市販の鎮痛薬やトリプタン系薬剤は、すでに起きている発作の痛みを抑える薬です。一方でエムガルティは、発作そのものの回数を減らすことを目的とした予防薬であり、役割が異なります。
「痛くなったらすぐ効く薬」ではないため、飲み薬の代わりに使うものではありません。急性期の痛みには従来どおり鎮痛薬やトリプタンを使いながら、発作の回数自体を減らしていくという位置づけになります。
エムガルティは、どの患者様でも、どの医療機関でも使用できるものではありません。ここが他の頭痛薬と大きく異なる点です。条件を整理しておきます。
①の「十分な予防療法」というのは、抗てんかん薬、β遮断薬、カルシウム拮抗薬、抗うつ薬、漢方薬などが代表的なものになります。代表的な薬としては、ミグシス、デパケン、呉茱萸湯、五苓散、イミグランなどがあります。使用したことがある方も多いのではないでしょうか。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「かなりたくさんの種類がありますが、片頭痛が起こる機序がまだ明確でないこともあり、自分に合う予防薬を見つけることが大切となります。ただし、副作用が強く出る薬もあるため、慎重に使用しながらになるため、最低2か月程度は経過を見ながらその予防薬が適しているかどうか、を見極めていくことになります。」
条件①にある「十分な予防治療」がどの程度を指すのか、判断に迷われる方が多い部分です。当院では、次のような目安でご提案しています。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「ミグシスやデパケンなどの片頭痛薬を常用しても週1回以上片頭痛発作を起こす方に、エムガルティを推奨しております。」
「週1回以上」は、1か月あたりでは4日以上にあたり、上記の適応条件②とも重なります。予防薬をきちんと続けているのに、それでも週に1回以上発作が出てしまう——という状態が、エムガルティを検討する一つの目安になります。
エムガルティは、患者様の条件だけでなく、処方する医師にも条件が定められています。
💉 当院でエムガルティを投与できる理由
当院の院長は日本内科学会 総合内科専門医であり、上記②の条件に該当します。当院はもちろん条件を満たしているため、当院ではエムガルティを投与することが可能となっております。
「近くのクリニックで相談したら扱っていないと言われた」という方がいらっしゃるのは、こうした要件があるためです。エムガルティを検討される際は、その医療機関で投与が可能かどうかを事前にご確認ください。
国内の臨床試験(CGAN試験)では、エムガルティを使用した場合の片頭痛日数の変化が報告されています(いずれも6か月平均値)。
| 効果の程度 | 該当する患者様の割合 |
|---|---|
| 片頭痛日数が50%以上減った | 約50% |
| 片頭痛日数が75%以上減った | 約25% |
| 頭痛が0になった | 9% |
| 効果がみられなかった | 10〜20%程度 |
エムガルティは効果発現が早いのも特徴の一つとされており、注射を始めて1か月後に片頭痛日数が半減する患者様もいらっしゃいます。
一方で、効果がみられない患者様も10〜20%ほどいると言われており、その点は留意すべきと考えます。すべての方に同じように効く薬ではありませんので、事前に「どのくらい改善したら継続するか」を一緒に決めたうえで開始することが大切です。
エムガルティは健康保険が適用されます。3割負担で1本あたり約12,700円程度です。このほかに、診察料や注射料が別途発生いたします。
エムガルティは初回のみ2本を投与します。そのため、開始月と2か月目以降とで、自己負担額が変わります。
| 時期 | 本数 | 薬剤費の目安(3割負担) |
|---|---|---|
| 初回 | 2本 | 約25,400円程度 |
| 2か月目以降(1か月ごと) | 1本 | 約12,700円程度 |
※上記は薬剤費の目安であり、診察料・注射料は含みません。薬価改定により変動する場合があります。実際の費用は受診時にご確認ください。
板橋区・練馬区で片頭痛の予防治療をお考えの方へ
「予防薬を飲んでいるのに、週1回以上発作が出る」という方は、エムガルティの適応となる可能性があります。当院は処方医の条件を満たしており、投与が可能です。まずはご相談ください。
初回に2本投与し、2か月目から1か月間隔で1本ずつ皮下注射で投与していきます。
エムガルティは自己注射が認められている薬剤です。毎月かならず通院しなければならない、というわけではありません。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「自己注射が認められている薬剤のため、概ね初回のみ当院で練習を兼ねて注射を行い、2回目以降はご自宅で行っていただくことになります。」
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「針なので痛みを感じる場合はありますが、注射針とは違うため、痛みの程度としてはごく軽度であり、ご相談を受けたりすることはありません。」
よく認められる副作用は、注射した部位の痛み、発赤、かゆみ、内出血、腫れなどですが、多くの場合数日以内に消失します。その他の副作用としては、皮膚のかゆみ、蕁麻疹、発疹などが報告されています。
インターネット上では、体重増加を心配される声を見かけることがあります。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「太るというご相談は、これまで受けたことがありません。」
体重の変化が気になる場合は、検索で得た情報だけで自己判断せず、受診の際にご相談ください。
⚠️ 体調に異変があれば速やかに医療機関へ
どの薬剤でも同様ですが、重篤なアレルギー発作が起こる可能性がありますので、体調に異変があれば速やかな医療機関受診をお願い致します。
3か月使用した時点で効果が認められなければ、投薬中止を検討します。だらだらと続ける薬ではなく、効果があるかどうかを一度きちんと見極めるという考え方です。
何か月まで続けるか明確な決まりはありませんが、国内臨床試験では最大18か月まで投与をしております。中止の時期については、発作の状況を見ながら主治医とご相談ください。自己判断での中止はお控えください。
妊婦の方への投与は、投与するメリットがデメリットを上回る可能性があるときのみ、投与できます。妊娠中・妊娠を希望されている方は、必ず事前にお申し出ください。
小児患者への投与は臨床試験が行われていないため、当院では投与はできません。
健康保険が適用され、3割負担で1本あたり約12,700円程度です。初回のみ2本投与するため、開始月は約25,400円程度が目安となります。このほかに診察料・注射料が別途かかります。薬価改定により変動する場合がありますので、実際の費用は受診時にご確認ください。
いいえ。患者様側の条件(予防治療を行っても月複数回の発作がある、片頭痛日数が30日あたり4日以上など)に加え、処方する医師にも条件が定められています。当院の院長は日本内科学会 総合内科専門医であり条件を満たしているため、当院では投与が可能です。
はい。効果がみられない患者様も10〜20%ほどいると言われています。国内臨床試験では、片頭痛日数が50%以上減った方が約50%、75%以上減った方が約25%、頭痛が0になった方が9%と報告されています。3か月使用した時点で効果が認められなければ、中止を検討します。
はい、自己注射が認められている薬剤です。当院では概ね初回のみ院内で練習を兼ねて注射を行い、2回目以降はご自宅で投与いただいています。
3か月使用した時点で効果を判定し、認められなければ中止を検討します。何か月まで続けるか明確な決まりはありませんが、国内臨床試験では最大18か月まで投与されています。中止の判断は自己判断ではなく、発作の状況を見ながら主治医とご相談ください。
当院では、これまで体重増加に関するご相談を受けたことはありません。体重の変化が気になる場合は、検索で得た情報だけで判断せず、受診時にご相談ください。
エムガルティは、打てる医療機関が限られる薬です。当院は処方医の条件を満たしており、投与が可能です。頭痛の背景に高血圧などが隠れていないかも含めて、総合内科の視点で評価いたします。
当院だからできる、片頭痛の予防治療
片頭痛でお困りの際は、ぜひ当院をご受診ください
板橋区徳丸4丁目にあるゆう徳丸内科皮膚科へは、有楽町線・副都心線『地下鉄赤塚駅』、東武東上線『下赤塚駅』『東武練馬駅』から徒歩圏内です。国際興業バス(下赤03)、りんりんGO(板橋区コミュニティバス)「赤塚第一中学校」バス停目の前であり、駐車場・駐輪場完備、敷地内に薬局完備しており、受診しやすい環境を整えています。待合室は広く確保されており、予約システムを導入していることで待ち時間の短縮に努めております。
受診の際は、頭痛の頻度・これまで使ったお薬・市販薬の使用回数をお伝えいただくと、ご相談がスムーズです。
※本記事は日常診療の視点から監修しています。症状や状況によって適切な対応は異なります。費用は薬価改定により変動する場合があります。自己判断で治療を中止せず、継続する頭痛は医療機関でご相談ください。