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LDLコレステロール(悪玉コレステロール)とは?基準値・高い原因・下げる食事を総合内科専門医が解説|
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LDLコレステロール(悪玉コレステロール)とは?基準値・高い原因・下げる食事を総合内科専門医が解説

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健診でLDLコレステロールを指摘された方・脂質異常症が気になる方へ

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)とは?基準値・高い原因・下げる食事を内科医が解説

LDLコレステロールの基準値・リスク別管理目標・高い原因・食べ物ランキング・スタチンの正しい知識まで、腎臓内科・総合内科専門医の院長がわかりやすく解説します。

この記事のポイント

  • LDLコレステロールは肝臓でも産生される(約70〜80%)ため、食事・運動だけで確実に下がるとは言えない
  • 治療目標は一律ではなく低・中・高リスク・二次予防でそれぞれ異なる(数値だけで自己判断しない)
  • 閉経後の女性はエストロゲン減少でLDLが上がりやすい。放置してよい理由にはならない
  • 未治療時LDL 180mg/dL以上では家族性高コレステロール血症(FH)の可能性にも注意
  • スタチンは下げすぎて悪影響が出る薬ではない。副作用が多い薬でもない

健康診断で「LDLコレステロールが高いですね」と言われて、不安になっていませんか。LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)は、増えすぎると血管の壁にたまり、動脈硬化を進める重要な因子です。

「食事を変えれば下がるのか」「薬を飲んだほうがいいのか」「閉経後に急に上がったのはなぜか」——こうした疑問を持つ方は少なくありません。この記事では、日本動脈硬化学会『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版』をもとに、腎臓内科・総合内科専門医の院長がLDLコレステロールの基準値・原因・下げる方法を丁寧に解説します。

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)とは?

LDLは low-density lipoprotein の略で、肝臓で作られたコレステロールを血液に乗せて全身へ運ぶ粒子です。コレステロール自体は細胞膜・胆汁酸・ステロイドホルモンなどの材料になるため、体にとって必要な物質です。

一方で、LDLが多すぎると血管壁の内側に入り込み、炎症や酸化を経てプラーク(脂のかたまり)を作りやすくなります。これが動脈硬化の土台になり、心筋梗塞や脳梗塞の原因になります。

LDLとHDL(善玉コレステロール)の違い

HDLは余分なコレステロールを肝臓へ戻す方向に働くため「善玉」と呼ばれ、LDLは血管壁に蓄積しやすいので「悪玉」と呼ばれます。LDLが高くHDLが低い状態は特に動脈硬化リスクが高まります。LH比(LDL÷HDL)が2.5を超えると動脈硬化リスクの目安として臨床的に注目されます。

コレステロールはどこから来るか

体内のコレステロールの多くは肝臓で合成されます(約70〜80%)。そのため、食事に気をつけていても体質・ホルモン変化・他の病気の影響でLDLが高くなることがあります。

👨‍⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと

「コレステロールは肝臓でも産生されるため、食事や運動だけで確実に下がるとは言えません。改善しても数値が下がらない場合は体質や他の原因が関係していることが多く、薬での治療も重要な選択肢です。」

LDLコレステロールの基準値

脂質異常症の診断基準として、LDLコレステロール140mg/dL以上は「高LDLコレステロール血症」、120〜139mg/dLは「境界域高LDLコレステロール血症」とされます。治療目標は一律ではなく、糖尿病・慢性腎臓病・喫煙・高血圧など他のリスク因子や既往歴によって異なります。

区分 LDLコレステロールの目安 意味・対応
望ましい範囲 120mg/dL未満 健診でまず目安にしたい範囲
境界域 120〜139mg/dL 他のリスク因子も含めて評価
高LDLコレステロール血症 140mg/dL以上 生活習慣の見直し・受診を検討
FHも疑う高値 180mg/dL以上(未治療時) 家族性高コレステロール血症の可能性あり

さらに、2022年版ガイドラインではリスク区分別の管理目標値が示されています。

管理区分 LDL-C目標 non-HDL-C目標 ポイント
低リスク(一次予防) 160mg/dL未満 190mg/dL未満 まず生活習慣改善
中リスク(一次予防) 140mg/dL未満 170mg/dL未満 必要に応じて薬物療法を検討
高リスク(一次予防) 120mg/dL未満 150mg/dL未満 糖尿病・CKDなどではより厳格
二次予防(冠動脈疾患既往) 100mg/dL未満
(条件により55mg/dL未満)
130mg/dL未満
(条件により100mg/dL未満)
生活習慣+薬物療法を考慮

2025年に発表された研究では、狭心症・心筋梗塞を起こした患者において、LDLを早期かつ強力に55mg/dL未満まで下げることで、1年後の心血管イベント再発率が大幅に低下することが示されました。二次予防ではLDLをできる限り低く保つことが重要です。

閉経後の女性でLDLが上がりやすい理由

女性では閉経後にLDLコレステロールが上がることがよくあります。エストロゲン(女性ホルモン)が低下すると肝臓でのLDL受容体の働きや脂質代謝のバランスが変わり、LDLが増えやすくなるためです。

👨‍⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと

「閉経後にLDLが上がるのは事実ですが、だからといって放置していいわけではありません。体質による個人差も大きいため、数値の経過を内科で定期的に確認することをお勧めします。」

LDLコレステロールが高い原因

① 食事性因子

飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の多い食事は、LDLコレステロール上昇の代表的な要因です。脂身の多い肉・バター・生クリーム・揚げ物・菓子パン・スナック菓子などを頻繁にとる習慣が影響します。

② 家族性高コレステロール血症(FH)

未治療時のLDLコレステロールが180mg/dL以上と高く、腱黄色腫(手背・肘・膝・アキレス腱の肥厚)や家族に早発性冠動脈疾患がある場合は、家族性高コレステロール血症(FH)が疑われます。FHは体質の問題で、食事だけでは十分にコントロールできないことが多く、早期の診断と薬物療法が重要です。

⚠️ FH(家族性高コレステロール血症)に注意

未治療時LDL 180mg/dL以上 + 腱黄色腫 or 家族に早発性心疾患がある場合はFHの可能性あり。生活習慣改善だけでは不十分なことが多いため、早めに内科を受診してください。

③ 二次性高脂血症(他の病気が原因)

LDL高値の背景に、甲状腺機能低下症・慢性腎臓病・ネフローゼ症候群・糖尿病・薬剤性(ステロイド・一部の降圧薬など)が隠れていることがあります。そのため初診では脂質だけでなく、血糖・腎機能・甲状腺機能・内服薬の確認も行います。

④ 運動不足・肥満

LDLは中性脂肪ほど生活習慣に即座に反応しませんが、運動不足や体重増加・内臓脂肪の蓄積は脂質代謝全体を悪化させます。LDL高値に加えて中性脂肪高値・HDL低値を伴う場合は、生活習慣病の背景が強いと考えられます。

高LDLコレステロールが引き起こすリスク

LDLコレステロールが高い状態では、血管壁にコレステロールがたまりプラークが形成されやすくなります。プラークが破れると血栓ができ、心筋梗塞・狭心症・脳梗塞などを発症します。

症状がなくても動脈硬化は進む

この病態がやっかいなのは、かなり進むまで症状が出ないことです。健診でLDL高値を繰り返している場合は静かに動脈硬化が進んでいる可能性があります。特に糖尿病・喫煙・高血圧・CKDなどのリスク因子が重なる方は要注意です。

頸動脈エコーで動脈硬化を「見える化」する

動脈硬化の進行具合は、頸動脈エコー検査で確認することができます。頸動脈の壁の厚さやプラークの有無を超音波で調べることで、全身の動脈硬化リスクを把握する手がかりになります。

👨‍⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと

「LH比(LDL÷HDL)が2.5を超えると動脈硬化のリスクが上がります。まずは頸動脈エコーで現在の動脈硬化の状態を確認してみると、ご自身の血管の状態が実感としてわかります。スタチンに抵抗感がある方も、まずエコーで状態を確認してから判断することができます。」

「スタチンは血圧の薬や血糖を下げる薬と違い、下げすぎて悪影響が出るタイプの薬ではありません。副作用が多い薬でもなく、必要な方にとっては心筋梗塞・脳梗塞の予防という大きなメリットがある薬です。」

LDLコレステロールを下げる食べ物ランキング・食事の工夫

LDL対策の基本は「飽和脂肪酸を減らし、不飽和脂肪酸や食物繊維を増やす」ことです。特別な食品を一つだけ足すより、毎日の主菜・主食・間食の選び方を変えるほうが効果的です。

順位 食品・食材 期待できる点 取り入れ方の目安
1位 青魚(さば・いわし・さんま) 脂質の質を改善。EPA・DHA豊富 週2〜3回を主菜に
2位 大豆製品(豆腐・納豆・豆乳) 動物性脂肪の置き換えに有用 毎日1品を目安
3位 野菜類 食物繊維を増やしやすい 毎食しっかりとる
4位 海藻・きのこ 水溶性食物繊維を補いやすい 副菜として追加
5位 オートミール・もち麦 主食の質を改善しやすい 白米の一部を置き換える
6位 オリーブ油 飽和脂肪酸の置き換えに使いやすい 使いすぎない量で活用
7位 ナッツ類(無塩) 間食の質を見直しやすい 少量を習慣化
8位 ヨーグルト(無糖) 甘い間食の代替になりやすい 砂糖を足しすぎない
9位 脂身の少ない魚・鶏肉 主菜の脂質量を調整しやすい 揚げ物より焼き・蒸し料理
10位 果物(適量) 菓子の代わりにしやすい 食べすぎに注意して適量

控えたい食品

控えたいもの 理由
バター・ラード・生クリーム 飽和脂肪酸が多い
脂身の多い肉・加工肉(ソーセージ・ベーコン等) LDL上昇につながりやすい
揚げ物・菓子パン・スナック菓子 飽和脂肪酸・トランス脂肪酸をとりやすい
洋菓子の頻回摂取 糖質と脂質が多くなりやすい
外食中心で野菜が少ない食事 食物繊維不足と脂質過多になりやすい

食事だけで下がる場合、下がりにくい場合

食事の乱れが明らかで、LDL上昇が軽度〜中等度の場合は食事改善だけで数値が下がることがあります。一方でLDLが非常に高い・家族歴が強い・閉経後に急上昇した・FHが疑われる場合は、生活改善だけでは不十分なことが多く薬物療法の検討が必要です。「食事を変えたのに下がらない」場合は内科受診で原因を確認しましょう。

LDLコレステロールを下げる生活習慣

有酸素運動:週150分が目安

ウォーキング・軽いジョギング・自転車・水泳などの有酸素運動を週150分程度続けると、HDL上昇・体重管理・血糖改善を通じて総合的なリスク低下につながります。

禁煙

喫煙はHDLを下げ、酸化LDLを増やし、動脈硬化を強く進めます。LDL高値がある方では禁煙の意義は特に大きく、禁煙外来の活用も有効な選択肢です。

適正体重の維持

体重や腹囲が改善すると、LDLだけでなく中性脂肪・血糖にも良い影響が期待できます。急激なダイエットより継続できる食事改善と活動量の増加が重要です。

薬(スタチン)が必要になるケース・スタチンの正しい知識

LDLコレステロールの管理では、スタチンが基本となる薬です。スタチンは肝臓でのコレステロール合成を抑えることでLDLを下げ、心筋梗塞や脳梗塞の予防効果が確認されています。高リスクの一次予防や冠動脈疾患既往がある二次予防では薬物療法が積極的に検討されます。

スタチンの副作用

まれですが横紋筋融解症(筋肉が壊れる重篤な副作用)があるため、強い筋肉痛・脱力・褐色尿などがある場合は速やかに担当医に相談が必要です。必要な患者さんでは予防効果が大きく、自己判断で中断しないことが大切です。

「コレステロールの薬は一生飲み続けるのですか?」

一律ではありません。リスクの高さ・体質・食事や体重の変化によって判断が異なります。FHや二次予防のように長期管理が必要な場合もあれば、生活習慣改善で減量・中止できるケースもあります。

内科受診で行う検査

受診時には、LDL・HDL・中性脂肪・non-HDL・血糖・HbA1c・肝機能・腎機能・甲状腺機能を確認します。これにより二次性高脂血症の有無や、薬を使うべきかどうかをより正確に判断できます。

よくある質問

Q. LDLが180以上でも症状がありません。今すぐ治療が必要ですか?

症状がなくても、未治療時LDL 180mg/dL以上ではFH(家族性高コレステロール血症)を含めた詳しい評価が必要です。若い頃から高値が続いている場合や家族歴がある場合は特に早めの受診をおすすめします。

Q. 卵を毎日食べるとコレステロールが上がりますか?

卵だけでコレステロール値が決まるわけではなく、食事全体の脂質バランスがより重要です。バターや加工肉・菓子類が多い食事が重なる場合は、全体としてLDLが上がりやすくなります。

Q. コレステロールの薬は一生飲み続けるのですか?

一律ではありません。ただし動脈硬化リスクが高い方では、長期的な治療が将来のイベント予防につながるため、自己判断で中断しないことが大切です。

Q. 閉経後にLDLが急に上がりました。どうすればいいですか?

まずは食事・体重・運動習慣に加え、糖尿病や甲状腺機能低下症がないかも確認すると安心です。閉経後のホルモン変化が背景にあることは珍しくないため、必要に応じて内科でリスク評価を受けてください。

まとめ

  • LDLコレステロール140mg/dL以上は高LDLコレステロール血症、120〜139mg/dLは境界域
  • 治療目標は低・中・高リスク・二次予防で異なる。数値だけで自己判断しない
  • コレステロールは肝臓でも作られるため、食事・運動だけで確実に下がるとは限らない
  • 未治療時LDL 180mg/dL以上では家族性高コレステロール血症(FH)の可能性にも注意
  • スタチンは下げすぎて悪影響が出る薬ではない。高リスクの方には心筋梗塞・脳梗塞予防に重要

本記事は、日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」を踏まえ、日常診療の視点から監修しています。
※症状・数値・内服薬の状況によって適切な管理は異なります。自己判断で服薬を開始・中断せず、医療機関でご相談ください。

この記事の監修者

医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科 院長 吉田 悠

医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科

院長 吉田 悠

腎臓病・糖尿病などの慢性疾患から急性期疾患まで幅広く診療し、全身を総合的に診る視点を大切にしています。患者さまに寄り添った丁寧な説明と診療を心がけています。

経歴・所属学会
日本内科学会 総合内科専門医・認定内科医・元指導医
日本腎臓学会 腎臓専門医
日本透析学会 透析専門医
日本糖尿病協会 糖尿病認定医
日本高血圧学会 高血圧専門医
日本医師会 認定産業医
厚生労働省 臨床研修指導医
日本禁煙学会 認定指導者
元東京医科歯科大学(現東京科学大学) 腎臓内科 臨床講師
難病指定医

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