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eGFRとは?基準値・低い原因・CKDステージを腎臓内科専門医がわかりやすく解説|
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eGFRとは?基準値・低い原因・CKDステージを腎臓内科専門医がわかりやすく解説

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健診でeGFRを指摘された方・腎機能が気になる方へ

eGFRとは?基準値・低い原因・CKDステージを腎臓専門医がわかりやすく解説

eGFRの基準値・低い原因・CKDステージ分類を腎臓専門医が解説。年齢別の見方・クレアチニンとの関係・腎機能を上げる食べ物まで。eGFR計算ツール(クレアチニン・シスタチンC対応)付き。

この記事のポイント

  • eGFRは腎臓のろ過機能を表す指標で、CKDステージの評価に使われる
  • 基準値はG1〜G5の5ステージ。1回の結果だけで判断しないことが重要
  • 高齢者・女性はeGFRが低めに出やすい。年齢・性別・筋肉量を考慮して読む
  • 腎機能を劇的に回復させる食べ物はないが、悪化を防ぐ生活習慣はある
  • シスタチンCは筋肉量の影響を受けにくい腎機能指標。やせ型・高齢者で有用

「健診でeGFRが低いと言われました」「eGFRって何ですか?」というご相談は、外来でもよく伺います。eGFR(推算糸球体ろ過量)は、腎臓がどれくらい血液をろ過できているかを表す指標で、健診結果ではクレアチニン値とセットで記載されています。

この記事では、日本腎臓学会「CKD診療ガイド2024」をもとに、腎臓内科・総合内科専門医の院長がeGFRの基準値・低い原因・CKDステージとの関係をわかりやすく解説します。記事内のeGFR計算ツールで、ご自身の数値も確認いただけます。

eGFRとは?(糸球体ろ過量とは何か)

eGFRは「estimated Glomerular Filtration Rate」の略で、日本語では「推算糸球体ろ過量」と呼ばれます。腎臓の糸球体が1分間にどれくらい血液をろ過できるかを表す値で、単位はmL/分/1.73m²です。数値が高いほど腎臓の働きが良く、低いほど腎機能が低下していることを意味します。

eGFRの「推算」の意味——なぜクレアチニンから計算するのか

本来のGFRは厳密な検査で測定しますが、日常的に全員に行うには負担が大きいため、通常はクレアチニンから推定したeGFRを用います。クレアチニンは筋肉由来の老廃物で、腎臓のろ過機能が低下すると血液中にたまります。このクレアチニン値・年齢・性別を組み合わせた計算式がeGFRです。

GFRとeGFRの違い

GFRは実測値、eGFRは血液検査をもとに計算した推定値です。健診や一般外来で示されるのは、ほとんどがeGFRです。実測GFRが必要になるのは、より精密な評価が必要な場面に限られます。

eGFRとクレアチニンの関係

クレアチニンだけでは年齢や筋肉量の影響を受けるため、腎機能の評価ではeGFRも併せて確認することが重要です。同じクレアチニン値でも、高齢者・女性・やせ型の方ではeGFRの解釈が変わることがあります。詳しくはクレアチニンが高い原因と腎機能の関係もご覧ください。

👨‍⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと

「eGFRが低い患者さんが来たとき、私がまず確認するのは3点です。採血のタイミング(健診前は脱水気味になっていることが多く、その影響でeGFRが低く出ることがあります)、筋トレをしているかどうか(筋肉量が多いとクレアチニンが高めに出やすい)、そして処方薬以外に漢方薬やサプリメントを飲んでいないか。これらを確認するだけで、数値の見方がかなり変わります。」

シスタチンCとの違い——筋肉量の影響を受けにくい指標

シスタチンCは筋肉量の影響を受けにくい指標で、やせ型の方や高齢者では腎機能をより適切に反映する場合があります。一方で、甲状腺機能や炎症などの影響を受けることもあり、絶対的にどちらが正確とは言い切れません。患者さんの体格や病態に応じて使い分けるのが実際的です。

👨‍⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと

「当院では、腎機能低下が疑われる方には最初からクレアチニンとシスタチンCの両方を測るようにしています。ただ、シスタチンCはある程度腎機能が悪くなると指標にしづらくなるため、その点は注意しながら使い分けています。やせ型の方や高齢女性では特にシスタチンCが参考になります。」

eGFRの基準値

日本腎臓学会の2024年版ガイドラインに基づくeGFRの基準値は以下の通りです。

Gステージ eGFR値(mL/分/1.73m²) 状態 対応の目安
G1 90以上 正常〜高値だが腎障害あり 原因評価、生活習慣の見直し
G2 60〜89 軽度低下 定期フォロー、進行予防
G3a 45〜59 中等度低下(前半) 合併症確認、管理強化
G3b 30〜44 中等度低下(後半) 専門的評価、薬剤調整検討
G4 15〜29 高度低下 透析準備を含む厳格管理
G5 15未満 末期腎不全 腎代替療法を検討

年齢別の見方——高齢者でeGFRが低めに出やすい理由

eGFRは加齢に伴ってゆるやかに低下するため、高齢の方では若年者より低めに出やすい傾向があります。ただし、年齢のせいだけと決めつけず、尿たんぱくや推移も合わせて確認することが重要です。

女性でeGFRが低めに出やすい理由

女性は一般に男性より筋肉量が少ないため、クレアチニン値やeGFRの解釈には性差を考慮する必要があります。やせ型の方や高齢女性では、クレアチニンだけでなく尿所見やシスタチンCも参考になることがあります。

一回の検査だけで判断しない

CKDは、腎機能低下や尿異常が3か月以上持続していることが診断の基本です。脱水や一時的な体調変化でeGFRが下がることもあるため、1回の結果だけで判断しないことが大切です。

eGFRが低い原因

eGFRが低い背景には、慢性的な腎障害から一時的な要因まで、さまざまな原因があります。

慢性腎臓病(CKD)——最多の原因

CKDは、eGFR低下や尿たんぱくなどの異常が3か月以上続く状態です。初期は無症状のことが多く、健診で見つかるケースが少なくありません。

糖尿病性腎症——CKDの最大原因疾患

糖尿病はCKDの主要な原因の一つで、透析導入原因としても最多です。血糖だけでなく、血圧や脂質も含めた総合管理が腎保護に重要です。

高血圧性腎硬化症

高血圧が長く続くと、腎臓の細い血管が傷み、腎機能が徐々に低下します。高血圧治療は、脳卒中や心筋梗塞だけでなく、腎機能悪化の予防にもつながります。

脂質異常症(LDL)と腎機能悪化の関係

LDLコレステロールが高い状態は動脈硬化を進め、腎機能悪化の一因になると考えられています。LDLコレステロールとは?中性脂肪が高い原因もあわせてご覧ください。

一時的に低下する原因(脱水・NSAIDs・造影剤)

脱水、激しい運動、NSAIDs(市販の鎮痛剤)、造影剤などは、一時的に腎機能を悪化させたりクレアチニンを上げたりすることがあります。特に発熱・下痢・食欲低下があるときは、普段より腎臓に負担がかかりやすくなります。

eGFRとCKD(慢性腎臓病)のステージ分類

eGFRはCKDの重症度評価の基本で、尿たんぱくの程度と合わせて全体のリスクを判断します。

Gステージ eGFR値 リスク 治療目標 透析リスク
G1 90以上 腎障害はあるが機能は保たれる 原因疾患の治療、生活習慣改善 かなり低い
G2 60〜89 軽度低下 進行予防、心血管リスク管理 低い
G3a 45〜59 合併症リスク上昇 血圧・血糖・蛋白尿管理 中等度
G3b 30〜44 合併症リスクさらに上昇 専門医評価、薬剤見直し 中等度〜高い
G4 15〜29 高リスク 透析準備、栄養管理 高い
G5 15未満 末期腎不全 腎代替療法を検討 非常に高い

ステージG3以降で注意が必要なこと

G3以降では、貧血・骨ミネラル代謝異常・高カリウム血症などの合併症が起こりやすくなります。また、腎機能に応じて薬の量を調整しなければならない場合があります。

透析になるのはどのくらいの数値から?

一般的にはeGFR15未満で透析が現実的な検討段階に入りますが、実際は数値だけでなく、症状・合併症・生活状況も踏まえて判断します。eGFRが50台ですぐ透析になるわけではありません。まずは腎臓内科で原因を確認し、進行を遅らせる管理を続けることが大切です。

eGFRを下げないための生活習慣・食事

👨‍⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと

「外来では、eGFRを『100点満点にしたときの腎臓の点数』だとお伝えしています。60点なら腎臓が6割の働きをしている、というイメージです。」

「もうひとつ大事なのがeGFR slopeという考え方です。たとえば1年前にeGFRが50で今年も50なら、来年も下がらない可能性が高い。でも1年前が70で今年50だったら、このペースだと来年は30になる可能性があります。単発の数値より、変化のスピードを見ることがとても重要です。」

「現代の医学ではeGFRを劇的に改善させるというよりも、数値をキープする、または悪化するスピードを遅くすることが治療の目標になります。この点は患者さんに正直にお伝えするようにしています。」

腎機能を一気に回復させる特別な食べ物はありませんが、進行を遅らせる生活習慣はあります。

腎機能を回復させる食べ物はあるか?

特定の食品だけで腎機能を劇的に回復させることはできません。ただし、塩分や過剰なたんぱく質を見直し、血圧や血糖を整える食事は、悪化予防につながります。

たんぱく質制限——G3以降で重要

進行したCKDでは、一般に0.6〜0.8 g/kg/日程度のたんぱく質摂取が目安とされることがあります。一方で、高齢者では低栄養や筋力低下にも注意が必要で、自己判断の厳しい制限は勧められません。必ず医師・管理栄養士に相談してください。

塩分制限——6g/日未満の根拠

CKDでは塩分を1日6g未満に抑えることが推奨されています。塩分制限は血圧や蛋白尿の改善につながり、腎保護の基本です。

市販の鎮痛剤(NSAIDs)と腎臓への影響

NSAIDsは腎血流を低下させ、腎機能が悪い方では悪化のきっかけになることがあります。市販薬を常用している方は、受診時に必ず医師へ伝えてください。

禁煙・血圧・血糖のコントロール

禁煙・血圧管理・血糖管理・脂質管理は、CKD進行予防の土台です。「eGFRを上げる」よりも「悪化させない」視点で継続することが大切です。

内科・腎臓内科で行う検査

eGFR低下を指摘された場合、原因と重症度を確認するために、血液検査・尿検査・画像検査を組み合わせて評価します。

検査 主な確認項目
血液検査 クレアチニン、eGFR、電解質、血糖、脂質、貧血など
尿検査 尿たんぱく、アルブミン尿、潜血など
腎エコー 腎臓の大きさ、形、のう胞、結石、尿路閉塞の有無など

eGFRの低下スピードをモニタリングする重要性

腎機能は、単発の数値よりも、どのくらいの速度で低下しているかが重要です。定期的な採血と尿検査で推移を追うことで、治療や生活改善の効果判定にもつながります。

板橋区・東武練馬周辺で腎臓内科を受診するには

健診でeGFR低下や尿異常を指摘された方は、腎臓内科または内科での再評価が勧められます。当院の腎臓内科診療については、腎臓内科のご案内をご覧ください。

よくある質問

Q. eGFRが50台です。透析になりますか?

eGFR50台はG3a相当で、すぐに透析が必要な段階ではありません。まずは原因の確認と、血圧・血糖・生活習慣の見直しが重要です。適切な管理を続けることで、進行を大幅に遅らせることができます。

Q. eGFRは上がりますか?

脱水や薬剤の影響が原因なら改善することがありますが、慢性的に低下した腎機能を完全に元へ戻すのは一般に容易ではありません。そのため、実際の目標は「悪化を遅らせる」ことになります。生活習慣の改善と定期的な管理が重要です。

Q. eGFRが低いと言われましたが症状がありません。受診が必要ですか?

CKDは初期に症状が出にくいため、症状がなくても受診の意義があります。eGFR60未満や尿たんぱく陽性を指摘された場合は、一度医療機関でご相談ください。

Q. クレアチニンとeGFRはどちらを見ればいいですか?

腎機能評価では両方を見ます。クレアチニンは元データ、eGFRは年齢や性別を加味した見やすい指標と考えると理解しやすいです。

Q. シスタチンCとeGFRの違いは何ですか?どちらが正確ですか?

クレアチニン由来のeGFRは筋肉量の影響を受けやすく、シスタチンC由来のeGFRはその影響を受けにくいという違いがあります。どちらか一方ではなく、患者さんの体格や病態に応じて使い分けるのが実際的です。

まとめ

  • eGFRは腎機能の目安で、CKDの評価に重要な指標
  • 一回の低値だけで判断せず、3か月以上の持続や尿異常の有無を確認する
  • eGFR50台ですぐ透析になるわけではない。管理を続けることで進行を遅らせられる
  • 塩分制限・血圧・血糖管理・NSAIDsの見直しが進行予防の基本
  • まずは腎臓内科で血液検査と尿検査を受け、原因を確認することが大切

本記事は、日本腎臓学会「CKD診療ガイド2024」を踏まえ、日常診療の視点から監修しています。
※症状・数値・内服薬の状況によって適切な管理は異なります。自己判断で食事制限や市販薬の服用を開始・中断せず、医療機関でご相談ください。

この記事の監修者

医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科 院長 吉田 悠

医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科

院長 吉田 悠

腎臓病・糖尿病などの慢性疾患から急性期疾患まで幅広く診療し、全身を総合的に診る視点を大切にしています。患者さまに寄り添った丁寧な説明と診療を心がけています。

経歴・所属学会
日本内科学会 総合内科専門医・認定内科医・元指導医
日本腎臓学会 腎臓専門医
日本透析学会 透析専門医
日本糖尿病協会 糖尿病認定医
日本高血圧学会 高血圧専門医
日本医師会 認定産業医
厚生労働省 臨床研修指導医
日本禁煙学会 認定指導者
元東京医科歯科大学(現東京科学大学) 腎臓内科 臨床講師
難病指定医

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