診療時間外・手術時間はお電話に出られませんのでご了承ください。

MENU

咳を治してください!|医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科|
東武練馬駅・下赤塚駅より徒歩圏内

ブログ

Blog

咳を治してください!

Pocket

こんにちは。今日は【なかなか治らないせき】についてご説明いたします。

 

咳症状は内科では非常に多くの患者さんが訴えられる症状の一つですが、原因によって治療が違うため、原因をしっかり見極めなければなりません。簡単には治らない咳も多いですが、適切に診断をして、長期の治療にもしっかり向き合っていかなければなりません。

 

初めにお伝えしておかなければいけないことは、『せきは原因を特定するのにも時間がかかり、診断がついても治療には時間がかかる場合がある』ということです。

 

  • 風邪による咳・・・多くはライノウイルスやコロナウイルスなどのウイルス性の感染によるものです。特効薬などはなく、症状を和らげる治療を行いながら基本的には自分の免疫力で打ち勝っていくこととなります。咳症状は8週以上続くことはまれであり、それ以上続くときには別の原因も考えなければなりません。マイコプラズマや百日咳による咳症状は、その地域の流行にもよりますので、特に流行している場合はそれらの鑑別も重要になります。風邪の重要なポイントは、細菌(ばい菌)感染と違い抗生剤は効かない、ということです。治らないからと言って安易に抗生物質を飲むことは耐性菌の下地を作ってしまい、悪影響のほうが圧倒的に大きいと言えます。

 

  • 咳喘息・・・・なかなか治らない咳の代表格になります。いわゆる「喘息」の診断にはならないけれども、喘息と同様の治療で改善する咳、というものになります。診断は非常に難しく、喘息に準じた治療を行った結果改善した、ということであれば咳喘息の診断になることも多いですが、咳症状は時間経過とともに治ることも多いため、喘息に準じた治療を安易に行うかどうかは慎重に見極める必要があります。治療には時間がかかることが多く、症状がなくなったからと言って治療をやめてしまうと咳症状を定期的に繰り返すようになり、最終的に「喘息」に移行すると言われている重要な病気です。

 

 

  • 胃食道逆流症(逆流性食道炎)・・・食道の病気で咳が出るのか、と思われるかもしれませんが、胃の中の食べ物や胃酸が逆流し気道に入ることで咳症状が出ることがあり、決してまれなものではありません。会話や食事、気象、上半身の前屈、体重増加などがリスクとなり、これらで咳症状が悪化するのであれば逆流性食道炎による咳症状を疑います。こちらも診断をしっかりつけるのは非常に難しく、胃カメラなどで食道に炎症を認めなくても実は逆流性食道炎が隠れている、ということも多々あるため、実際に胃薬(プロトンポンプ阻害薬)などを内服してみることで咳症状が治まるかどうかを見る、ということも多くなります。

 

  • アトピー咳嗽/喉頭アレルギー・・・アトピー咳嗽はアトピーを有する中年女性に多い病気で、のどのイガイガ感を行います。就寝時や夜中、起床時に症状が強く、上記の病気に対する治療が無効な時に診断されることが多くなります。ヒスタミンH1受容体拮抗薬を1-2週間投与を投与することで改善するかどうかチェックします。喉頭アレルギーは花粉症などに合併することが多い病気であり、こちらもヒスタミンH受容体拮抗薬で改善することが多いです。

 

  • 薬物による副作用・・・意外に多いものが、薬の副作用などで起こる咳症状です。特に多いのは血圧を下げる薬で空咳症状を訴える方です。心不全予防などにも用いられたり、むせこみ予防にわざとこの薬を飲んでいただくこともありますが、元気な方がこの薬を飲んでいると空咳に悩むことも多いため、内服していただくかはご本人の身体の状況次第になります。

 

いくつか代表的な咳の原因となるものを挙げてみました。もちろんその他にも肺炎(新型コロナ感染症も含む)や気胸、心不全など咳症状を示す病気はたくさんありますが、そのような病気は適切な検査をすれば診断まで難渋しないことが多いです。しかし特に②~⑤の病気は疑わなければ診断できないものが多く、また、薬を飲めばすぐに治る、というものではありません。咳は非常に難しい症状の一つです。原因をしっかり追究した上で治療を行うことが大切です。

 

カテゴリー

最近の投稿

月別アーカイブ