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糖尿病・予備群と言われた方/家族が糖尿病で心配な方へ
糖尿病の原因とは?なぜなるのか・なりやすい人を糖尿病認定医が解説
糖尿病はなぜ起こるのか——インスリンの仕組み・なりやすい人の特徴・「生活習慣だけじゃない」遺伝や体質の影響まで、糖尿病認定医・腎臓専門医がわかりやすく解説します。
糖尿病や予備群を指摘されると、「なぜ自分が糖尿病になるのか」「生活習慣だけが原因なのか」と不安になる方は少なくありません。糖尿病は、血糖を下げるインスリンがうまく働かなくなることで起こりますが、その背景には生活習慣だけでなく、遺伝や体質も関わっています。とくに日本人では、強い肥満がなくても発症することがあり、「痩せているから大丈夫」とは言い切れません。この記事では、糖尿病の原因を、糖尿病認定医の立場でわかりやすく解説します。
この記事のポイント
食事をすると、体の中では糖が血液に入り、血糖値が上がります。これを下げる中心的なホルモンがインスリンで、膵臓から分泌され、筋肉や肝臓、脂肪組織で糖を利用しやすくします。このインスリンの量が足りなかったり、十分に働かなかったりすると、血糖が高いままになり、糖尿病の状態になります。
糖尿病は単に「血糖値が高い病気」ではなく、高血糖が長く続くことで全身の血管や臓器に影響を及ぼす病気です。まずは「インスリンがうまく働かないと血糖が下がりにくくなる」という基本を押さえることが、原因を理解する第一歩になります。血糖値やHbA1cの具体的な数値については、別記事で詳しく解説しています。
2型糖尿病の原因をわかりやすくまとめると、インスリンに関する「2つの問題」があります。1つは、膵臓から出るインスリンの量が足りなくなる「分泌低下」、もう1つは、インスリンが出ていても体が反応しにくくなる「インスリン抵抗性」です。この2つが重なると、食後だけでなく空腹時の血糖も上がりやすくなります。
日本人の2型糖尿病では、欧米人に比べてインスリンを分泌する力が弱い体質の人が多いことが知られています。そのため、体重増加が軽度でも、もともとの体質に生活習慣の影響が重なることで糖尿病を発症することがあります。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「糖尿病は生活習慣病のくくりにされることが多いですが、遺伝も関わることが多いとされています。日本人の糖尿病はインスリン抵抗性が高いことが一つの要因とされています。食事を食べた後に血糖値は皆上がる方向に行きますが、血糖値が上がらないようにインスリンが分泌されます。しかし、その効きが悪いため血糖値が上昇してしまい、糖尿病となってしまうのです。その高血糖の状況が続くとしばらくインスリン分泌過多が続きますが、そのうちに膵臓が疲れてきて分泌低下へと繋がっていきます。そのため、インスリン抵抗性を改善させること、つまり、暴飲暴食をしない、食後の運動などが非常に重要です。」
2型糖尿病のなりやすさには、いくつかの危険因子があります。とくに内臓脂肪の増加はインスリン抵抗性を強めやすく、筋肉や肝臓で糖がうまく使われにくくなる一因と考えられています。一方で、体質的にインスリン分泌が弱い人では、肥満が目立たなくても血糖が上がりやすいことがあります。
| 危険因子 | どう関わるか |
|---|---|
| 肥満・内臓脂肪 | インスリンの効きを悪くし、血糖が下がりにくくなる |
| 運動不足 | 筋肉で糖を使う力が低下し、インスリン抵抗性が強まりやすい |
| 食べ過ぎ・食事の偏り | 体重増加や内臓脂肪の蓄積につながり、発症リスクを高める |
| 加齢 | 年齢とともに膵臓の働きや身体活動量が低下しやすくなる |
| 睡眠不足・ストレス | 生活リズムの乱れやホルモン変化を通じて血糖管理に悪影響を与えることがある |
| 喫煙 | 糖尿病の発症・動脈硬化リスクに悪影響を与え、是正が勧められる |
こうした因子は1つだけで決まるのではなく、いくつかが重なって影響することが多いです。つまり「なる人・ならない人の差」は、体質の上に生活習慣や年齢の要素が積み重なって生まれると考えるとわかりやすいでしょう。これらにどう対策するかは、予防の記事で詳しく紹介しています。
糖尿病は生活習慣病として知られていますが、生活習慣だけで説明できる病気ではありません。2型糖尿病の発症には、インスリン分泌低下やインスリン抵抗性をきたす体質を含む複数の遺伝的な要因に、過食・運動不足・肥満などの環境要因、加齢が重なって関係すると考えられています。家族に糖尿病の方がいる場合、なりやすい体質を受け継いでいる可能性はありますが、それだけで必ず発症するわけではありません。
ここで大切なのは、「気をつけていたのに糖尿病になった」と自分を責めすぎないことです。とくに日本人では、痩せていてもインスリン分泌が弱い体質のために発症する方がいます。そのため、体型だけで安心せず、家族歴や健診結果をふまえて、定期的に血糖やHbA1cを確認することが大切です。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「糖尿病というと肥満体系が多いというイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。特に日本人は遺伝的にインスリン抵抗性が上昇しやすく、痩せていても糖尿病になってしまうケースも多くあります。生活習慣としては、暴飲暴食をしない、食後の運動を意識する、という点では変わりませんが、遺伝のこともあるため、自分の生活習慣が必ずしも悪いとは限りません。自分を責めてしまうことで病気に向き合わなくなってしまうことの方が怖いため、自分を責めすぎないようにしましょう。」
糖尿病にはいくつかの種類があり、原因は同じではありません。もっとも多い2型糖尿病は、遺伝・体質に、食事・運動不足・肥満・加齢などが重なって起こります。これに対して1型糖尿病は、自己免疫によって膵臓のインスリンを作る細胞が壊されることが主な原因で、生活習慣が原因ではありません。
また、妊娠中に初めて血糖の異常がみつかる妊娠糖尿病や、ステロイドなどの薬剤、膵臓の病気、他のホルモンの病気に伴う糖尿病もあります。この記事で主に扱っているのは2型糖尿病ですが、「糖尿病=すべて生活習慣が原因」とは言えない点は知っておきたいポイントです。
高血糖が続くと、細い血管も太い血管も少しずつ傷つき、神経障害・網膜症・腎症などの細い血管の合併症や、心筋梗塞・脳梗塞などの動脈硬化による合併症につながります。糖尿病の治療の目標は、こうした合併症の発症や進行を防ぎ、糖尿病のない人と変わらない生活を目指すことです。
だからこそ、症状が強く出てからではなく、「なぜ血糖が上がっているのか」という原因の段階で気づくことが大切です。とくに腎臓は、糖尿病で障害されると透析につながることもある重要な臓器です。詳しい合併症や腎臓への影響は、別記事で解説しています。
家族に糖尿病の方がいる、体重が増えてきた、健診で血糖やHbA1cがやや高いと言われた、そんな心当たりがあれば、症状がなくても早めに内科へ相談することをおすすめします。糖尿病は初期には自覚症状が乏しいことが多く、気づかないまま進行することがあるためです。ゆう徳丸内科皮膚科では、血糖やHbA1cの確認に加え、必要に応じて腎機能・脂質・尿検査などを組み合わせて全身の状態を確認し、生活背景に合わせた助言につなげます。
👨⚕️ 院長・吉田 悠 からのひとこと
「健康診断では、空腹時血糖しか測らないケースもありますし、HbA1cを測るケースもあります。どちらも重要な指標ですが、片一方でも異常値が出た場合は一度受診をすることをお勧めします。特に日本人は食後高血糖が多いため、空腹時血糖が正常でもHbA1cが高い方は注意が必要です。また、空腹時血糖しか測定をしていない場合は全く検査異常で指摘されないことも多いため、特に濃厚な糖尿病家族歴がある方は一度HbA1c測定をお勧めします。糖尿病は合併症を起こさないように治療することが重要であり、そのためには早期発見が鍵となります。」
主な原因は、インスリンの分泌低下とインスリン抵抗性です。2型糖尿病では、体質に加えて肥満・運動不足・食事の偏り・加齢などが重なって発症に関わります。
糖尿病そのものが単純に遺伝するというより、なりやすい体質が受け継がれると考えられています。ただし、家族歴があっても必ず発症するわけではありません。
はい、なります。日本人ではインスリンを分泌する力が弱い体質の人も多く、強い肥満がなくても2型糖尿病を発症することがあります。体型だけで安心はできません。
違います。2型は体質と生活習慣などが重なることが多く、1型は自己免疫によってインスリンを作る細胞が壊されることが主な原因です。1型は生活習慣が原因ではありません。
まずは内科で相談できます。血糖やHbA1cなどを確認し、必要に応じて詳しい検査や専門的な対応につなげます。家族歴がある方は、症状がなくても一度の確認をおすすめします。
糖尿病は、原因を理解して早めに気づき、生活を見直したり必要な治療につなげたりすることで、合併症の予防につながります。とくに「家族に糖尿病がいる」「痩せているけれど心配」「健診で少しだけ血糖が高かった」という方は、症状がなくても一度ご相談ください。当院では糖尿病認定医・腎臓専門医として、血糖だけでなく腎臓・血管まで含めた全身の視点で、一人ひとりに合わせた助言を行います。
当院だからできる糖尿病の早期対応
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本記事は日常診療の視点から監修しています。症状や数値の状況によって適切な対応は異なります。自己判断せず医療機関へご相談ください。