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新規糖尿病治療薬マンジャロ®(チルゼパチド)のご紹介~HbA1c、体重減少への強い期待~|医療法人社団悠正会 ゆう徳丸内科皮膚科|
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新規糖尿病治療薬マンジャロ®(チルゼパチド)のご紹介~HbA1c、体重減少への強い期待~

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こんにちは。今日は2023年4月18日に発売される新規糖尿病治療薬であるマンジャロ®(チルゼパチド)のご案内です。

 

 

 

まず、これはどのような薬でしょうか?糖尿病というのは、いくつか原因がありますが、病態の面から大きく2つに分けられます。

 

・インスリンが出にくくなる=インスリン分泌不全

・インスリンが効きにくくなる=インスリン抵抗性

 

 

体の中には血糖値を上げるホルモンというのはグルカゴン、アドレナリンなど複数ありますが、血糖値を下げるホルモンというのはインスリンしかありません。そのため、インスリンを出しやすくしたり、インスリンの効きをよくするような治療が主体となるわけです。糖尿病治療薬の簡単な効能については下記をご覧ください。

 

https://yutoku-cl.jp/medical/medical03.html

 

 

インスリン分泌能が残存している方(≒多くの2型糖尿病、一部の1型糖尿病の患者様)はインスリンを出させるようにしてあげることでインスリンの分泌不全が改善するのですが、インスリンを出しやすくするホルモンはGIPGLP-1という2つのホルモンがあります。今までの薬は全てGLP-1受容体を刺激することでインスリンを出しやすくする薬しかありませんでしたが、今回発売されるマンジャロ®(チルゼパチド)は世界初のGIP/GLP-1受容体両方に作用する薬というわけです

 

 

GIPとGLP-1の両方を刺激することで、当然今までのGLP-1受容体作動薬よりも強い効果が期待されます。これらのホルモンは、インスリン分泌不全を改善させることで血糖値の改善へとつなげるものですが、食欲を減退させる効果も持ち合わせているため、特に肥満を合併する2型糖尿病患者様への治療薬として大きな期待が寄せられています。当院でも肥満を合併する2型糖尿病の患者様は、GLP-1受容体作動薬である内服薬のリベルサス®(セマグルチド)、注射薬のトルリシティ®(デュラグルチド)ビクトーザ®(リラグルチド)オゼンピック®(セマグルチド)など使用している方は多いですが、HbA1cのコントロールが不十分な方、思うように体重減少が進まなかった方は、マンジャロ®(チルゼパチド)への切り替えも検討してよいかと考えられます。GLP-1受容体作動薬に関しては下記ブログをご覧ください。

 

https://yutoku-cl.jp/blog/%e7%b3%96%e5%b0%bf%e7%97%85%e3%81%ae%e6%b2%bb%e7%99%82%e8%96%ac%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6%ef%bd%9eglp-1%e5%8f%97%e5%ae%b9%e4%bd%93%e4%bd%9c%e5%8b%95%e8%96%ac%ef%bd%9e/

 

 

臨床試験の成績をご紹介します。SURPASS J-mono試験という日本人の2型糖尿病患者様636例を対象にしたマンジャロ®(チルゼパチド)とトルリシティ®(デュラグルチド)の比較試験ですが、投与開始から52週までのHbA1cの変化量、体重の変化量に関しては下記の通り機体のできる結果となりました。HbA1c(ヘモグロビンA1c)と体重減少について、非常に期待のできる結果ですね。

 

 

それでは、マンジャロ®(チルゼパチド)の使い方、副作用、薬価などについてです。

 

・初期投与量2.5mg/週1回から開始します。4週間以上空け、効果や副作用を確認しながら5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mgまで増量可能です。基本的な維持用量は5mgとなっており、効果を見ながら調整をしていきます。週1回である事からトルリシティ®(デュラグルチド)、オゼンピック®(セマグルチド)と同等の簡便さであり、またデバイスもアテオス®(当てて押すだけ=アテオス®)であることから非常に簡易であり高齢の方でも使用可能となっております。また、ビクトーザ®(リラグルチド)、オゼンピック®(セマグルチド)ど同様に用量の調節も可能という点も特筆すべきものです。

・副作用についてはかねてからのGLP-1受容体作動薬と同様に、消化器症状(嘔吐や下痢、腹痛など)が出ることがあります。用量に依存する傾向にもありますので、その点を鑑みて調整が必要になります。また、低血糖のリスクは低い薬ですが、その他の糖尿病治療薬を使用していると低血糖のリスクはありますので注意は必要です。その他、胆石や胆嚢炎など急性胆道系疾患の発言の恐れも指摘されています。

・発売が2023年4月18日、薬価は下記の通りです。1本あたりの価格であり、保険診療分が自己負担となります(通常の方は1-3割負担)。

〇マンジャロ®皮下注2.5mgアテオス® 1,924円

〇マンジャロ®皮下注5mgアテオス® 3.848円

〇マンジャロ®皮下注7.5mgアテオス® 5,772円

〇マンジャロ®皮下注10mgアテオス® 7,696円

〇マンジャロ®皮下注12.5mgアテオス® 9,620円

〇マンジャロ®皮下注15mgアテオス® 11,544円

 

※トルリシティ®皮下注0.75mgアテオス® 2,807円、ビクトーザ®皮下注18mg 9,458円、オゼンピック®皮下注0.25mg SD 1,547円、オゼンピック®皮下注0.5mg SD 3,094円、オゼンピック®皮下注1.0mg SD 6,188円となっております。ご自身の治療薬と比較してみてください。

 

 

今日は新規糖尿病治療薬であり抗肥満対策にも有効性が高いと考えられるマンジャロ®(チルゼパチド)についてご紹介させて頂きました。今後の治療の選択肢の一つとして考えていきましょう。

 

 

なお、これはまだ発売日や薬価も決まっておりませんが、保険診療としての抗肥満薬であるウゴービ®(セマグルチド)が2023年3月に厚生労働省から認可されております。抗肥満薬としてはマジンドール®(サノレックス)以来の認可となっており、肥満診療が新たな局面を迎えようとしています。今のところ発売時期なども決まっておりませんが、決まり次第ブログにアップさせて頂きます。

 

 

【ゆう徳丸内科皮膚科へのアクセス】

板橋区徳丸4丁目にあるゆう徳丸内科皮膚科へは、有楽町線・副都心線『地下鉄赤塚駅』、東武東上線『下赤塚駅』『東武練馬駅』から徒歩圏内です。国際興業バス(下赤03)、りんりんGO(板橋区コミュニティバス)「赤塚第一中学校」バス停目の前であり、駐車場・駐輪場完備、敷地内に薬局完備しており、受診しやすい環境を整えています。練馬区北町にも隣接しており、徒歩圏内です。待合室は広く確保されており、予約システムや自動精算機を導入していることで待ち時間の短縮に努めております。糖尿病治療や高血圧、脂質異常症の大切な治療のひとつである食生活に関して、当院では管理栄養士による栄養指導も導入しております。ご興味のある方はいつでもお問い合わせください。

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