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大人のアトピー性皮膚炎について「なかなか治らない」「再発してしまう」「薬を塗っても改善しない」といったお悩みを抱える方は少なくありません。
アトピー性皮膚炎は発症のメカニズムが非常に複雑です。成人の症例は生活環境やストレス、生活リズム、ホルモンバランスなどさまざまな要因が関係し、すべての患者様が同じ方法で改善できるわけでもありません。
本記事では、大人のアトピー性皮膚炎の原因について詳しく解説します。治療の選択肢やセルフケアもご紹介するので、アトピー性皮膚炎でお悩みの方はぜひ最後までお読みください。

アトピー性皮膚炎の患者様には「アトピー素因をもつ」という共通点があります。アトピー素因とはアレルギー性疾患になりやすい体質のことです。
▼アトピー素因
上記に当てはまるものがある方は、そうでない方に比べてアトピー性皮膚炎の発症リスクが高くなります。アトピー素因は遺伝によって引き継がれやすいため、家族にアレルギー体質の方がいる方もアトピー性皮膚炎になりやすいことが明らかにされています。
さらに、大人のアトピー性皮膚炎はもともとのアトピー素因に加えてストレスや生活習慣、ホルモンバランスなど多因子が重なって発症することも大きな特徴です。
ダニ・ホコリ・花粉・動物の毛といったアレルギー症状の原因物質や、衣類の摩擦や香料なども悪化因子にあげられます。大人の場合、忙しさから受診や通院を後回しにすることも症状が悪化する原因の一つです。
アトピー性皮膚炎は複数の要因が複雑に関与しており、原因はこれと断言することができない疾患です。ゆえに、治療も複数の薬を併用したり、生活習慣やスキンケアの見直しを併用したりして症状緩和を目指していく必要があります。

大人のアトピー性皮膚炎には以下の特徴が見られます。
子どものアトピー性皮膚炎と比較すると、大人は症状が長引いたり再発しやすい傾向があります。これは、子どもは成長とともに皮膚のバリア機能が発達していくのに対し、大人は生活環境やストレス、加齢によってバリア機能が低下しやすいことが理由にあげられます。
症状は主に上半身に見られ、強いかゆみや炎症を伴うのが特徴です。かきむしりによる皮膚の肥厚や色素沈着も大人に多く見られます。

アトピー性皮膚炎の治療は外用薬を基本治療とし、症状に合わせて内服薬を併用します。保湿を中心としたスキンケアと、生活における悪化因子を取り除く環境整備も欠かせません。
ここからは治療法を詳しく解説します。
アトピー性皮膚炎の治療で第一選択肢となるのが炎症を速やかに抑えてくれるステロイド外用薬で、症状の程度や部位に応じて強さを使い分けます。
ステロイドは皮膚の萎縮や多毛、毛細血管の拡張(赤み)などの副作用が出やすいため、長期間の連続使用は推奨されません。症状を見ながら数日〜1週間を目安に使用し、改善が見られればステロイドの種類を変えたり使用頻度を下げるなどして経過を観察します。
近年は非ステロイド剤による治療法が行われるようになり、患者様の選択肢が広がりました。当院でも、免疫抑制剤のタクロリムス軟膏やJAK阻害薬のコレクチム®軟膏を積極的に使用しています。
かゆみを伴う症例では、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬も使用します。16歳以上、かつ既存の治療で十分な効果を得られない患者様には、シクロスポリン(免疫抑制剤)を短期間使用することもあります。
さらに、ここ数年で登場したバリシチニブやウパダシチニブなどの経口JAK阻害薬も新たな選択肢に加わりました。両者はもともと関節リウマチの治療薬でしたが、アトピー性皮膚炎への有効性も認められ適応追加されています。
外用薬で十分な効果を得られない場合には、注射や紫外線療法なども治療の選択肢となります。
注射は「デュピクセント®」と呼ばれるもので、炎症やかゆみの原因となる物質の働きをブロックします。中等症以上のアトピー性皮膚炎に対して有効で、投与開始日のみ2本、その後は2週間に1本の頻度で注射します。
紫外線療法は皮膚に紫外線を照射し、炎症を抑える治療法です。数十秒から数分の治療を週1回を目安に行います。
アトピー性皮膚炎を改善するには日々のスキンケアも欠かせません。
アトピー性皮膚炎の患者様は、外見上はわからなくても皮膚が乾燥していることが多いです。入浴やシャワーで皮膚を清潔に保ち、ローションやクリームで保湿をするとバリア機能が回復し、アレルゲンの侵入を予防できます。
熱すぎるお風呂はバリア機能の保持に必要な皮脂を過剰に落としてしまうので、お湯の温度は38~40℃で調整します。シャンプーや石鹸は低刺激のものを選び、かゆみや湿疹が出やすい部位はお湯で洗い流すだけでもOKです。
アトピー性皮膚炎の症状は生活環境や皮膚への刺激、アレルギーの原因物質などの積み重ねによって起こります。複数の要因に対して一つひとつ対策することも症状改善につながる重要な取り組みです。
ダニ・ホコリ・花粉・動物の毛といったアレルギー症状の原因物質は、こまめな掃除で取り除けます。寝具は定期的に洗濯・交換したり、布団乾燥機を活用することをおすすめします。
免疫力を高めるには睡眠の質も重要なので、ぐっすり眠れるよう睡眠環境を整えることも大切です。適度な運動や入浴はストレス対策にも効果的です。

当院では、単に症状を抑えるだけの対症療法ではなく、原因と体質、生活環境を総合的に考える治療を大切にしています。患者様の選択肢が増えるよう、外用薬や内服薬、注射、光線療法まで幅広い治療法をご用意しております。
| 治療法 | 特徴 |
|---|---|
| 外用薬 | 症状が出る部位に塗り、炎症反応を抑制する。 |
| 内服薬 | かゆみを伴う症例に使用する。 |
| 注射(デュピクセント®) | 皮膚の炎症反応を抑制する。外用薬で十分な効果が得られない中等症以上の症例で外用薬と併用して投与する。 |
| 紫外線療法 | 紫外線(UVB)を照射し、免疫反応を抑制する。外用薬で十分な効果が得られない症例に推奨される。 |
外用薬はステロイド外用薬以外に、タクロリムス軟膏・デルゴシチニブ軟膏・ジファミラスト軟膏・タピナロフクリームなどがあり、症状によって使い分けます。
注射薬のデュピクセント®は院内で投与しますが、希望する方は自己注射も可能です。紫外線療法は全身に照射できるナローバンドUVB療法、または部分的な照射が可能なエキシマライトを選択できます。
上記以外にも、アトピー性皮膚炎の改善に欠かせないスキンケアや生活習慣についてもアドバイスをしております。患者様一人ひとりに合わせて最適な方法をご提案しておりますので、アトピー性皮膚炎でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

大人のアトピー性皮膚炎を改善するには、薬物療法だけでなく生活習慣の見直しも欠かせません。ここからは食事と睡眠、ストレスに分けて患者様にお願いしたいポイントをまとめていきます。
アトピー性皮膚炎の患者様が肌状態を安定させるには、タンパク質・ビタミン・ミネラルをバランスよく摂取することが大切です。
皮膚の再生にはタンパク質が欠かせないため、毎日の食事で良質なタンパク質を積極的に摂取しましょう。ビタミンA・C・Eなどの抗酸化ビタミンは炎症を抑え、肌細胞の修復をサポートします。
青魚や亜麻仁油などに含まれるオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)には体内の炎症反応を抑える働きが知られており、アトピー性皮膚炎の症状改善にも有効性を示すデータが報告されています。腸内環境を整える発酵食品や食物繊維を取り入れることも、免疫バランスの安定に役立ちます。
栄養バランスを見直すうえで、炎症やかゆみを悪化させる食生活(脂質や糖質、アルコールなどの過剰摂取)はできるだけ控えるのが望ましいです。
睡眠中は皮膚のターンオーバーが活発になり、ダメージを受けた細胞が修復される時間です。質の高い睡眠によって免疫が向上し、炎症を抑えるホルモンの分泌も促されます。
睡眠不足や浅い眠りが続くと自律神経の乱れやストレスホルモンの増加により、かゆみが強く出ることがあります。かゆみで睡眠の質が低下すると、症状がさらに悪化する悪循環に陥りやすいため、睡眠環境を整えることも必要です。
寝付きや寝起きが優れない方には、入浴やストレッチで体をあたためたり、寝具や照明を工夫することをおすすめします。
ストレスは自律神経やホルモンバランスの乱れにつながり、かゆみや炎症を悪化させることがあります。悩みや疲れはその日のうちに解消し、心身をリラックスさせてあげましょう。
すぐにできる方法としては、軽いストレッチやウォーキング、深呼吸、入浴などがあります。趣味の時間をつくったり遠出したりすることも気分転換になります。
完璧を求めすぎず、少しだけ肩の力を抜いて自分に合った方法でリフレッシュするのが理想です。

アレルギー体質の方やストレスが多い生活を送っている方、皮膚が乾燥しやすい方に多く見られます。家族にアレルギー疾患がある場合も発症リスクが高まります。
アルコールで体温が上昇したり、香辛料の多い食べ物で血流が促されるとかゆみが増すことがあります。脂質の多い食べ物も炎症を悪化させることがあります。
アトピー性皮膚炎の方は刺激物や脂質の多い食べ物、アルコールの食べすぎ・飲みすぎに注意し、バランスのいい食生活を心がけましょう。(食品アレルギーをもつ方は専門医の指導に基づいた食事制限が必要になることがあります)
花粉やダニなどのアレルギー物質の影響を受けたり、体調不良やストレスなどで免疫力が低下することが原因だと考えられます。
アトピー性皮膚炎の原因は一つではなく、体調や生活習慣、スキンケアなど複数の要因が関係して起こります。悪化を防ぐには、生活習慣の見直しと適切なスキンケアで皮膚のバリア機能を守ることが大切です。

大人のアトピー性皮膚炎は複数の要因が重なって発症・悪化する慢性疾患です。炎症を抑える治療とスキンケア、悪化因子への対策を継続しながら、上手に付き合っていくことが大切です。
ゆう徳丸内科皮膚科では薬物療法と紫外線療法を組み合わせながら、患者様一人ひとりに治療を行っています。スキンケアや生活習慣にもアドバイスをさせていただき、症状のコントロールを目指していきます。
「アトピーがつらい」「何度も繰り返してしまう」という方は、当院までお問い合わせください。さまざまな選択肢から、自分に合う治療法をご提案いたします。