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イソトレチノインは中等度〜重度のニキビ治療に用いられる薬です。再発を繰り返したり、なかなか治らないニキビに優れた効果を発揮しますが、その一方で副作用や使用上の注意点も存在します。
医師の指示に従い、正しく使用すればイソトレチノインは怖い薬ではありません。イソトレチノインでのニキビ治療を希望されている方のため、本記事では副作用や禁忌、使用上の注意点を詳しく解説します。

イソトレチノインはビタミンA(レチノイド)誘導体の一種を含む内服薬です。
皮脂分泌を強力に抑える作用があり、毛穴の詰まりや炎症などのニキビ症状に高い効果を発揮します。皮脂分泌を抑えることで、ニキビの原因となるアクネ菌の増殖を間接的に抑える効果も期待できます。
軽症のニキビ治療では、アダパレンや過酸化ベンゾイル、外用抗菌薬などの塗り薬を用いるのが一般的です。これらの薬は炎症が強く再発を繰り返すニキビには効果が不十分であることが多く、次の選択肢としてイソトレチノインが検討されます。
アメリカで1982年に承認されて以降欧米では広く使用されていますが、日本ではニキビ治療薬としての承認はされていません。したがって、イソトレチノインでのニキビ治療は自費診療となります。
イソトレチノインが怖いと言われる理由は大きく2つあります。
1つ目は多岐にわたる副作用です。イソトレチノインを服用している人には乾燥や関節痛、視力低下、脱毛までさまざまな副作用が見られます。
妊娠中の服用は胎児に奇形が生じる可能性も示唆されており、服用前後は妊活も制限されます。
もう1つの理由は、国内では未承認薬である点です。胎児の奇形リスクがあることから厚生労働省はイソトレチノインに関する注意喚起を行っています。
この2つの理由から、イソトレチノインは怖い薬だという認識が広がったものと考えられます。もっとも、適切な診断と管理のもとで使用すれば重症ニキビの改善に役立つ薬です。
当院でも取り扱いがありますが、患者様の症状をしっかりと確認した上で必要に応じて慎重に処方を行っています。イソトレチノインでのニキビ治療を希望している方は、お気軽にお問い合わせください。

イソトレチノインにはさまざまな副作用が報告されています。
それぞれの副作用を詳しく解説します。
イソトレチノインでもっとも多く報告されている副作用が、皮膚や粘膜の乾燥です。
皮脂分泌が抑えられることで唇の荒れやドライアイ、肌のつっぱり感などの症状が多く見られます。鼻の粘膜が乾燥することで鼻血が出る方もいます。
いずれも命に関わるものではないため、リップクリームや保湿剤、目薬などのケアでコントロールが可能です。イソトレチノインを服用している間は乾燥も継続するため、乾燥が悪化する場合は服用量を減らしたり服用間隔を調整したりすることがあります。
イソトレチノインを服用している方の中には、筋肉痛や関節痛を訴える方もいます。
スポーツやハードなトレーニングを行っている方は症状が強く出やすい傾向があります。通常は軽度で、日常生活に大きな支障をきたすことはほとんどありません。
痛みが気になる時は、運動量を調整したり激しい運動は避けてください。
イソトレチノインは肝臓で分解されるので、服用後に肝機能(AST・ALT)の上昇や中性脂肪・コレステロールの増加が見られることがあります。
服用中は定期的に血液検査を行い、肝機能や脂質の数値に異常があれば中止を検討します。また、肝機能障害や脂質異常症の既往がある方は、原則としてイソトレチノインは服用できません。
イソトレチノインを服用すると、まれに抜け毛が見られることがあります。
これは薬の作用によって髪の成長が一時的に停止してしまうことが主な理由です。あくまで一過性の変化で、髪が抜け続けることはありませんが、気になる時は医師に相談してください。
夜間の視力低下や暗所で物が見えにくくなる夜盲症、目のかすみ、結膜炎など目に関する症状も報告されています。
運転や夜間の作業をする方は特に注意が必要です。症状が強く出た場合は服用を中止し、医師に相談することをおすすめします。
イソトレチノインの副作用でもっとも注意すべきなのが、催奇形性(さいきけいせい)です。
妊娠中にイソトレチノインを服用すると、非常に高い確率で胎児に重い奇形を引き起こすことが報告されています。そのため、服用中および服用中止から少なくとも1ヶ月間は妊娠を避けなければなりません。
海外ではイソトレチノインを服用している女性に対して、避妊の徹底や定期的な妊娠検査を義務付ける妊娠回避プログラム(iPLEDGE)を導入しています。このプログラムに登録しなければ、イソトレチノインを処方してもらうことはできません。
日本では未承認薬ですが、自由診療で処方する場合も必ず医師の管理下で避妊を徹底することが求められます。

以下に該当するものがある方はイソトレチノインを服用できません。
イソトレチノインには強い催奇形性があり、妊娠中に服用すると胎児に重大な奇形を引き起こす可能性があります。母乳にも薬が移行するため、授乳中の方も服用できません。
さらに、妊娠を希望している場合も原則としてイソトレチノインの処方は行いません。現在イソトレチノインを服用中で、妊活を開始する予定がある方は投与前1ヶ月から投与期間中、および投与終了後6ヶ月は必ず避妊をしてください。(男性も前後1ヶ月は避妊することを推奨します)
15歳未満の方や成長期で身長が伸びている方は、骨の成長に影響が出るおそれがあるため、小児への投与も行えません。
肝機能障害や細菌性感染症、その他持病がある場合はイソトレチノインを服用できない可能性があるため、詳細は医師に相談してください。
もう一つ、イソトレチノインを服用している方は輸血も禁止されています。(投与中止から1ヶ月以上経過してから輸血できます)

イソトレチノインは1日1回20mgを服用します。脂溶性の薬であるため、食後に服用することで吸収率が高まります。
症状や体重に応じて30〜40mg/日まで増量することが可能で、服用期間は4〜6ヶ月間が目安です。長期間連続で服用することはできないため、1クール終了後に再発があった場合は一定期間を空けてから投与を再開する場合があります。
イソトレチノインの効果が出るまでには1〜2ヶ月程度の時間がかかるのが一般的です。また、服用期間中は定期的な血液検査(肝機能や脂質異常の有無など)を受けることが推奨されます。

これまでに行われた臨床試験では、イソトレチノインを服用している患者様に抑うつ症状や気分の落ち込みが見られたケースが報告されています。
一方で、ニキビが改善したことで自己肯定感や生活の質が向上し、鬱リスクが低下したという研究も存在します。
イソトレチノインとメンタルへの影響については長年議論が続いていますが、現時点でイソトレチノインが鬱の原因となると断定できる科学的根拠は十分ではありません。
可能性がゼロではないという点で、もともと精神的な不調や鬱傾向がある方は服用前に必ず医師へ申告し、服用中も気分の変化がないかを確認することが大切です。
海外のガイドラインでは、イソトレチノインを服用している間はメンタルヘルスのスクリーニングを行うことが推奨されています。気分の落ち込みや意欲低下、不眠などの症状が見られた時は、早めに医師へ相談しましょう。

近年、インターネット通販や個人輸入を通じて海外の医薬品を入手し、自己判断で使用するケースが増加しています。
通販や個人輸入は正規品よりも安く、手軽に入手できますが、偽造薬の混入や健康被害のリスクがあります。このリスクはイソトレチノインも例外ではありません。
| 偽造薬や粗悪品の可能性がある | 成分量が規定と異なる・異物が混入しているなど安全性が確認されていないケースがある |
|---|---|
| 医師が管理できない | 肝機能や脂質をチェックできない |
| 妊娠リスクに対応できない | 服用前後の避妊について十分な説明が受けられない |
| トラブルは自己責任になる | 個人輸入で入手した未承認薬で健康被害が起きても公的な救済制度の対象外となる |
医薬品の通販や個人輸入については、厚生労働省や政府広報も繰り返し注意喚起を行っています。
重症化したニキビへの効果が期待できる一方で、大きなリスクも存在するため、イソトレチノインを正規の方法以外で入手することは避けてください。

イソトレチノインは、従来の治療で効果が得られなかった重症ニキビに高い有効性を示す薬です。
さまざまな副作用があり、日本では未承認薬であるという側面をもつことから「怖い薬」というイメージを抱いている方がいます。医師の診断のもと、適切に使用すれば怖い薬ではありません。
イソトレチノインでのニキビ治療を希望する方は、副作用や禁忌、使用上の注意点を正しく理解することが大切です。
当院では患者様一人ひとりの体質や症状に合わせたニキビ治療を行っています。イソトレチノインも取り扱いがあるので、なかなか治らないニキビでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
未承認医薬品等
これらの医薬品は薬機法上の承認を得ていない未承認医薬品です。
入手経路等
国内正規販売代理店経由で入手したものです。
国内承認医薬品の有無
国内の承認医薬品等の有無について、他に同程度の性能を有する国内承認医薬品はありません。
諸外国における安全性情報
諸外国で本医薬品による重篤な安全性情報の報告はありません。
本医薬品は米国FDA(アメリカ食品医薬品局)とヨーロッパのEMA(欧州医薬品庁)で承認されています。
医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。